2019/05/05
【こどもの日】子どもを社会全体ではぐくむために。フローレンスのアクション #令和の子育て
平成から積み残した、子どもの課題
新しい時代を迎えて初めての「こどもの日」ですね。
平成最後の年に日本全国が悲しみに沈んだ社会問題のひとつが、なくならない子どもの虐待でした。
2018年の1年間に警察が児童虐待の疑いで児童相談所に通告した子どもの数は8万104人で、過去最高。この10年で約13倍にも増えていることがわかっています。
政府や自治体は懸命に動いていますが、様々な関係者があらたな仕組み・制度づくりに奔走する今この瞬間も、辛い状況にある親子がいます。
フローレンスは、地域社会みんなで子どもを育み、見守っていく仕組みを令和時代はあたりまえにしていきたいと考えます。
小さなモデルから、私たちが始めている様々な取り組みをご紹介させてください。
子どもを社会みんなで見守り育むために。フローレンスの取り組み
(1)赤ちゃん縁組事業
子どもの虐待死の中で一番多い年齢は0歳児、その中でも産まれたばかりの0歳0日児が大半であることをご存知ですか? 2週間に1人、産まれると同時に遺棄されるなどして亡くなっています。
この問題を解決するために、フローレンスは「赤ちゃん縁組事業」を2016年から開始しました。
予期せぬ妊娠に悩む女性からの相談を聞き、適切なアドバイスをし医療・福祉機関につないで支援しています。
出産後、お母さんが望んだ場合は、特別養子縁組の制度を使って育ての親を希望する夫婦に赤ちゃんを繋ぐ事業です。
現在までに、約1300名の相談に乗り、13組の新しい家族が生まれました。
特別養子縁組で子どもを迎える夫婦へのサポートも強化しており、全国どこからでも受講できる「特別養子縁組オンライン基礎研修」も開講し子どもの家庭養育の推進に努めています。
(2)こども宅食、病児保育ひとり親家庭サポート事業
子育て中の親が社会的・経済的に孤立すると、虐待につながるリスクが高まります。日本では7人に1人子どもが相対的貧困状態にあると言われており、経済的な苦しさは親子を苦しめる原因のひとつです。
「こども宅食」は、フローレンスが複数のNPOと自治体(文京区)と共同で行っている事業です。文京区内の経済的に苦しいご家庭に、2ヶ月に1度米や調味料、缶詰、お菓子などの食品を宅配しています。
実はこの事業は、食品を届けることだけが目的ではありません。
高齢者の見守り事業で培ったノウハウを持つ運送会社、ココネット㈱がご自宅に直接食品を届けますが、その際にはご家庭の困りごとを聞き、必要に応じて行政の制度や施設といった社会資源につなげていくことを目指しています。
また、定期的にLINEをメインとした気軽なツールでアンケートを取ること等をきっかけに、いつでも子育ての悩みを相談できる窓口をオープンにし、必要な支援につなげるなど、家庭のリスクが高まることを防いでいます。
こども宅食の取り組みについて全国自治体、支援団体から「文京区以外でもできないか?」とたくさんのお問い合わせやご相談をいただいたことを受け、「こども宅食応援団」という全国組織を立ち上げました。
なお、フローレンスが経済的に困難を抱える家庭の支援を始めて11年前。
「フローレンスのひとり親支援」という事業をきっかけにしています。相対的貧困率が高いと言われるひとり親家庭が仕事を失わず安心して働けるよう、寄付を原資とした安価な病児保育サービスを届けて、これまでにのべ1200名以上を支援してきました。寄付者の人数は約2400名にものぼります。
(3)保育ソーシャルワーク
東京都内と仙台市に18の保育園を運営するフローレンスでは、保育園の中だけにとどまらず、家庭をより積極的に支援する「保育ソーシャルワーク」を始めました。
きっかけは、過去にフローレンスの保育園に通うお子さんのご家庭で、不適切養育のリスクが高いケースがあったことです。園と事務局、行政など関係機関で情報を連携しながら、ご家庭への支援を行いました。
家庭の変化や親御さんの悩みに気づき、早い段階で親御さんを支援するための取り組みが必要であることをその経験を通して知りました。保育園や幼稚園、小学校、学童クラブ、そうした場所は子どもの様子を毎日見ることができ、もっとも早く支援が必要な家庭にアクセスできる窓口です。
現在は東京と仙台それぞれ1人ずつソーシャルワーカーを配置し、巡回などを通して園との連携と情報の共有を行っています。(詳細:保育園の新しい役割とは。「保育ソーシャルワーク」始めています)
保育園にソーシャルワーカーを配置するという取り組みはとてもめずらしいことです。
制度化されていない保育ソーシャルワーカーの配置に対する補助はなく、フローレンスが費用を持ち出しで採用・配置をしています。
私たちの取り組みで保育ソーシャルワークの事例を作り、将来的には、各保育園にひとり、あるいは子ども人数あたり何人、といったかたちで、保育ソーシャルワーカーの配置が制度化されるよう、働きかけを行っていく予定です。
あたらしい時代の、チャレンジへ
こうしたチャレンジは、皆さんからの応援で続けていくことができます。
こどもの日、令和時代のあたらしいあたりまえを考えるにあたり、「これからの日本を担うこども達のために、なにかできることはないか」と思った方は記事のシェア、ご支援をお願いします。
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