大きなベビーカー、子どもの人数分の荷物、別々に動き回る小さな子ども達……双子や三つ子などの多胎児家庭では、日常生活のちょっとした移動にも大きな困難が伴います。
2021年6月7日から、東京都内の都営バス全線で「双子ベビーカー(二人乗りベビーカー)」を折りたたまずに乗車出来るようになりました。また、11月からは都内民間バス会社全線でも同様のルール変更が行われ、多胎児家庭が公共交通機関を利用しやすくなるための環境整備が着実に進んでいます。
実はこの乗車ルール変更の裏に、多胎児家庭を取り巻く過酷な環境を改善するため当事者とともに立ち上がった、ひとりの母の奮闘の物語があることはご存知でしょうか。
今回、小さな社会変革のストーリーを、大人気コミックエッセイストのまりげさん(@marige333)に漫画化していただきました!ぜひご覧ください。
フローレンススタッフ 市倉が起こした「半径5mからの社会変革」
漫画の中にあるように、フローレンススタッフの市倉は、幼馴染の多胎児育児の過酷さを目の当たりにし、2019年秋に当事者に向けたアンケートを実施。
そのアンケートでは約1,600件もの当事者の声が集まり、特に「多胎育児中に『辛い』と感じた場面」について、89.1%が「外出・移動が困難である」と回答。二人乗りベビーカーに子どもを乗せたまま、公共交通機関であるバスにも乗車できない状況が明らかとなりました。
これらの当事者の声を国や行政に届け、多胎児家庭を取り巻く過酷な状況を改善するため、フローレンスも共に多胎育児支援の政策提言を行ってきました。
その声は都知事や東京都交通局に届き、アンケートを実施してから2年越しの2011年秋、ついに双子ベビーカー(二人乗りベビーカー)に子どもを乗せたままバスに乗れるよう、乗車ルールがアップデートされたのです。
よりよい社会のために何が出来る?『政策起業家――「普通のあなた」が社会のルールを変える方法』発売中
このように、政治家や官僚でなくても、民間の立場から声を上げ、社会のルールを変える活動は「政策起業」と呼ばれ、「誰もが社会を変える主体」となり民主主義に参加する方法として近年注目が高まっています。
2022年1月に発売した書籍『政策起業家 ――「普通のあなた」が社会のルールを変える方法』には、多胎児家庭支援のためのアクションをはじめ、待機児童問題解決のための「小規模認可保育所」の制度化や、経済的に厳しい状況におかれる親子を支援する「こども宅食」事業の歩みなど、民間の立場から社会を変えるフローレンスの政策起業の歩みが詰まっています。
あなたと、あなたの次の世代が生きる未来のために何が出来るのか。そのヒントが見つかるかもしれません。ぜひお手にとってご覧ください!
※書籍の売上はすべて、政策提言活動をはじめとしたフローレンスの活動に活用させていただきます。