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アクション最前線

2016/12/09

赤ちゃんの虐待死ゼロへの第一歩~特別養子縁組あっせん法案が成立しました~

 


委託

今日(2016年12月9日)は日本の社会的養護(虐待等で家庭で過ごせない子どもたちの養護)において、歴史的な日となりました。

特別養子縁組あっせん法案(正式名称:民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律案)が成立したのです。

【特別養子縁組とは】

日本では2週間に1人、赤ちゃんが遺棄等で虐待死しています。その原因は望まない妊娠。それに社会的孤立や貧困、親の精神疾患等が重なることです。そうした実の親に妊娠期から相談に乗り、出産後は育ての親希望者とマッチングをし、赤ちゃんを託すのが、特別養子縁組です。「家を継がせる」ことを目的とした普通養子縁組と異なり、特別養子縁組は6歳未満の子どもの福祉を目的として1988年につくられた制度です。

【阻まれていた特別養子縁組の広がり】

赤ちゃんの命を救う特別養子縁組制度は平成25年度において474件ほど実現していますが、まだまだ助けを必要としている数には到底達していません。日本では、毎年虐待等で「乳児院」という施設に入る子どもたちが3000人もいますし、またアメリカの公的制度下における養子縁組が5万件ということからも分かるよう、もっとたくさんの特別養子縁組が必要とされています。

しかし、政府はこれまで、赤ちゃんの命を守るセーフティネットというべき特別養子縁組を広げていこう、という政策をとってはいませんでした。その穴を埋めていたのが、民間の特別養子縁組団体(行政用語では特別養子縁組あっせん団体)で、特別養子縁組のうち4割近くを、20程度の団体で支えています。

しかし、民間縁組団体は財務基盤も脆弱で、個人の志とボランティア精神に支えられているものがほとんどです。政府からの補助は1円もなく、それでいて赤ちゃんの命を救う、という最も難しい児童福祉を担っていたのです。

【増える悪質事業者】

こうして見過ごされてきた特別養子縁組業界ですが、さらにそこにトラブルが起きました。悪質事業者の出現です。

大阪にあるあっせん事業者は、ネット掲示板で親の年収等のスペックだけを記載し、面談等、子どもの福祉を考える上では欠くことのできないプロセスを省略していました。その事業者は、実の親に「赤ちゃんをくれたら200万円をあげます」というような告知を行っており、厚労省通知にも反した人身売買の疑いがかけられ、7回の行政指導を受けました。

しかし、こうした人身売買に近い悪質な事業者も、現行法体系では取り締まれません。特別養子縁組事業者は、単なる申請によって業を営むことができる、「申請制」となっていて、罰則規定もないからです。

こうした絶望的な状況を変えようと、たくさんの議員の方々が党を超えて立ち上がってくださいました。フローレンスも他の民間特別養子縁組団体と共に、「日本こども縁組協会」を立ち上げ、あっせん法案実現を後押ししていきました。

kokkai

【補助と許可制】

特別養子縁組あっせん法案の特徴は、二つあります。

①補助

これまで1円もなかった政府からの補助が出されたり、研修の支援が行われるようになります。

参照:(民間あっせん機関に対する支援)

第二十二条:国又は地方公共団体は、民間あっせん機関を支援するために必要な財政上の措置、養子縁組のあっせんに係る業務に従事する者に対する研修その他の措置を講ずることができる。

②許可制

これまでの「申請制」から、都道府県から許可を受けなければ業を営めない「許可制」となります。

参照:第二章 民間あっせん機関の許可等(第六条から第二十二条)

都道府県は業務停止命令を行うことができ、許可なしに特別養子縁組あっせんを行った場合においては、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金が課せられます。

【今後の課題】

この法律成立によって、これまでの放置されてきた荒野の状態から、道ができていくのは間違いがありません。

しかし、法律はあくまで骨子で、細かい部分は政省令等で定められます。よって、本当にしっかりと補助が出て、プロの社会福祉士が安定的なカウンセリングを、実親に提供できるレベルになるのか等、まだ不透明なところがあります。

さらに、許可制によって本当に悪質な事業者をキックアウトできるのか、抜け道はないのか、など予断を許さない状況です。

この法律が成立して終わり、ではなくきちんと運用していけるよう、関心を持ち続けていただければ幸いです。それが、これから生まれようとしている、そして生まれたばかりで亡くなろうとしている、赤ちゃんたちの命を救うことになります。

●民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律案(衆議院サイト)

予期しない妊娠で悩まれている方、ぜひご相談ください。周りにそういう悩みを持った方がいる、という人も、ぜひ赤ちゃん縁組・特別養子縁組制度について紹介してあげてください。つい先日も、絶望し、一人で不衛生な公衆トイレで出産せざるを得ないところまで追い詰められた高校生がいました。実の母親もケアされるべき存在です。そして当然、赤ちゃんは誕生を祝福されるべき存在です。


※予期しない・望まない妊娠相談はこちら
フローレンスのにんしんホットライン

http://hotline.florence.or.jp/

赤ちゃん縁組で家族を迎えたい、という人は養親募集を行っています。一人の命を託すことになるので、様々なハードルは当然ありますが、それでも、という方は、ぜひご連絡をお待ちしております。

※養親相談窓口はこちら
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フローレンスは皆さんに支えられがなら、今後も赤ちゃん縁組事業に取り組んでいきます! 一つでも多くの赤ちゃんの命を救いたい。一人でも多くの実親の人生のリスタートを応援したい。そして、一つでも多くの幸せな、新しき家族を創りたい。そんな活動を応援し、いろんな家族の幸せがあふれる社会をつくりましょう!

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