2018/12/20
【11月保育塾】すぐにその場で楽しめる!~「素話」と「手遊び」から遊びのレパートリーを増やそう~
お散歩前に子どもたちの準備が揃うまでの待ち時間や、お昼寝前のちょっとした時間、手軽に子ども達を惹きつける遊びができたら…と思う瞬間は、普段の保育中に幾度となくあるのではないでしょうか。
そんな時、おもちゃがなくてもすぐできる「素話」や「手遊び」のスキルがあれば、子どもと一緒に楽しむことができますよね。
そこで11月の保育塾は、『すぐにその場で楽しめる!~「素話」と「手遊び」から遊びのレパートリーを増やそう~』をテーマに開催しました。
今回の講師はおうち保育園しののめの伊佐由美子(いさ ゆみこ)先生です。
伊佐先生は紙芝居やパネルシアター、素話を長年学ばれていて、去年開催した保育塾にも講師として来ていただきました。参加者からは「経験にもとづいて、子どもが喜ぶことを教えてもらえてよかった!」と大好評。もう一度開催してほしいというリクエストがあり、今年も開催することになりました。
まず初めに見せてくださったのは、手袋人形です。
伊佐先生と手袋人形のくまさんによる、優しい語り口のやりとりが始まります。
伊佐先生「ねえねえくまさん、お顔を見せて?」
くまさん『ん?』(くまの片腕を少し上げる)
伊佐先生「もうちょっとお顔をあげて?」
くまさん『ん?』(反対側のくまの片腕を少し上げる)
伊佐先生「くまさん、お顔を見せて?」
くまさん『ん~~??』(くまの顔を正面に上げる)
伊佐先生「わ~!くまさんのお顔が見えた~!」
会場に、魅了された参加者の満面の笑顔と「わ~!」という声が反響しました。
しかし、実際子どもたちを相手にしているとなかなか集中して聞いてもらえず、悩んでいらっしゃる方もいるのではないでしょうか。
どうしたら伊佐先生のように見ている人を引き込むことができるのでしょうか?
そのポイントを「話し手の工夫」と「環境の工夫」に分けてご紹介します。
素話や手遊びにおいて話し手ができる工夫とは?
くまさんの手袋人形を使った会話の中にも、話し手にできる工夫が隠されていました。
1つは目線です。子どもたちの前に立ってお話をする際、反応が気になり子どもばかり見てしまうことはないでしょうか。
話し手が子どもに目線を向けると、子どもは話し手とくまさんのどちらを見てよいか分からなくなり、お話の世界に集中出来なくなります。人形などを使って話す際は、子どもに見てほしい先を一緒に見てみることが大事とのことでした。
そしてもう1つは間(ま)です。先程のやりとりでは一言ずつ一呼吸おいて進めていました。
伊佐先生「こっちを向いて?」
くま『ん?』(くまの片腕をあげる)
<一呼吸>
伊佐先生「もうちょっとお顔をあげて?」
くまさん『ん?』(反対側のくまの片腕を少し上げる)
このように、「くまさんが見えた!」と子どもが納得してから次の言葉を続けることが大切です。
子どもが集中してお話を聞ける環境づくりも大切
おはなし会のように、子どもたち多数を相手にするときや、お昼寝前などしっかり聞いてほしいときには、集中して話を聞けるような環境を整えることも工夫できるポイントです。
例えばこのようなことです。
・カーテンを閉める
・話し手の後ろに子どもが見て気が散るようなものはおかない
・おもちゃには布をかける
・話し手の服装は派手にならないようにする
・子どもを叱る声でお話を妨げない
ほんの少しの工夫で、子どもが集中できる環境をつくることができますね。
素話や手遊びは「子どもと楽しい時間を共有したい!」という気持ちでどんどんやってみて
たとえ同じ話をしていても、子どもはそのときの体調や気持ちによって、夢中になって聞いてくれるときとそうでないときがあります。
伊佐先生が話す大事なポイントは「楽しい時間を共有できてよかったな、という気持ちで楽しんで接してみてください」ということ。
心がけたいポイントはいくつかありますが、「習ったとおりにやらないと」や「こういうときにやってはいけないのではないか」と考える必要はありません。手洗いやごはんの前などの待ち時間にも、どんどんやってみましょう!
ということで素話・手遊びの実践タイムです。
~今回教えていただいた手遊び・素話~
♪くっついちゃった
♪蝶々のじゃんけん
♪あいうえ大きなオットセイ
♪犬さんはワン(ペープサート編)
♪3匹のねずみ
中でもお伝えしたいのは『3匹のねずみ』。
この手遊びには大・中・小のねずみが登場します。
ねずみの大きさに合わせて、声のボリュームを変えて鳴き声を真似ていきます。
歌詞はこのような感じです。
あるところに3匹のねずみがいました。
小さいねずみと、中くらいのねずみと、大きいねずみです。
大きいねずみは「ちゅうちゅう、ちゅちゅちゅ、ちゅうちゅう、ちゅちゅちゅ」となきました。
中くらいのねずみは「ちゅうちゅう、ちゅちゅちゅ、ちゅうちゅう、ちゅちゅちゅ」となきました。
小さいねずみは「ちゅうちゅう、ちゅちゅちゅ、ちゅうちゅう、ちゅちゅちゅ」となきました。
大きいねずみの鳴き声は大きな声で、中くらいのねずみ、小さいねずみと徐々に声を小さくしていくことで子どもが眠りに入りやすくすることもできるそうです。
最初にお手本としてやって見せてから、次に子どもと一緒に鳴き声を真似て楽しむこともできます。
レパートリーがあればあるほど、子どもの年齢やその場の状況に応じて生かしていくことができそうですね!
すべての参加者が前で実践したので、参加者のみなさんの中には、早速自分のオリジナルなやり方を編み込む方も!
いろいろなレパートリーを楽しむことができました。新たな手遊び・素話をその場で覚えて帰ることができ、次の日からすぐに実践できそうです。
絵本のタイトルは、最後に言ってみる
最後に、読み聞かせの際に真似してみたくなるポイントの紹介です。
絵本の中には、表紙やタイトルを見ると登場人物や結末がひと目で分かるものもありますよね。そんなときには、表紙を隠して読み始め、最後に見せるやり方も効果的です。
子どもたちに、これから読む話がどんな話かを最初に見せないことで、結末を知ったときの驚きや楽しさが倍増するそうです。
また、みんなのみらいをつくる保育園東雲園園長の成川先生から、おすすめの絵本の紹介がありました。
今回紹介していただいたのはこちらの7つ。
『ちいさなあなたへ Someday』
『ぴっぽのたび』
『わたしとなかよし』
『ママのスカート』
『ぼおく おかあさんのこと…』
『ぴよぴよ スーパーマーケット』
『どんな気持ち?』
かわいい絵本の数々に参加した保育スタッフも嬉しそうにメモをとっていました。
感想の中には
「すぐやってみよう!と思えると共に楽しい時間でした。1対1の保育や訪問型保育ではおもちゃを持ち込まない場合も多く、こういった手遊びや素話のレパートリーが多いといろいろなお子さんに対応できます。先生の佇まい、声のトーン、間の取り方も勉強になりました。」
といった声や
「先生だけでなく、他のスタッフのアレンジも見る事が出来て楽しかったです」
という声がありました。
この記事を読まれているみなさまも、ぜひ手遊びや読み聞かせの場面で実践してみてください。
次回の保育塾は1月です。報告記事も近々公開いたしますのでお楽しみに!
書いた人:安野 早紀子
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