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アクション最前線

2020/02/25

グループワークを通してみんなで考える!~外国籍の子ども・保護者とのコミュニケーション方法について~【1月保育塾】

 


1月の保育塾は、「外国籍の子ども、保護者とのコミュニケーション方法について知ろう!」をテーマとし、ワークを通して考える時間としました!

保育塾とは、フローレンスの全ての現場スタッフに向けた自主参加型の研修です。現場スタッフの「知りたい!」「学びたい!」に応えられるように、毎月違うテーマで研修を行っています。

11月の保育塾は「冬の感染症対策」について学びました!

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フローレンスは、みんなを思いやりながら自分たちの未来を変えていける力を育むために、共感性・内発性・創造性を伸ばしていく保育、「シチズンシップ保育」を掲げています。

そんなフローレンスが目指す「シチズンシップ保育」の5本の柱のひとつに、「わたしはわたし、違うことを認め合う」というものがあります。それは、国籍、文化、成育環境、年齢、性別、障害の有無など、あらゆる違いを知り、受け入れ、大切にするということです。

現在、インターネットの急速な広がりと社会のグローバル化、テロや紛争による難民・移民の増加など、様々な社会の変動により、多文化共生社会が必要不可欠となっています。

実際に日本で生活をする在留外国人は、年々増加傾向にあり、現在日本の総人口の2.24%を占めています。
※出入国在留管理庁発表より

そして在留外国人の全体の20%が東京に集中しており、子育て世代が多いことが大きな特徴です。

フローレンスの保育園にも、中国や韓国、アメリカやロシアなど、様々な国にルーツのある子どもたちが通っています。一人ひとりの個性や違いを大切に、受け止め、認め合いながら保育をするにはどうすればいいのでしょうか?

様々なグループワークを通して、参加者全員で外国籍の子どもや保護者とのかかわり方について考えました。

1月保育塾の講師は、みらいの保育園事業部の隅井千景さんです。みらいの保育園事業部では、おうち保育園やみんなのみらいをつくる保育園の運営を行っています。

記事②

ワーク①共有しよう!私の経験

保育塾では、様々な事業部のスタッフが参加し、意見交換をしています。ワーク①では、これまでの保育現場で、外国籍の子どもや保護者にかかわった経験をグループごとに共有しました。

「文化の違いでなかなかパンツを履いてくれない子どもがいて困った・・・」「子どもが走り回っていて危ないから注意しても日本語が通じなくて聞いてくれなかったけど、英語で『be careful』と言うと素直に聞いてくれた」など、様々なケースが共有されました。

ワーク②想像しよう!もし外国で自分の子どもを保育園に預けることになったら・・・

ワーク②では、「もし外国で自分の子どもを保育園に預けることになったら・・・」と想像し、子どもの立場・親の立場からどんな心配があるのか、考えました。

実際に、「外国で自分の子どもを預けることになったら・・・」と想像すると、「手続きがきちんとできるのか」「子どもはその国の食べ物を食べれるのか」「文化に馴染めるのか」など、想像以上に不安要素がたくさんでてきました。

逆の立場に立つことで、当事者意識を持って想像することができ、不安点や課題などを自分ごととして、考えることができました。

記事③

また、グループワークの中で多く出てきたのは、コミュニケーションや言語面についてです。

「先生と適切な情報交換ができるのか・・・」「母子手帳などの文字を理解できるのか・・・」など、保育者とのコミュニケーションについて不安の声が多く上がりました。

しかし、保育者と子ども、保育者と保護者のコミュニケーションだけでなく、外国籍の親子同士でのコミュニケーションや言語面の課題も深く潜んでいます。

子どものほうが日本語が上達してきたときに、日本語が不自由な親や親の言語を「恥ずかしいもの」と認識し、親を尊敬できなくなることがある

・家では母語/外では日本語という特殊な環境の中で、きちんとした教育環境がないと、バイリンガルではなく「セミリンガル」(どちらの言語の発達も不十分)になる危険性がある

・日本語での日常会話ができる場合、日本人と同じ扱いを受けてしまい、「実は難しい日本語がわからない、語彙が少ない」となる場合がある

言語面だけでも多くの深刻な問題に陥る可能性があります。乳幼児期の環境はその後の子どもたちのコミュニケーションに大きな影響を及すことが分かりました。

正解はないけど、いろんな方法がある

「もし外国で自分の子どもを保育園に預けることになったら・・・」と、実際に外国籍の方の立場に立って考えることで、様々な不安要素や課題があることが分かりました。

言語、国籍、民族、文化・・・さまざまなので、すべてがケースバイケースになります。

保育者は、いろんな国の文化やいろんな言語を知っておくことはもちろん助けになりますが、まずは、相手にどんな課題があるのか想像し、さまざまな背景を受け止められる寛容さ、柔軟さを鍛えることが大切です。

また、対応ケースを記録し、ナレッジ(役に立つ知識)を貯めていくことも必要です。外国籍の子どもや保護者とのかかわりを意識することで、スタッフ同士で助け合うことにもつながります。

そして、自分だけで何とかしようとしないで、外部のサービスやツールを活用することも大切です。

みらいの保育園事業部では、必要な園に翻訳機(ポケトーク等)を置いています。色々なツールやアイデアを使って、外国籍の保護者の方とのコミュニケーションにベストを尽くしています。

記事④

ワーク③やってみよう!「やさしい日本語」

ワーク③では、どのような日本語が分かりやすいのか、「多文化子育て支援ガイドブック~日本語でつたえるコツ~」(社会福祉法人大阪ボランティア協会発行)の練習問題を実際にみんなで解いてみました。

「やさしい日本語」とは、災害時に日本語に不慣れな外国人にも情報が伝わるように、簡単な語彙と単純な文型の日本語を使おうというものです。

日本語で伝えるコツの例

・情報を整理し、簡潔に、相手が理解しやすい順序で伝える

・常識や習慣を前提とした表現は避け、必要に応じて説明を加える

・単純な構造の短い文にする

・漢字にはふりがな、手書きの場合は楷書で丁寧に

・一生懸命聞く、相手がうまく言葉を見つけられないときは推測して代わりに言ってみる

普段何気なく使っている日本語も意識すれば、相手に分かりやすく簡潔に伝えることができます。

ワーク④みんなで話し合ってみよう!

最後に、実際の外国籍の子どもや保護者のケースについて、グループごとに話し合ってみました。

例えば、園の遠足で、生ものの食品NGでお願いしていたのに、韓国人のお母さんがキンパを作って持たせてきたときの対応など、各グループそれぞれ違う具体的な事例で、外国籍の保護者や子どもとのコミュニケーションや対応方法を考えました。

これまでの時間で学んできたことを活かして、「まずはこのお母さんの言葉を受け入れることが大切ですね」「否定をせず、具体的な日本の習慣をお伝えしましょう」など、素敵な意見が飛び交っていました。

様々なグループワークを通して、参加者からは、「ワークがたくさん出来て実際にあった例について話し合えたことが実践的でよかったです。」「他の事業部の方達の活動に基づいたお話を直接伺う事ができたのは有益でした。などの声が聞こえました。他事業部とのワークを通して、学びを得れたようです。

フローレンスのビジョンは、「みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」です。

この「いろんな家族」には、もちろん外国籍の家族も含まれています。国籍や民族に関わらず、すべての子どもによりよい保育を提供していきたいです。そのためには、

◆まずは、あらゆる違いを知り、受け入れ、大切にすること

◆そしてそのために、私たち保育者が工夫する力や寛容性を鍛えること

全スタッフでフローレンスのビジョンを実現できるよう今後もみんなで学び続けたいと思います。

保育塾で学ぶことが出来るのはフローレンスのスタッフだけ!フローレンスでは現在、様々な職種で採用を行なっております。フローレンスに興味がある。フローレンスで働いてみたい。そんな方はぜひ!

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