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アクション最前線

2017/05/05

【こどもの日に寄せて】親と一緒に過ごせない子ども達がいることを知っていますか?

  


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こんにちは。フローレンスNEWS編集部の橋本です。

5月5日はこどもの日。住宅街を歩くと、家の庭やベランダで気持ちよさそうに風にゆらぐ鯉のぼりが目立つ季節ですね。

五月人形を飾ったり、柏餅を食べたり、子どもの頃に家族で楽しく過ごしたことを思い出す方も多いのではないでしょうか。こどもの日は、親にとっても、子どもにとっても楽しい祝日です。

しかし、日本のすべての子どもがお父さん・お母さんと一緒に過ごせているわけではありません。もちろん多くは、親や祖父母など保護者のもとで生活していますが、中にはそうではなく、施設などで暮らしている子どももいます。

保護者がいなかったり、虐待を受けたなどの理由で、子どもを公的な制度・施設で養育することを社会的養護と言います。今回は、こどもの日に寄せて、社会的養護のもとで暮らす子ども達について、少し紹介してみたいと思います。

楽しい行楽シーズンの真っ最中に少しシリアスな話題ですが、すべての子どもが幸せに暮らせる社会を目指す第一歩として、ぜひ知って、一緒に考えてみませんか?

 
保護者のもとで暮らせない子どもは約4万5千人

2017年3月に厚生労働省がまとめた資料によれば、施設や里親のもとで暮らす子ども達の数は現在約4万5千人。日本の子どもの数は約2000万人なので、乱暴ですが、割合で言うと0.2%強です。400〜500人にひとりといったところでしょうか。各小学校に1人くらいいるかもしれない、というイメージだとわかりやすいかもしれません。

もしかするとこの数字を「それほど多くない」と感じる方もいるかもしれません。しかし、こういった子ども達の背景を詳しく見ていくと、そこには無視できない時代の変化があります。

 
養護問題の理由として虐待が増えている

保護者が子どもを養育できなくなる問題を「養護問題」と言いますが、その養護問題が生まれる背景は、ここ30年ほどで大きく変わってきています。

厚生労働省の調査データを見るとそれがよくわかります。

かつては「父母の死亡・行方不明」「父母の離婚」といった理由が多くを占めていました。それが近年では、放任、虐待・酷使、養育拒否(ネグレクト)といった、「子どもの虐待」が最も大きな原因になっているのです。

養護問題発生理由

厚生労働省「児童養護施設入所児童等調査結果」より作成(※一部理由のみ抜粋)

実際に、児童相談所での虐待相談の件数も、近年ずっと増加傾向にあり、平成27年には10万件を超えました。

虐待相談件数

厚生労働省「社会的養護の推進に向けて」PDFより抜粋(リンクは画像をクリック)

「虐待かも?」を児童相談所に通報する全国共通の電話番号は、2015年7月から「189(いちはやく)」の3桁になりました。皆さんも病院の待合室などで見たことがあるのではないでしょうか。

こういったダイヤルの普及や、虐待に対する世間の関心の高まりなどにより、これまでは見えなかった虐待案件が明らかになってきています。

児童虐待の相談数が増え、それに対する公的なケアも増えている。こういった状況を見ると、今後も、子どもの虐待に対して、社会全体がケアをしていく必要性が高まっていくことは間違いないでしょう。 

 
「子どもの虐待死」の中で最も多いのは0歳児の赤ちゃん

特に、虐待の結果、子どもを死に至らしめてしまった虐待死のケースを見ると、その多くは0歳児。厚生労働省の調査によれば、日本では2週間に1人、赤ちゃんが虐待死していることになります。

これは、若年や貧困や暴力などを背景に社会的弱者が予期せぬ妊娠をした場合に起こり得る社会問題で、母親が誰にも相談できないまま自宅やトイレなどで分娩し、そのまま赤ちゃんが死に至ったり遺棄されてしまうケースも後をたたないためです。

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また、虐待死に至らない場合でも、毎年約3000人の赤ちゃんが、実の親による養育が困難であるという理由で、公的施設である乳児院に預けられています。

児童虐待を防ぐ対策はさまざまな角度から行っていく必要がありますが、そのための重要なポイントのひとつが、「何らかの理由で生みの親が育てることのできない赤ちゃんをどう保護するか」なのです。 

 
赤ちゃんを救う、赤ちゃん縁組

この問題を解決するためにフローレンスが行っているのが、赤ちゃん縁組という事業です。

赤ちゃん縁組は、何らかの理由で予期せぬ妊娠、望まない妊娠をした女性の相談に乗り、どうしても産んで育てられない場合は、子どもを望む育ての親とマッチングし、赤ちゃんを引き渡すという取り組み。

育ての親と赤ちゃんは、「特別養子縁組」という法制度を利用して、法律上の親子となります。

2016年から始まった事業ですが、少しずつ、縁組成立の実績ができてきました。

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あわや自宅分娩からの、赤ちゃん縁組!のご報告
フローレンスでは2016年4月の事業開始以降、昨年の秋には初めての縁組委託が実現し、妊娠相談が徐々に増えてきました。それにともなって、妊娠後期の切迫した相談も受けることが増えていま...

こういった、特別養子縁組を背景にした赤ちゃんの縁組は、児童相談所などの行政機関でも行われていますが、虐待相談への対応などで忙しい児童相談所だけですべてのケースをカバーするのは困難です。

そのため、フローレンスのように、民間団体が縁組の取り組みを推進することが非常に重要です。

しかし、現在は、社会的養護の分野で非常に重要性の高い取り組みであるにもかかわらず、赤ちゃん縁組の事業に、国からの補助などはなく、各民間団体が育ての親から縁組費用の実費をいただいたり、寄付を募ったりして事業を運営しています。 

今後もフローレンスでは、赤ちゃんの虐待死ゼロの社会を作るため、赤ちゃん縁組事業を推進していきます。
ぜひ、フローレンスの赤ちゃん縁組を、寄付というかたちで支援してください。

「すべての子どもが、笑顔でこどもの日を過ごせますように」。こどもの日に祈りを込めて。

赤ちゃん縁組を寄付で支援する

参考
社会的養護 |厚生労働省
統計局ホームページ/人口推計の結果の概要

書いた人:橋本 吉央