NPOはあくまでも「社会課題の解決」を存在意義とし、利益は継続的な活動をしていくための手段です。
とはいえ責任を持って持続可能な運営を行うためには、企業と同様に財務健全性を度外視することはできません。

フローレンスはそうした財務健全性を保つため、本ページにおいて財務情報の開示を行い、経営の透明性を高めてまいります。
NPO会計基準に従っております。ご了承ください。

2021年度は総収益3,792百万円、27百万円の増収（前年度比101％）、34百万円の増益（前年度比213％）となっています。前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大を背景に、寄付金を多くいただきました。今期いただいた寄付金の一部は、翌期以降の活動にあてるため積立金として特別損失に計上しています。

NPOは寄付者や会員に利益を分配することを禁止されていますが、利益を上げることが禁止されているわけではありません。
私たちは社会課題解決のために、その利益を次年度以降の投資に使っていきます。

フローレンスの事業は、サービス提供による事業収益を主とするモデル（事業型モデル）と、寄付収入を主な原資とするモデル（寄付型モデル）の２つの事業モデルがあります。
2021年度、事業型モデルにおいては、病児保育事業にて、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で減少していたお預かり件数が回復し、46百万円の増収となりました。
また、障害児保育事業では、2019年より立ち上げた「医療的ケアシッター ナンシー」の利用者数拡大、「障害児訪問保育アニー」での発達支援の拡充により、19百万円の増収となりました。
みらいの保育園事業では、展開区の待機児童数の減少の影響で52百万円の減収となりました。
寄付型モデルにおいては、こども宅食事業にて、こどもフードアライアンス（大手食品会社から食品を寄贈していただき、全国のこども宅食事業者と連携して宅食事業を推進する事業）を開始し、126百万円の増収となっています。

フローレンスの収益構成には2つの特徴があります。

（1）持続可能な事業運営
フローレンスはサービス提供による事業収益を主な収益としているため、持続可能性の高い事業運営を行っています。

（2）寄付者からの支援
フローレンスは事業収入を主としたソーシャルベンチャーでありますが、数多くの寄付者のみなさんから支援を受け事業を推進しております。
2021年度は7億円の寄付をいただきました。寄付金は、新たな福祉サービスの開発や事業投資などに使用し、社会課題解決に向けた推進の力としております。
今後は、コロナ禍で見えてきた様々な課題を解決していくため、こども宅食事業や赤ちゃん縁組事業における支援の充実と受益者の便益向上、さらには新規事業開発に力を注いでまいります。
その原資として「あたらしいつながり創造積立金」の積立や、全事業を横断したソーシャルワーク人材拡充をはじめとした団体内の人材開発のための「人材等投資積立金」の積立も行い、継続的かつ包括的な支援活動を実施していく計画です。

経常費用のうち事業に使用された費用の割合を示す事業費比率は、2021年度91%でした。
フローレンスでは事業費比率90%前後を目安として事業運営しております。