シチズンシップ保育探究、１年間の成果報告会！

みらいの保育園事業部では23年度、シチズンシップ保育の具体的なあり方を探究すべく、隔月の研修と園での実践を往復、繰り返しによって「シチズンシップ保育」の言語化と共通理解、保育の質の向上を進めてきました。24年3月にはその集大成である報告会が行われました。

年間を通して学んできたこと「保育で大切にする意識と行動」「こどもに対してのバイアス」「保育者の役割」「現在と未来をつなげる保育」などの要素を盛り込みながら成果物シートへ落とし込んでいきました。

年間のゴールとしても「言語化」が大きなテーマでしたが、シートに落とし込むことで改めて気付いたこと、新たな発見、探究しきれなかったことなどを皆さん見事に言語化してくれました。その中で「わたし」ではなく「わたしたち」という言葉も多く、また「知る・興味を持つ」対象を「こどもだけではなく大人にも」といった話も多く聞かれました。これはまさにみんなで・チームで進めてきた証であり、そんな言葉の端々にもシチズンシップが育まれていたように感じます。持ち時間を過ぎてもエピソードが溢れていて、「これだけ話してもいいですか」とエピソードを話している皆さんの表情は充実そのもの、素晴らしい報告会となりました。

シチズンシップ保育理解度についての測定結果共有

シチズンシップ保育への理解度や達成度、各人の現在地などを計測するために、今回を含め計3回効果測定をアンケートにて行ってきました。アンケート項目は「シチズンシップマインド、志向性」「こどもたちに対して大切にしている関わり」「こども観、保育観」「チームへの姿勢」「保育の連続性」の選択式設問と、その他4つの記述式設問で構成されています。

第1回目の結果と2回目の結果を比べてみると、まず全体の合計スコアが上がっていました。第1回目ではそこまで平均スコアが高くなかった設問もスコアがアップしていきます。これは各回で学んできた保育の捉え直しコンテンツが一人一人の力や意識に入り込んだ成果です。往還型研修で園に持ち帰って実践につなげていたことで、チームへ相談・共有の時間がより生まれ、探究が深まった結果だとも感じます。

更に記述式設問では、第1回目のアンケートでは抽象的な表現に留まっていたようなところまで詳細な言語化が進み、具体的なエピソードを書いてくれた人もいました。前段でも触れたように、年間ゴールテーマの一つに「言語化」があります。それぞれの考えるシチズンシップ保育の在り方が明確化され、保育の質が向上している分析結果となりました。

わたしたちの目指す保育のありかたを探究したい、シチズンシップ保育探究1年間の総括！

最後に1年間の振り返りとともに、2024年度に各人が持っていくものを言語化し、宣言していきます。

それぞれの宣言の中で「大人もこどもも楽しむ」「信頼」「対話」などが多く聞かれました。どれもシチズンシップ保育を進めていく上で大切なことです。年度のはじめ研修が始まった当初は、シチズンシップ保育の概念を言語化していくことへ苦手意識が強い人も多く、各回の研修の終わりにも「結局どういうことですか？」と首をかしげる場面を多く経験した人もいました。自分の取り組んでいる保育を他者に言葉で説明できることは、こどもの育ちを保障するために、また保育の質を担保するためにとても大切なことです。一年探究をすることで改めてシチズンシップの重要性「多様な価値観と積極的に協働する」ということが見えてきたように感じます。チームメンバーの多様な価値観を認め信頼する、そのために対話を重ねること、さらには自分たちがこどもとともにその環境を楽しむことを大切にするということ。また明日からの保育が楽しみになる時間となりました。

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