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インタビュー

2019/12/12

“初めてきょうだい児とふたりで過ごせた”そんな時間をつくるナンシーの看護師の働き方とは?

     


フローレンスが9月から開始した医療的ケアシッター ナンシー

週2日、3時間程度医療的ケアが必要なお子さんをお預かりする事業です。

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今回はナンシーに加わって早4ヶ月の増田さんに、入社のきっかけや今の心境を伺ってみました。

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じっくり利用者さんと関わりたいという思いで

安野:ナンシーで働く前はどんなお仕事をされていたんですか?

増田:私はもともと障害児・者入所施設の看護師をしていました。勤務していく中で、一人一人の反応が違うにも関わらず、ゆっくり利用者さんと関わる時間が全然持てなくて、すごくもどかしい思いをしていました。

時間が限られている中で同じことをみんなに提供しなくてはいけなので、集団での活動で終わってしまったり、年齢に合わない事をせざるを得ないこともありました。1対1でゆっくり看護・療育をしていきたいなという思いが出てきました。

安野:そこからフローレンスに辿りついたんですね。

増田:看護師になる1年目から、障害がある子の地域看護をしていきたいと思っていました。そのときにフローレンスも知っていて、行きたいなと思っていたんですが、実務経験3年という条件があったので、3年働いてから入社しました。

安野:看護師になったときからフローレンスを志していたんですね。

増田:障害児のお母さんと子供たちを助けていきたいというところが、すごくいいなと思っていました。というのも、看護実習の中で難病の子とそのお母さんと出会いがありました。お子さんの心臓がいつ止まってしまってもおかしくない状況の中でお母さんが日々悩み、心休める時間のない中で疲労していく姿を目の当たりにしたんです。「健康に生んであげられなくてごめんね、この子と一緒に死のうと思った」。お母さんが孤立していく現状に心が痛くなりました。小児を対象とした訪問看護もまだまだ少なく、障害を持った方やそのご家族は支援が少なく閉鎖的な状況の中で生きている。

その現状を知り、地域で障害を持ったお子さんやご本人、そのご家族を支援する看護をしていきたいとフローレンスへ入社しました。

安野:そのような経験があったんですね。たしかにナンシーととても通じるところがあります。
フローレンスの中で看護師として働くにもいくつか部署がありますが、ナンシーで働かれていて特徴的だなと思われることはどんなことですか?

増田:ナンシーは自分が主体で療育を活動として提供できるところですね。利用者さんの変化を見ていける点がすごく面白いと思います。

普段訪問時の持ち物。 医療セット、iPad、視覚・触覚を刺激するおもちゃ、絵本など

入社前の不安も、研修で払拭

安野:反対に入社前にイメージできなくて不安だったことはありましたか?

増田:ナンシーでお預かりするお子さんがどんな子なのか、また学習支援や療育にはまだ自信がなかったので、そこのフォローがあるのかっていうのは不安でしたね。

安野:実際入社されてみてその点はどう感じられていますか?

増田:入社してすぐ他のナースの訪問に同行させてもらって、実際にお子さんに会ったり先輩たちの療育の仕方やフォローを見て安心しました。

あと、療育の面では同行の他にも、アニーやヘレン(※)の研修もあったり、自分が受けたい研修を申請して行かせてもらったりもできるのもすごく心強いなと思います。

※フローレンスで未就学の医療的ケア児・障害児を対象に行っている障害児訪問保育アニー・障害児保育園ヘレン

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安野:他に入社されてから「こうだったんだ!」と思ったことは何かありましたか?

増田:残業や業務負担はやっぱり気になってましたね。施設勤務の時はサービス残業みたいのがあったので。でも実際は全くありませんでした。訪問と同時にその日は終わりで、事務作業は無理せず隙間時間にやるという感じです。ワークライフバランスもしっかりとれてとってもいいなと思っています。

看護師が預かることで可能になること

安野:よかったです!今増田さんも訪問を始めてらっしゃいますが、元々やりたいと思っていた個別でゆっくり関わる点の実現はできてるという実感はありますか?

増田:そうですね!反応が薄い子でも少しずつかかわる中でちょっとぴくっと動いてみたり、足がぴくっと上がったりとか、本当に小さい変化でもなんか感じでくれているんだなと思うと、次はこういうことがしたい!こうしたい!!という構想がすごく広がっていくんです。

個別で活動もできますし、お母さんの気持ちを聞ける場面も多いので、やりがいにつながっています。

安野:お母さんは普段お預かり中はいらっしゃらないけど、最初と最後のタイミングで話されているんですか?

増田:そうですね。引き継ぐ時に、お母さんがきょうだい児のケアをしている間にいろいろお話させていただいています。お母さんの孤立もなんとかしたいなと思っていたので、今こうして自分が気持ちを聞く役割を担えてよかったなと思います。

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安野:たとえばお母さんの言葉で印象的だったものはありますか?

増田:「来ていただいて本当によかった」ということはまずありますね。
あとは、私たちがお預かりしている間、きょうだい児の子と2人でどこかにお出かけにいけるのはとてもありがたいと言ってもらえたことですかね。

ワンオペできょうだいを見なければいけない時、医療的ケアがあるとどうしてもお母さんはそちらの子にかかりっきりになってしまって、きょうだい児に時間がつくれない事をすごい苦しんでたみたいで。お母さんにもきょうだいの心にも葛藤があるのがひしひしと伝わってくるんですが、ナンシーではそこに支援ができていいなと思います。

そして医療的ケアがある子も少しでも多くの経験をできたらいいなと思って、いろんなことを想像したり提供したりしていきたいなと思います。

安野:ありがとうございます。最後に、どんな方にナンシーをおすすめしたいか、聞かせていただけますか?

増田:なんでも楽しめる人かな。アイデアを広げて、妄想する人がいいなと思います。具体的ではないですけど、この子にあった支援ってどんなことだろ?こんなことしたいな!という気持ちが表現できる人がいいなって思ってます。

療育のことを詳しく知らなくても、研修や先輩との同行もあるので、その中でこの子を自分が受け持つとしたらこういう事をしていきたいってそういう相談を一緒にしていきたいなと思います。

安野:お話聞かせていただき、ありがとうございました!


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書いた人:安野早紀子


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