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アクション最前線

2020/02/10

行きたいところに、一緒に行こう。分身ロボ✕医療的ケアシッター ナンシーが叶えた「社会科見学」!

    


こんにちは!

「医療的ケアシッター ナンシー」スタッフの太田です。

日本には、「たんの吸引」や「経管栄養」といった医療デバイスを利用している医療的ケア児が約20,000人いると言われています。

ナンシーは、そんな医療的ケア児(以下、医ケア児)のご家庭に看護師が訪問して、お子さんをお預かりしています。その間ご家族は、お夕飯の買い物をしたり、医ケア児のきょうだいとゆっくり過ごしたり、思い思いの時間を過ごしています。

お預かりの時間は、医ケア児たちにとっても楽しみなひとときです。

担当の看護師は、子どもたちの興味ややりたいことを大切にしながら、その日の過ごし方を決めています。

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ナンシーを利用しているMさんは、特別支援学校の5年生。

人工呼吸器をつけているため通学が難しく、担任の先生が自宅に来て授業を受ける「訪問学級」に在籍しています。

普段は一日の大半を家の中で過ごすMさんですが、とっても好奇心旺盛で、今は色々な職業に興味津々。

そこで、担当の看護師は考えました。

Mさんに、ぜひ色々な職業の人と実際に会う機会をつくりたい。そして、その人たちの生の声を聞かせてあげたい。Mさんに、できるかぎり「本物」との出会いをつくり、Mさんの世界を広げたい。

そうだ、社会科見学をやってみよう、と。

そんな想いを実現するために登場した力強い助っ人は、こちらの「OriHime」です!

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OriHimeというのは、分身ロボットです。

様々な理由で行きたいところへ行けない人の分身となり、人と出会ったり、色々な体験をします

そこでナンシーでは、2日間に渡りOriHimeを使ったMさんの社会科見学を行うことにしました。


1日目:障害児保育園ヘレンを見学!

OriHimeが、フローレンスの運営する障害児保育園ヘレンに到着しました!

Mさんは担当の看護師と一緒に自宅にいて、iPadでOriHimeを操作しています。

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こちらは、今日、園を案内したり保育士の仕事内容についてMさんのインタビューを受けてくれる、あき先生です。ちょっと緊張気味です。

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あき先生「Mさん、おはようございます!今日は、ヘレンに来てくれてありがとう!」

Mさん「おはようございます!よろしくお願いします!」

ヘレンに、Mさんのかわいらしい声が響きます。

あき先生「わあ、かわいい!実際に話してみると、本当に、ここにMさんがいるみたいなんですね!!じゃあ、ちょっと、一緒に園の中を見てみましょうか。」

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保育士の先生がどんなお仕事をしているか、どんな工夫をしているかを見せていただいています。

OriHimeは、パッと見、無表情な宇宙人のようですが、会話をしていくうちに眼差しや表情を感じるのがすごいところです。同じ表情でも喜怒哀楽を感じさせる能面を参考にデザインされているのだそうです。Mさんの興味津々な様子が伝わってきますね!

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朝の会の準備をしている先生のところに来ました。

「あとで、一緒に参加してね!」

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朝の会に参加中です。

テレビ会議のタブレットとは違って、まるでそこにMさんがいるかのようです。

運動会の話をしたり、歌を歌ったり、Mさんにとっても保育園の子どもたちにとっても、「一緒にいる」ことを実感できた時間となりました。

Mさんが部屋から出るときには、子どもたちは寂しくて、悲しくなってしまったくらいでした。

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園長先生とあき先生にインタビューもしてみました。

興味は有るけれど、なかなか質問が浮かんで来ないMさん。

でも、頑張って保育士の仕事についてお話を聞くこともできたし、逆にあき先生から、小学校生活についてきかれて、それに答えることもできました。

普段は限られた人たちとの時間が多くなりがちなMさんですが、こうやってテクノロジーをうまく使って、初めての場所へ行き、初めての人と出会い、話をして、経験の幅を広げていくことができるのですね。

2日目:フローレンスのオフィスを見学!

さて、2日目はフローレンスのオフィスに来ました!

今日は、Mさんが知らないお仕事について話を聞きたいということで、代表の駒さんと広報のわかちゃんにインタビューです。

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広報のわかちゃんが来ましたよ!

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「広報」というのは、Mさんが初めて聞く言葉です。

わかちゃんが、仕事で作ったパンフレットを見せたり、Mさんの知っていることに例えたりしながら、お仕事説明をしています。

Mさん「お仕事は楽しいですか?」

わかちゃん「社会課題をまだ知らない人に気付いてもらって、応援してもらえることにやりがいを感じます。」

実際にその仕事をしている人に会って、その人の生の言葉で仕事についての話を聞ける ー これは、障害の有無に関わらず、全ての子どもたちにとって視野の広がる素敵な経験ですね!

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あ、いつの間にか、わかちゃんの実家で飼っているヤギの話をしています。楽しい話に花を咲かせていると、なんだか、にぎやかな声が聞こえてきました。

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駒さんが登場です。

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駒さんには、社長業についての質問が飛びます。

「むずかしいな~」悩みながらも一生懸命答える駒さん。

さて、Mさんから「社長室はどこですか?」ときかれて、執務スペースの隅っこまでやってきました。

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駒さん「社長室っていうのは無くて、みんなと同じ場所で一緒に仕事してるんだよ。」

Mさん「えーっ!!」

フローレンスのみんな「Mさーん!」

Mさん「こんにちはー!本当にみんなとおんなじ場所なんだー」

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社会科見学を通して聞いたこと・見たことの中には、Mさんが知らなかったことや、頭で思っていたのと違うことが、たくさん有ったようです。Mさんの好奇心には、きっと今まで以上に火がついたことでしょう。


社会科見学を終えて。

2日間の社会科見学を終えて、Mさんはこんなことを言っていました。

「今度は、OriHimeでサウジアラビアに行きたい。テレビで見たことはあるけど、本物を見てみたい。ラクダに乗って、砂漠を歩いてみたいし、街とか景色がどんなふうなのかも見てみたいです。」

駒さん「絶対に行けるよ!そのためには頑張って英語を勉強しなきゃね。」

Mさん「はい!絶対に行きます!」

ナンシーはご自宅に訪問しマンツーマンでお子さんをお預かりする事業です。でも、現場の看護師たちは、ただお預かりするだけではなく、お子さんとの時間の過ごし方を大切に考えています。

そして、必要とあらばOriHimeのような最先端のテクノロジーや、ナンシーの外にいる人たちの力を柔軟に取り入れて、ご自宅の部屋から広い世界へと扉を開いていくのです。

「やってみたい」を一緒に叶える。

これは、ナンシーの合言葉です。

この想いを大切に、これからも医療的ケア児とそのご家族に少しでも良い時間が届けられるようにしていきたいと思います。

医療的ケアシッター ナンシー公式HP

医療的ケアシッター ナンシーのご利用にはいくつかの条件があります。

ご利用希望の方は、以下のフォームからお問い合わせください。

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