性被害を受けても、声を上げられないこどもたちがいます。
こどもの未来を守るために、あなたの力が必要です。
知っていますか?
身近に危険が潜み続ける、こどもの性被害の実態
被害者の心に生涯消えない傷を残す「魂の殺人」と言われる性犯罪。
これまでは卑劣な犯罪からこどもたちを守るしくみがありませんでした。
小児性犯罪は
1日に2件発生
12歳以下のこどもに対する性犯罪は年間約1,000件
実態としてはそれを遥かに上回る被害が想定されています。
(警察庁「令和4年の刑法犯に関する統計資料」(令和5年8月))
性犯罪の加害者との関係
顔見知り7〜8割
親族、教師・コーチ、施設職員など、身近な人物からの性被害を受けることが多いです。
(内閣府「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」(令和2年6月))
性被害のトラウマを抱えたまま生きる
~当事者家族の手記~
こども時代の性被害が理由で、今も恋愛ができない
わたしには、こどもの頃に性被害にあった家族がいます。相手は学習塾の先生で、そのことを家族が打ち明けられたのは、彼が大人になってからでした。
当時は恐怖と嫌悪感はあったものの、何をされたか分かっていなかったそうです。心配をかけたくないとの思いで、家族にも言えなかったとのこと。それでもわたしは、ある時から彼が人に体を触られることを極端に嫌がるようになったことを覚えています。
今でもその塾講師は、どこかでこどもに関わる仕事をしているかもしれない
今の日本の制度では、彼の人生から輝きを奪ったその塾講師を、こどもから完全に離すしくみがありません。今でもどこかでその塾講師はこどもに関わる仕事をしているかもしれないと思うとゾッとします。
もうこれ以上、トラウマを抱えて生きるこどもを増やしたくありません。
※写真はイメージです。
※個人が特定されないよう、複数のエピソードをもとに構成しています。
こどもを性被害から守る「日本版DBS」とは?
こどもの日常生活の場を「性犯罪の温床」にしてしまっている最大の原因は、こどもたちが利用する現場に「性犯罪者を立ち入らせないしくみ」がないことです。
そこで、一つの解決策となるのが「日本版DBS」。
日本版DBSとは、こどもを性被害から守るために、こどもと接する仕事に就く人に性犯罪歴がないか確認する制度です。
たとえばイギリスでは、こどもに関わる仕事に就こうとする人は、過去に犯罪を行っていないことを証明する「犯罪歴証明」を就業先に提出する義務があります(DBS制度※)。
※「DBS」とは、英国内務省が管轄する「Disclosure and Barring Service(ディスクロージャー・アンド・バーリング・サービス)」(前歴開示および前歴者就業制限機構)の略称です。仕組みとしては、個人の犯罪履歴などのデータベースを管理、さまざまな職業に就く際に必要な証明書を発行する、というもの。
いま日本には、こういったしくみはありません。
過去にわいせつ事件を起こした人物が求人に応募してきても、事業者は採用時に問題を察知する術がなく、小児性犯罪の再犯を防げませんでした。
このイギリスの制度をモデルとした「日本版DBS」を導入することが、こどもを性被害から守るためにも不可欠とされています。
フローレンスは「日本版DBS」の必要性を
訴え続けてきました
わたしたちフローレンスは、国内のこども・子育ての社会課題解決に取り組む認定NPO法人として、この課題にいち早く取り組み、2017年から日本版DBSの制度創設を提言してきました。
寄付者の皆さんのご支援をいただきながら、3つのステップで政策提言活動を行い、「日本版DBS」制度創設までに様々な“壁”を乗り越えてきました。
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Step1
声を上げる社会課題を可視化、記者会見・啓発活動など
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Step2
声を集めて届ける署名活動などを通じて改案の声を国に届ける
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Step3
ともに政策を
つくる議員とともに制度を創設
「日本版DBS」創設に向けたフローレンスの歩み
Step1
声を上げる「#保育教育現場の性犯罪をゼロに」記者会見を実施
「性犯罪者規制」(=日本版DBS)の必要性が世の中に広まるきっかけになったのは、2020年6月のベビーシッターによる連続わいせつ事件です。被害者は5〜11歳の男児計20人、被害があった期間は2015年からの4年4カ月間にわたりました。
フローレンスではこの事件を受けて、こどもたちを性被害に遭わせないしくみづくりが必要と訴えました。
2020年7月に行った記者会見では、性犯罪者を教育現場に立ち入らせない制度として、「日本版DBS」創設の必要性を改めて主張しました。この時の「#保育教育現場の性犯罪をゼロに」との訴えは大きな反響を呼びました。
Step2
声を集めて届ける政府が動いた!「日本版DBS」がこども家庭庁の政策の柱に
記者会見の3日後には森法務大臣(当時)に、そして2020年7月末には橋本内閣府特命担当大臣(当時)に「日本版DBS」創設を求める要望書と21,000筆以上集まった署名をお渡ししました。
2021年4月22日、ついに政府が動きました。
「日本版DBS」が盛り込まれた提言が菅総理大臣(当時)のもとに届き、総理が「『日本版DBS』を政策の柱に」と言及。メディアにも大きく取り上げられ、世論を大きく動かすきっかけになりました。
Step3
ともに政策をつくる
対象をこどもと関わるすべての仕事へ!署名活動で8万筆の声を届ける
日本版DBSの創設に向けた検討が大詰めを迎えていた2023年8月、国は日本版DBSの対象施設を保育園・学校などに限定しようとしているという報道がなされました。民間の塾やスポーツクラブなどの習い事などでもこどもの性被害が起きているのに、これではこどもたちを真に性犯罪から守ることができません。
そこでフローレンスは緊急署名活動を開始。
なんと8万筆超の署名が集まり、2023年9月にこども家庭庁の小倉こども政策担当大臣(当時)へ署名を提出。対象を塾や習い事、無償ボランティアも含めた「こどもと関わる仕事すべて」とすることを強く要望しました。
2024年6月、ついに「日本版DBS」法が成立!
そして2024年6月、「こども性暴力防止法」が可決され、「日本版DBS」の創設が決定しました。
長年にわたり、これまでフローレンスを支えてくださった寄付者の皆さん、署名してくださった皆さん、関係者各位の応援のおかげです。本当にありがとうございました。
しかし、まだまだ課題が残されている…
「日本版DBS」が創設されても、真にこどもを守る制度となるには課題が残されています。
1.性犯罪者が「未認定」施設に流れ込むリスク
学習塾や習い事などの民間事業者は「認定」を取得した事業者のみ日本版DBS対象となります。
例えば、わいせつ行為で学校を懲戒免職になった教員が、「未認定」の学童保育などの施設に転職する可能性も!
2.照会の対象となる性犯罪歴の範囲が限定的
性犯罪の「前科」者情報のみが照会対象となります。小児性犯罪で起訴され、有罪が確定するケースはごく一部。「前科」がついた犯罪者のみをデータベースに登録した場合、多くの小児性犯罪の加害者が対象外に!
3.性犯罪歴を照会できる期間が限られている
性犯罪歴の確認の対象となる期間は、最長で20年。これを過ぎれば、こどもと関わる仕事に復職できてしまいます。小児性犯罪者の中には、小児性犯罪を繰り返す者が一定数存在します。こどもの心の傷は一生、性犯罪者の罪は期間限定なのでしょうか?
「日本版DBS」は、施行から3年後に制度見直しを行うとされています。こどもたちが性被害から守られる社会をつくるために、フローレンスは引き続き政策提言をしていきます。
「日本版DBS」次の制度見直しは施行から3年後
さらにこどもたちを性被害から守れる制度にするために、
あなたのご寄付でフローレンスは政策提言活動を続けます
STEP1
声を上げる
記者会見・啓発活動などで、
社会課題を可視化
5,000円の寄付を40名の方がしてくださると、記者会見を1回開催できます。
STEP2
声を集めて届ける
署名活動などで集めた、
みんなの想いを国に提出
1万円の寄付を100名の方がしてくださると、署名キャンペーンが1回開催できます。
STEP3
ともに政策をつくる
政策提言専門チームが、
議員とともに制度を改善
毎月1万円の継続寄付を100名の方がしてくださると、調査、提言内容の検討、議員への提言などの活動を継続できます。
フローレンスの主な政策提言とその成果
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2012年
おうち保育園をモデルとした「小規模認可保育所」が「子ども・子育て支援法」に盛り込まれ、国策として制度化。待機児童問題解消に向けた大きな契機となった。
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2021年
フローレンスおよび全国医療的ケア児者支援協議会が関連団体とともに6年にわたり訴えてきた、医療的ケア児家庭への支援を国・自治体の「責務」と定めた「医療的ケア児支援法」が制定。全国的に医療的ケア児とその家族への支援拡充に向けて試行錯誤が始まっている。
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2022年
繰り返される園児のバス置き去り事件を防ぐため、「置き去り防止装置」設置を訴える署名活動を実施。約4万筆の署名を小倉こども政策担当大臣(当時)に届け、翌日には大臣が関係府省に義務化を指示。皆さんの思いを速やかに制度化につなげ、2024年3月末には設置率100%を達成した。
フローレンスのこどもを性被害から守る取り組みに賛同しています
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小児科医・新生児科医今西洋介最近こどもの性被害に関する報道が多いですが、世間はとにかく加害者を罰する方向にばかり議論が進んで、被害を受けたこどもたちの治療やケアはほとんど議論になりません。
こどもにとって、性被害は一度でも起きるとその後の人生の健康や精神状態に大きな影響を長く与え続ける事がわかってきました。こどもたちを性被害から守る事は彼らの声を聞き、彼らの人権を守る事につながります。大人が対策を考え声をあげながらこどもたちを守る社会を作っていきましょう。小児科医・新生児科医。公衆衛生学博士。日本小児科学会専門医、日本周産期新生児専門医。小児医療ジャーナリスト。
X「ふらいと」のアカウントで公衆衛生学の視点から周産期や小児に関する社会問題について発信。講談社モーニング連載コウノドリの取材協力を務める。エビデンスに基づく育児情報を配信する「ふらいと先生のニュースレター」は登録者ランキングで最多。3姉妹の父親。
メディアからも注目されています
このフローレンスの取り組みは、新聞、テレビ、ウェブメディアなど、これまでに多数のメディアに取り上げていただいています。
「こどもの看病をしたら
会社をクビになった」フローレンス設立ストーリー
こんにちは。認定NPO法人フローレンス
会長の駒崎弘樹です。
フローレンスを立ち上げたきっかけは、大学生の頃。ベビーシッターをしていた母から聞いた、ある母子家庭の話でした。
その母親は、こどもが熱を出して保育園に行けず、会社を休んで看病をしていたのですが、なんとそれを理由に、会社をクビにされてしまったというのです。
こどもの病気で悩む親御さんとこどもを助けたい。そんな想いで立ち上げたのが、保育者が自宅に伺って病気のこどもを保育する、フローレンスの病児保育です。
日本初の訪問型病児保育
フローレンスを設立した2004年当時はまだ「病気のこどもは親が看るのが当たり前」という風潮がありました。しかしサービスをスタートさせると、予想を大きく上回る利用希望者からの声が届きました。病児保育はまさに子育て世代が待ち望んでいたものだったのです。
今では利用者の方も増え、対象エリアも1都3県まで拡大、大きな事故もゼロで、これまでに業界最多となる累計10万件以上のお預かりを実施しています。2008年には「寄付によるひとり親支援プラン」をスタートし、これまでにのべ1,500人以上のお子さんに保育を届け、病児保育を通してひとり親家庭が安心して働ける環境を提供し、就労、そして家計の安定を支援しています。
病児保育の影響は全国へ
徐々に拡大していったフローレンスの病児保育が注目され、2015年には訪問型病児保育を題材にしたドラマが放送されました。
また、今までは「病児保育」という言葉すらなかったところから、政治家の公約に「病児保育の充実」が入ったり、全国自治体で病児保育の予算化が行われたりするなど、病児保育の環境を全国的に充実させる仕組みができあがったのです。
半径5メートルの小さな取り組みから社会の「あたりまえ」を変えるフローレンスの活動は、皆さんの支援によって成り立っています。是非、これからも皆さんと共に様々な家族を救っていきたいと思っています。
会長プロフィール
1979年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、「地域の力によって病児保育問題を解決し、子育てと仕事を両立できる社会をつくりたい」と考え、2004年にNPO法人フローレンスを設立。
政策提言や担い手の育成を行うため、2012年、一般財団法人 日本病児保育協会、NPO法人 全国小規模保育協議会を設立、理事長に就任。2015年、全国医療的ケア児者支援協議会を設立、事務局長に。
公職としては、2010年より内閣府政策調査員、内閣府「新しい公共」専門調査会推進委員、内閣官房「社会保障改革に関する集中検討会議」委員などを歴任。
現在、厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員会座長、内閣府「子ども・子育て会議」委員、東京都「子供・子育て会議」委員、横須賀市こども政策アドバイザーを務める。
著書に『政策起業家 「普通のあなた」が社会のルールを変える方法』他多数。
一男一女の父であり、こどもの誕生時にはそれぞれ2か月の育児休暇を取得。
認定NPO法人フローレンスとは?
こどもたちのために、日本を変える。こどもの虐待や貧困問題、育児の孤立・孤独などこども・子育て領域の社会課題の解決を目指し、病児保育、保育園、障害児保育、こども宅食、赤ちゃん縁組などの数々の福祉・支援事業を運営するとともに、政策提言や文化醸成などの活動を行う国内最大規模の認定NPO法人です。
認定証明書
フローレンスは、児童福祉支援活動の分野において東京都で最も早く「認定」を受けた認定NPO法人のひとつです。
受賞歴
・Change.org「チェンジメーカー・アワード2023」未来を生きる若者・子どもたちのために部門賞を受賞(2023年)
・多胎児家庭専門の訪問サポートサービス「ふたご助っ人くじ」が 東京都女性活躍推進大賞特別賞を受賞(2023年)
その他、受賞歴多数
メディア掲載
日本経済新聞、産経新聞、毎日新聞、朝日新聞など全国の大手新聞や、「NHKニュース」「news zero」「めざましテレビ」「NEWS23」などテレビのニュース、また各種WEBニュースなど、多くのメディアにフローレンスの取り組みを紹介いただきました。
フローレンスが取り組む様々な社会活動と活動実績
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病児保育事業
病児保育件数
120,000件病児保育問題
2005年に日本初の訪問型病児保育事業を開始。子育てと仕事の両立可能な社会を目指し、安心安全な病児保育を提供しています。
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病児保育事業
ひとり親支援人数
1,583名ひとり親家庭の就労問題
低価格で利用できるひとり親支援プランを提供。のべ1,583名のひとり親家庭のこどもを保育。親御さんの就労を支えています。
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障害児保育・支援事業
これまでにお預かりしたお子さん
344名障害児保育・支援問題
預け先がなく家庭で育てるしかなく、社会からも孤立していた障害児に保育、療育、看護を提供。お子さんだけではなく障害児家族の支援も行います。
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赤ちゃん縁組事業
特別養子縁組
28組 にんしん相談件数
4,251件赤ちゃんの虐待死問題
予期しない妊娠に悩む女性の妊娠相談と、育ての親になりたい夫婦をサポート。より多くの赤ちゃんが温かい家庭で育つよう支援を行っています。
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こども宅食事業
利用家庭数
約700家庭
(文京区) 全国のこども宅食の広まり
104団体
38都道府県孤育て問題
親子の“つらい”にそっと手をさしのべるアウトリーチ型の福祉モデルである「こども宅食」。食品の配達を通じて困りごとを抱える家庭とつながりを作り出します。
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みらいの保育園事業
東京・仙台で約18施設を運営待機児童問題・孤育て問題
待機児童の解決モデルとして始まった小規模保育所。親子の困りごとを早期発見し、適切な支援に繋ぐ活動をしています。
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みんなで社会変革事業
国へ働きかけ政策として実現した提言
1年間で11件政策化に向けたソーシャルアクション
通園バス「置き去り防止装置」設置義務化、こども誰でも通園制度など、親子にまつわる様々な課題に対し政策提言活動を実施。
フローレンスは、
あなたからの支援を必要としています。
フローレンスはこどもの性被害をなくす制度をより実効性のあるものにするために、皆さんからのご支援を必要としています。
フローレンスは、児童福祉支援活動の分野において東京都で最も早く「認定」を受けた認定NPO法人のひとつです。
フローレンスへのご寄付は寄付金控除の対象となります。
法人・団体からの寄付をご検討中の方へ
法人・団体さまからの認定NPO法人へのご寄付は税制上の優遇措置として、一般寄付金の損金算入限度額とは別枠で、特別損金算入限度額の範囲内で損金算入が認められています。
900社を超える法人・団体さまと寄付をはじめとした様々な支援・協働の実績があり、ご意向に合わせた寄付をご提案します。
日本版DBSや政策提言に使途指定した寄付も可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください!
お問合せの際には、フォームの「2. ご検討いただいているご支援についてお伺いします」の項目に「日本版DBSに関するWebサイトからのお問い合わせ」とご記入の上、お申し込みをお願いします。
フローレンスの法人寄付に関する情報はこちら