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お知らせ

2019/08/16

教えて!みんなの制作 !~子どもの発達段階に合わせた制作のススメ~【5月保育塾】

   


フローレンスには病気のお子さんをご自宅でお預かりする病児保育、子どもとゆっくり向き合える小規模保育、障害のあるお子さんをお預かりしている障害児保育と様々な保育の形があります。

それぞれの保育現場では日々工夫しながら、保育スタッフがお子さんの成長に合わせた活動を行っています。

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5月の保育塾では、様々な保育現場の制作を知る機会として「教えて!みんなの制作 !~子どもの発達段階に合わせた制作のススメ~」を開催いたしました。

保育塾とは、フローレンスの全ての保育現場スタッフに向けた自主参加型の研修です。現場スタッフの「知りたい!」や「学びたい!」に応えられるように、毎月違うテーマで研修を行っています。

今回は、みんなのみらいをつくる保育園東雲の成川宏子先生と障害児保育園ヘレンの坂井桃子先生にお話をしてただきました。

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見本がない制作とは?

みんなのみらいをつくる保育園では、子どもたちの「やりたい!」を大切にし、子どもたちひとりひとりに寄り添う保育を実践しています。

特に制作を行う上で大切にしていることが2つある、と成川先生は話します。

1つ目は「子ども主体で制作を行う」ということです。
子ども主体で制作を行うため、みんなのみらいをつくる保育園の制作には見本がありません。
見本どおりに作らなければいけないという枠組みを用意せず、子どもたちは思い思いに制作を楽しんでいます。

材料も子どもたちが自由に選びます。
もちろん用意した材料を使って制作を行うこともできますが、子どもたちには創造力を働かせて、用意していないものや身近にあるものも制作に取り入れて欲しいと考えているので、自分で加える子どももいます。

これはダンボールを使った制作をしたときの作品です。
見本がない中で制作を行うため、オリジナルティのある作品になります。
材料もマカロニ、粘土、モール、絵の具、どんぐり、ビーズ…と様々なものを使っていることがわかりますね。子どもたちの発想力の豊かさには毎回驚かされます!

図1
 
2つ目は「どの発達段階のお子さんも楽しめるような制作を大切にしている」ということです。
同じ制作でも発達段階や年齢によって道具を使い分けたりするだけで、幅が広がります。

例えば、鯉のぼりを作るという制作を0歳児から5歳児みんなで取り組むとします。
同じ道具を使ったやり方では、0歳児にとっては難しいけれど5歳児にとっては物足りないと感じる作業もありますよね。

そこで発達段階に合わせて道具を変えると、0歳児は手形・足形でスタンプ、2~4歳児は筆、5歳児は自分でスタンプ作って色を塗るなどの工夫ができます。

同じ制作でも発達段階を考えて工夫するだけで、どの年齢でも楽しむことがができる制作になりますよね。

図2

小さな変化も見逃さない!障害児保育園ヘレンの制作

フローレンスの障害児保育園ヘレンは様々な障害をもつお子さんがおり、お子さんによって障害も様々であれば、発達段階も様々です。
そのため障害児保育園ヘレンでは下記4つのことを大切に制作を行っています。

・子ども一人ひとりの実態に応じて個別のねらいを立てること
・子どもの反応を待つこと
・子どもの小さな表出(発声・四肢の動き・目の動きや瞬き・呼吸の変化・唾液の分泌等)を見逃さないこと
・子どものポジショニングや環境を整えること 

今回は雪が降った日にかき氷をつくった制作を紹介していただきました。

①雪に触ってみたり、音を感じてみよう。
まずは降った雪を見たり、触ったり、カップの中に入れて振ってみたりし、視覚や聴覚に刺激します。実際に氷にふれることによって「硬い」という触覚への刺激、「冷たい」という皮膚感覚への刺激を感じます。

②かき氷のシロップ(今回は絵の具)を見てみよう
鮮やかなかき氷の色を見て、色覚を刺激します。

③かき氷の完成!
そして最後は絵の具をかけてかき氷の完成です。
氷に色がついていくさまをみて、視覚・色覚で感じていきます。

図1
このように、障害児保育園ヘレンでは、お子さんの反応や、表情をしっかり捉えながら、制作を通して様々な刺激をお子さんに感じてもらうことで、成長発達を促しています

保育士が作る、本気の制作

保育塾の最後には、保育士のみなさんに制作に取り組んでもらいました。
今回つくったものは「お魚」です。

様々な色のお花紙を丸めてOPP袋に詰めていき、口を結んでお魚にしました。
簡単に出来るので、どの保育現場でも様々な年齢で楽しめる制作になっています。

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さすが日々、プロとして子どもと向き合っている保育スタッフの皆さんならではの個性豊かなお魚ができました。

「私が担当している〇〇ちゃんならこんな感じでつくるかな」や「もう少し付け加えて魚釣りなどの遊びにも発展できそうだね。」などの会話が盛り上がりました。

みなさん、童心に帰って楽しんでいる様子でした。

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保育者が楽しむ制作の場が、フローレンスにはある

制作の時間を、これは仕事だから、この時間を何かして過ごさなければ、静かにしてほしい、定期的に制作をしなければ、と考えてしまうと、子どもたちとの楽しい、嬉しい時間をつまらないものにしてしまいますよね。

楽しい制作の時間を作るためには、まず保育者が楽しむ気持ちを忘れないことが大切と成川先生は話します。

今回の保育塾担当の成川先生、坂井先生は、制作を先生自身が楽しんでいることが言葉の端々から伝わってきました。

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5月の保育塾が終了した後のある日、病児保育事業部の保育スタッフからこんな話を聞きました。

「普段ゲームやテレビを好む男の子のお宅に行った際に、今回保育塾で作成した魚作りを実践してみました。
小学生のお子さんだったので、楽しめるか不安だったのですが、道具や材料を工夫するだけでお子さんも長い時間楽しんでいました。
親御さんも普段制作をするお子さんの姿をあまり見ないそうなので、とても喜ばれたんです!」

さっそく実践して、お子さんもとても楽しんだとのこと。とても嬉しいエピソードでした。

フローレンスには様々な保育現場があり、お互いの専門性を教え合えたり、高め合えるような環境があります。
フローレンスの保育クレド「保育者として私たちは、常に最高の保育に向かって学び続けるプロです」を体現しているような会になりました。

次回の保育塾の報告もお楽しみに!

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書いた人:寺井 楓


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