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アクション最前線

2019/03/11

東日本大震災から8年。復興フェーズを過ぎて、今必要とされる支援とは

   


あまり知られてないけれど、フローレンスは、2011年から被災地支援を始めました。

当時は福島から避難してきた妊婦さんの受け入れなど、目の前のことから無我夢中ではじめた被災地支援。その後、放射線の影響で外で遊べない子ども達のための屋内公園「ふくしまインドアパーク」(2015年終了)や、進研ゼミを無償提供した「希望のゼミ」(2014年終了)等に支援を拡大していきました。

震災から5年も経つと、「復興」フェーズは過ぎて、社会課題が「震災を契機に進んでしまった」地域として、どう関わっていくか、というテーマになりました。

そこでフローレンスは、東北エリアで一番待機児童が多くて、母親たちが思うように働けなかった仙台で、2015年に小規模認可保育を始めて立ち上げ、広げていきました。おうち保育園こうとう台、木町どおり、そしてかしわぎと、今では三園を運営しています。

そして今は、「保育ソーシャルワーク」を仙台を中心に広げていこうと活動しています。

ソーシャルワークとは、日々の生活の中で困りごとを抱えている人の相談に乗り、適切な社会援助につなげる活動で、内容は多岐に渡ります。

というのも、仙台で小規模保育を三園やっていく中で、様々な支援を必要とするケースに出会ったのですが、行政や児童相談所の仕組みがあまりにも現場から遠いよ、という問題に気づいたからです。

東京だと、まだ子ども家庭支援センターがまがりなりにも児相と現場の間にあって、ある程度近い距離感で相談できるのですが、仙台ではそれもなく、多くのケースが現場での対応に任されきっているのです。

多くの保育所では、そうしたケースの場合、行政に連絡を入れることが精一杯で、どうケースを見立て、どんな社会資源と繋ぎ、どう伴走していけば良いのか分からず、立ちすくんでしまいます。

そしてケースはどんどんと悪化していき、何らかヘビーなインシデントが起きた後、ようやくと言って良い形で児相が動き始めるのですが、その時にはかなり事態が進行していて、そこから改善させていくのは相当な労力がかかるようになっているのです。

そこで、保育園の現場で早期に課題に気づき、早期に支援が始められるように「保育ソーシャルワーク」の技法を多くの園で共有できれば、いち早く課題に直面した親子を助けることができるようになるのではないか、と。

まだまだ芽吹いたばかりのアイデアで、実践を積み重ね人材育成していき、となるとかなり時間は掛かります。

しかし、この取組が広がれば、間違いなく多くの親子の力になっていけると確信しています。

目に見えやすい被災地の物理的な復興だけでなく、目には見えづらい、子育てにまつわる社会問題を解決していくため、フローレンスはこれからも尽力していきます。

あの年に0歳だった赤ちゃんが、ハタチになるまで

フローレンスのこの取り組みは、「ハタチ基金」という被災地こども支援NPOの連合体でやっています。

ハタチ基金へのご寄付はフローレンスの取り組みや、その他大事な教育支援や障害児支援にも資金が回ることになります。

これからも、日本全体で東北地域を下支えしていけたらと願ってやみません。

ハタチ基金へのご支援はこちら→https://www.hatachikikin.com/

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