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2016/11/21

子どもの呼吸が止まったときはどうする? ~安心安全な病児保育のための救急救命講習~

 


厚生労働省は、平成11年度から、11月を乳幼児突然死症候群(SIDS)の対策強化月間と定め、注意喚起、啓発活動を行っています。

SIDSは、何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が死に至る原因の分からない病気です。
SIDS の予防方法は確立していませんが、寝かせる時にうつぶせに寝かせたときの方がSIDSの発症率が高いというデータがあり、保育施設では「うつぶせ寝をさせない」ことは常識となっています。また、睡眠時の子どもの呼吸チェックも非常に重要です。

しかし、「目を離していた間に、睡眠中の子どもの呼吸が止まっていた」という大変悲しい、痛ましい報道が後をたちません。私たちは、病児保育、小規模保育、障害児保育という様々な保育のフィールドで活動をしていますが、「安心安全であること」は保育事業者としては、何より当たり前のこと。”防ぐ”ためのフローを徹底すると同時に、日々の保育の合間をぬって、最新知識の習得と理解、スタッフの保育技術の向上は欠かせません

フローレンスの病児保育は、2005年のサービス開始から11年、無事故で36,000件以上の病児保育を提供してきました。安心安全にお子さんをお預かりするために、私たちが大切にしているのが「研修制度」です。年間180時間という手厚い研修体制が、フローレンスの病児保育の大きな特徴の一つ。病児保育の現場に出るための新人研修だけでなく、経験豊富なベテランスタッフも、定期的に飯田橋の本部事務所に赴いて、保育のスキルアップに励んでいます。

その中でも、いざという時にお子さんの命を守るための「救急救命講習」は、フローレンスの病児保育スタッフにとって必須の研修です。
入社して間もないスタッフから、本部研修担当のベテランスタッフまで集まり、定期的に開催されるこの講習は、少人数、実技中心で、スタッフの満足度も非常に高い内容となっています。

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講師は、保育応急救護協会代表の遠藤登氏です。

心肺蘇生は大きく気道確保、胸骨圧迫、気道確保、人工呼吸から成り立っており、胸骨圧迫、気道確保、人工呼吸ともそれぞれに抑えなければならないポイントがあります。

身体の構造などを座学で学んだ後、いよいよ実技開始。ストップウォッチを使っての胸骨圧迫は、参加スタッフが汗だくになるほど。遠藤先生の「もっと強く」「リズミカルに」「テンポを落とさないで」といった指示がオフィスに飛び交います。

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乳児への人工呼吸は、保育者自らの口で乳児の口と鼻を覆うようにして行います。
乳児の胸が少し上がるのが見える程度に、やさしく吹きこみます。病児保育スタッフは感染防止の一環でマスクをしているので、実際にやってみると、意外に強く吹き込む必要があり、コツをつかむために、何度も繰り返して練習します。

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フローレンスの病児保育でお預かりするお子さんは、6ヶ月~12歳まで。心肺蘇生の実技も、乳児用・幼児用と人形を替えて、それぞれ行います。

練習相手はマネキンですが、生身の子どもに接しているのと同じようにマネキンを取り扱うように、スタッフひとりひとりが注意して講習は進みます。

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講師の遠藤先生は2011年からフローレンスの研修制度および、病児保育の現場に携わっています。病児保育の現場をよく知る遠藤先生ならではの、リアリティのあるロールプレイングが特徴的です。
「保育終了時の引き継ぎ中、親御さんとお話しているときに、お子さんが急変したらどうする?」
「食事中にハイチェアに座っているお子さんが誤嚥したらどうする?」
こういったロールプレイングを通して、どのスタッフもいざという時に正しい対応ができるように学びます。

フローレンスの病児保育はマンツーマンですが、保育スタッフの中では「なにかあったらすぐ本部」という合言葉があるほど、相談や共有の電話がいつも飛び交っています。しかし、いざという時にお子さんを守ることができるのは、やはり保育しているスタッフです。お子さんを安心安全にお預かりするために、フローレンスでは引き続きこういった研修を重ねていきたいと考えています。

フローレンスの病児保育 研修制度についてはこちらの記事もぜひ!

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講師プロフィール

保育応急救護協会代表 遠藤登 氏

保育士の経験を経て、2002年に保育所を開所し、園長に就任。
2011年に、園長職を辞し、保育所を閉鎖する。病児保育事業、医療法人、クリニック等の立ち上げに参加する。
2014年、保育応急救護協会を立ち上げ、保育の救命救急のスペシャリストとして、救命処置法の指導や、講演活動などを行っている。

著書に『「保育救命」~保育者のための安心安全ガイド~』2016年7月1日発売、出版:株式会社メイト)がある。




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