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アクション最前線

2018/10/19

実例から学ぶ!気になる親子を見逃さない保育ソーシャルワークについて学ぼう【8月保育塾】

 


8月保育塾アイキャッチ

近年、小さな子どもが虐待によって尊い命を落とす事件が多く取り上げられています。

フローレンスが、その課題へのひとつの解として取り組んでいるのが「保育ソーシャルワーク」です。

通常保育園で行う保護者支援に加えて、課題を抱える親子により専門的なアプローチをすべく、より相談支援・ソーシャルワークの視点を持った専門スタッフとして「保育ソーシャルワーカー」を設置しています。

そこで8月の保育塾は、フローレンス初の専任の保育ソーシャルワーカーの鈴木素麗香(もりか)を講師に迎え、「実例から学ぶ!気になる親子を見逃さない保育ソーシャルワークについて学ぼう」をテーマに開催しました。

なお、保育塾とは、フローレンスの全ての現場スタッフに向けた自主参加型の研修のこと。

現場スタッフの「知りたい!」「学びたい!」に応えられるように、毎月違うテーマで研修を行っています。

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講師の鈴木は、巡回相談員を15年経験し、公立保育園内の相談員として勤務後、現在はみらいの保育園事業部で保育ソーシャルワーカーとして働いています。

※巡回相談員とは:保育園からの要請を受け保育園へ出向き、支援を要するご家庭やお子さんの保育について保育園側へ助言する役割。

※園内相談員とは:固定の園に待機し、保護者からの相談を受け、直接ご家庭を支援をする役割。

講義では、以下の3点を学びました。

1.保育ソーシャルワークとは何か

2.ソーシャルワークをする上で参考になる資料とは

3.実例から支援内容を実際に検討してみる(※実際の事例からワークショップを実施したため、個人情報保護の関係で今回はご案内ができません。)

◎保育ソーシャルワークとは?

8月②

はじめに、これからフローレンスが取り組んでいく「保育ソーシャルワーク」についての説明です。

保育ソーシャルワークとは、支援を必要としているご家庭に必要な社会資源との関係を調整して、ご家族がより過ごしやすい環境になるようサポートすることです。

「ソーシャルワーク」と似ている言葉で「カウンセリング」があります。

カウンセリングとは、何らかの援助を求めて「相談」に来る人と、その相談を受けるカウンセラーとの間で行われる相談活動のことを指します。

保育ソーシャルワークは、相談を受けるという「カウンセリング機能」と、困っている人や援助を求めている人のところに駆けつけたり、社会資源とのつながりを調整するアウトリーチ型の「ソーシャルワーク機能」を兼ね備えています。

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◎フローレンスの保育ソーシャルワークの目的

フローレンスの保育ソーシャルワークは、ソーシャルワーカー1人が、ご家族の課題について考え・行動するのではありません。

保育園側やご家族と関係があるスタッフとチームを作り、情報整理や具体的な行動について話し合い、それぞれのご家族のケースに合わせた専門的な対応をしていきます。

子どもを守ることは、子どもの家族を守ること。そこで大切なのが、どんなときも全ての家族を応援するという気持ちを忘れないこと。

また、どんなことがあっても決してご家族や保護者を責めないこと、良し悪しという判断から離れ、自由な思考で向き合うことを大切にしています。

◎ソーシャルワークをする上で参考になる資料とは

園で保護者から預かる資料や記録などにも、支援を必要としているポイントが隠れていると、鈴木は言います。

例えば児童票、入園前健康診断、健康記録などの資料も、よく読んでみると、「もしかしたら、こういうことに悩んでいるのかな?」と、1つの手段がみえてくる手助けにもなるかもしれません。

このように親子をとりまく現状を慎重に整理していくことが大切です。

◎ジェノグラムとエコマップ

複雑化している家族をとりまく環境理解に有効で、家庭支援の際に欠かせないものが、ジェノグラムとエコマップになります。

支援を必要としているご家庭の課題解決には、他の社会資源(児童相談所、子ども家庭支援センター、保険センターなど)の協力が必要不可欠です。

そこで役に立つのが「ジェノグラム」と「エコマップ」です。ご家族の課題に対し、現状を可視化し、共有することで認識をあわせていきます。共通した認識をあわせ、現状を可視化していきます。

①ジェノグラム

ジェノグラムとは、3世代以上の家族・親族関係を図式化したもので、家系図のようなものです。家族の構成を、視覚的に表し、保育現場では、子どもを通した家族を理解するのに役立ちます。

出典:大西良(2016)不適切な養育環境を背景とする長期欠席(不登校)児の家庭内における情緒的関係に関する一考察―ファミリー・マップを用いた事例分析より―『長崎国際大学論叢』

支援の必要な対象者を中心に、家族構成や関係を、記号を使って表わし、家族状況を把握していきます。

②エコマップ

エコマップとは、複雑な問題を抱えた利用者(子ども)の家族との関わりや、社会資源との関わりを線や記号を用いて表したもので、生態地図とも呼ばれます。

出典:鶴, 宏史(2009)「保育所におけるソーシャルワーク実践研究」大阪府立大学

現在繋がりのある社会資源を可視化でき、今後より繋がりが必要な社会資源を把握し、協力体制を高めることなどに活用できます。

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◎実例から、支援の方法を検討するワークショップ

ワークショップでは、ソーシャルワーカー鈴木が実際にご家族の支援をした実例を取り上げました。

上記で学んだジェノグラムやエコマップで、情報・課題を整理をし、ご家族がどのようなことを困難に感じているのか・そのためにどのような支援ができるか検討していきました。

個人情報のため、残念ながらここではご紹介できませんが、

「決めつけてしまうのではなく、広い視野を持ってご家族を見ていくことが大切」

「これからは、保育者もソーシャルワークの視点を持つことが必要」

など、学びを得たスタッフは多くいました。

また、ワークショップの最後に鈴木から、事例で取り上げた家族のその後の話もありました。

保育現場では、気になる親子に保育ソーシャルワーカーが関与して、その後どうなったのかはなかなか把握できないもの。ご家族が、健やかに過ごされている話を聞き、参加したスタッフみんなで安堵しました。

◎さいごに

大切なのは、親子が悩みを抱え込んでしまう前に「この先生だったら安心して伝えられる」という親子と保育者の信頼関係です。

保育の現場が、これからも親子の課題の予防線「セーフティーネット」となれるよう、1つ1つのご家族との関わりを大切にしていってほしいと思います。

これからも、保育塾では、保育スタッフの「学びたい!」に応えられるような研修を展開していきます。

次回の保育塾は、「障害のあるお子さんから学ぶ、個性を尊重して信頼をつくるコミュニケーション」がテーマ。

こちらの様子も近々ご紹介します!

2018年1月の保育塾でも【「気になる親子」の情報の集め方と整理について】学んでいます!

詳細はこちらから!

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