2022年4月1日〜2023年3月31日(令和4年度)

データの前提

NPOはあくまでも「社会課題の解決」を存在意義とし、利益は継続的な活動をしていくための手段です。
とはいえ責任を持って持続可能な運営を行うためには、企業と同様に財務健全性を度外視することはできません。

フローレンスはそうした財務健全性を保つため、本ページにおいて財務情報の開示を行い、経営の透明性を高めてまいります。
なお、会計処理および開示方法については、NPO会計基準に従っております。

直近5年間の収益・正味財産増減額 (2018年~2022年)単位:百万円

会計報告写真1

2022年度は総収益4,035百万円、+242百万円の増収(前年比106%)、正味財産11百万円、▲53百万円の減少(前年比16%)となりました。今年度は、全国のこども宅食事業者と連携して宅食事業を推進する、「こどもフードプラットフォーム事業」に支援企業様から多くの食品・日用品の寄贈をいただきました。また、渋谷区と協働でふるさと納税を活用したガバメントクラウドファンディングを実施しました。

※正味財産(純利益)は21年度以前にいただいた寄付金(営業外収益)による積立金から132百万円を取り崩し、戻し入れた後の実績となります。

NPOは寄付者や会員に利益を分配することを禁止されていますが、利益を上げることが禁止されているわけではありません。私たちは社会課題解決のために、その利益を次年度以降の投資に使っていきます。

事業モデル別収益推移 単位:百万円

会計報告写真2

フローレンスの事業は、サービス提供による事業収益を主な原資とするモデル(事業型モデル)と、寄付収入を主な原資とするモデル(寄付型モデル)の2つの事業モデルがあります。

事業型モデル
・障害児保育事業…21年の医ケア児法により認可保育園において、軽度障害や医ケア児の受け入れ枠が拡大し障害児保育ニーズが減少しました。

「障害児保育園ヘレン」▲63百万円の減収「障害児訪問保育アニー」▲17百万円の減収となりました。
「医療的ケアシッターナンシー」では、看護師による重度医ケア児訪問保育の提供量が増え29百万円の増収となりました。

寄付型モデル
・ みんなで社会変革事業…渋谷区と協働でふるさと納税を使った寄付募集を行いました。(88百万円)
・ こども宅食事業…こどもフードプラットフォーム*を開始し、203百万円の増収となっています。

*食品を支援会社様から寄贈していただき、全国のこども宅食事業者と連携して宅食事業を推進する枠組み

収益の内訳

会計報告写真3

フローレンスの収益構成には2つの特徴があります。

(1)持続可能な事業運営
フローレンスはサービス提供による事業収益を主な収益としているため、持続可能性の高い事業運営を行っています。

(2)寄付者からの支援
フローレンスは数多くの寄付者のみなさまから支援をいただき事業を推進しております。2022年度は7億円の寄付をいただきました。寄付金は、新たな福祉サービスの開発や事業投資、政策提言活動などに使用し、社会課題解決に向けた推進の力としております。
今後は、コロナ禍で見えてきた様々な課題を解決していくため、こども宅食事業や赤ちゃん縁組事業における支援の充実と受益者の便益向上、さらには新規事業開発に力を注いで参ります。その原資として「あたらしいつながり創造積立金」の積立や、全事業を横断したソーシャルワーク人材拡充をはじめとした団体内の人材開発のための「人材等投資積立金」の積立も行い、継続的かつ包括的な支援活動を実施していく計画です。

事業費比率

会計報告写真4

経常費用のうち事業に使用された費用の割合を示す事業費比率は、2022年度91%でした。
フローレンスでは事業費比率90%前後を目安として事業運営しております。

2022年度活動計算書

会計報告写真5

2022年度貸借対照表

会計報告写真5

>2022年度貸借対照表(PDF)