寄付は幸せになるためのライフハックだ!
Testosterone
貴社のオウンドメディア史上最高のPV数に挑戦しにきましたTestosterone(テストステロン)です!よろしくお願いします!
駒崎
は、はい。よろしくお願いします(いきなりテンション高いな……笑)
Testosterone
「筋トレ啓蒙おじさんがなぜ子どもの貧困問題に言及するの?」って思ったそこのあなた! お気持ちわかります。私のキャラクターと子どもの貧困問題はどう考えてもマッチしませんよね。それに、「申し訳ないけど私は私の人生に手一杯で寄付してる余裕なんてねえ!」 と思う人もいると思います。よーくわかります。
Testosterone
私も寄付するときいつも「このお金でNIKEのスニーカーを……」とか「寄付の代わりに彼女にプレゼントあげたら喜ぶだろうな」とか煩悩が脳内をビュンビュン横切っております。
Testosterone
不思議ですよね。彼女いないのに。まあ、それは置いておいてですね、そういう人にこそ読んでほしい記事ですよ! この記事は! 駒崎さん、とりあえず私を知らない人もいると思うので私の紹介をお願いします。(小さな紙をコッソリ手渡す)
駒崎
はい。TestosteroneさんはTwitterフォロワー122万人を誇る大人気筋トレ啓蒙系インフルエンサーで、一見根性論を振りかざし「筋トレしろ!」しか言わない男かと思いきや、根底に優しさがあり、社会問題にも関心が深く、スクワットのしゃがみはさらに深く、イケメンで女性にモテまくり、そのカリスマ性たるやチェ・ゲバラの再来と言われており……ってなんなんですかこのプロフィールは(笑)。
駒崎
それはともかくとして、Testosteroneさんには2年ほど前からフローレンスが推進する「こども宅食」を応援してもらっています。なぜ、こども宅食に注目してくれたのですか?
Testosterone
貧富の差を初めとした資本主義の負の側面や、シルバー民主主義という言葉で表される高齢者優遇に傾きがちな日本の現状、少子高齢化や医療費問題、そういった課題に対して僕たち個人は、社会はどのように立ち向かっていけばいいのか。まあ、サッパリわからないんですけど(笑)
Testosterone
わからないんですけど、「機会の平等」だけは絶対に守り抜かねばならない緊急性の高い課題だと思っているんです。もちろん機会の平等があるからといって後のケアをしなくてもいいというわけではないのですが、社会の環境だったり、家庭の経済事情だったりで機会すらロクに保証されていない子どもたちがたくさんいるのは社会として許容してはいけないと思うのです。
Testosterone
(もちろん子どもだけではなく、ロスジェネと言われるような当時の国策や社会情勢の犠牲になった層もおり、助けを必要とするすべての人々に何らかの救済措置がなされるべきだと強く思っております)。
Testosterone
そういった状況の中、駒崎さんがこども宅食であったり、病児保育であったりといった子どもや子育て家庭を支援する活動をされているのを見て、そこはまさに「機会の平等」や「格差の是正」における最前線ですので、応援させていただきたいなと。
駒崎
めちゃくちゃうれしいです。子どもの貧困、虐待の問題は深刻で、人生というゲームに参加したばかりなのに、スタート地点がものすごく後ろだ、という子どもたちがたくさんいます。
駒崎
そうしたいきなりハードモードの子どもたちに対して、スタートラインをそろえなければいけないという思いでこども宅食事業をやっています。
Testosterone
この世に絶対はないといいますけど、子どもの貧困って恐らく全人類が共通して心を痛める絶対悪じゃないですか? 子どもには絶対に何の責任もないのに、生まれてきた家庭によって貧困や虐待、ゆくゆくは教育格差等の機会の不平等に苦しむって絶対にあってはならないことですよね。
Testosterone
そこは絶対に大人が責任を持ってなんとかしていかないといけない領域だと思うんです。絶対に。
駒崎
何回絶対と言ったら気が済むんですか(笑)。でも、本当におっしゃる通りだと思います。問題は根深く強大で、時には自分たちの無力感に打ちひしがれながらも、必ず解決してやるぞという思いで我々はずっと活動を続けています。
Testosterone
本当に尊敬します。特に素晴らしいと思うのは行政を巻き込むような形で活動を展開されていることです。自分たちの力だけで活動を広げていくのにはどうしても限界がある中で、最終的にはちゃんと政府のお金=税金を使って、活動にレバレッジがかかるような手法をとられていますよね。
Testosterone
自己満足で終わってしまうNPOも多い中、統計に基づいた社会的インパクトを重視して活動されているのが秀逸です。こども宅食に寄付すると定期的にレポートがもらえるんですけど、こういったレポートを見ると、自分の寄付が役に立って良かったなという実感と、もっと寄付をしてより多くの子どもと親御さんが笑顔になれる社会にしたいという意欲を掻き立てられます。
駒崎
以前Testosteroneさんのツイッターで「ふるさと納税はこども宅食1択だ!」と断言してくれたのがすごくありがたかった。おいしい牛肉だったりカニだったりいろんな返礼品の選択肢があるふるさと納税の中で、「1択だ!」ですから。やっててよかったなと思いました。Testosteroneさんはフォロワーさんへの呼びかけや拡散以外にも寄付もしてくださっていますが、どうして寄付をされるんでしょうか?
Testosterone
幸運にも社会に還元できる環境にある人はそうすべきだと思っています。他者に貢献できるほど素晴らしいことはありませんから。私は成功者ではありませんが、少しの寄付をする余力はあります。ですので、フローレンスの活動やこども宅食のような素晴らしい寄付先を見つけると微力ですが寄付をしています。
駒崎
なんと素晴らしい。(キラキラした目で見つめる)
Testosterone
やめて!そんな目で見ないで!
先ほど言ったことも嘘ではありませんが、僕が寄付をする理由は他にもあるんです!正直に話すので聞いてください。僕にとって寄付という行為は極めて合理的なお金の使い道でもあるんです。
Testosterone
寄付をすれば人様の助けになっている実感が得られます。自分は社会の役に立っているのだ。存在する意義があるのだと感じられます。他者に貢献したと思えるときに得られる幸福感、これは何物にも代えがたいものです。
Testosterone
服やアクセサリーといった贅沢品を購入しても幸福感が得られるのは一瞬ですが、寄付によって得られた幸福感は持続する上に、寄付された側のつらい状況も少しは取り除くことができる。こんな最高のお金の使い道はないと思うのです。
駒崎
寄付をされる側だけでなく、する側も幸せになれたら素敵ですよね。
Testosterone
物欲を満たしてやる必要があるように、たまには貢献欲も満たしてやらないとダメだと思っていて。物欲はわかりやすいのでみんな満たそうとするんですけど、貢献欲が自分の中に存在することってなかなか気付きにくいんですよね。
Testosterone
誰かを助けたり寄付したりすることによってはじめて「あれ! なんかムチャクチャ清々しい気分だぞ!」とその存在を感じることができるというか。寄付してみたらわかると思うので、一度少額で試してみるといいと思います。合わなきゃやめたらいいですし。ちなみに、ほかの人のためにお金を使う行為が幸福度を上げるというエビデンスもあります。
Testosterone
贈与や寄付などの行動が幸福度に与える影響の因果関係を調べたブリティッシュ・コロンビア大学とハーバード大学の研究を紹介させてください。
この実験では、参加者に朝、5ドルもしくは20ドルを与え、午後5時までに使うように指示しました。5ドルグループと20ドルグループはそれぞれさらに2つに分けられ、一つのグループは自分のために、もう一方はほかの人のために使うように指示されました。すると、5ドルもらったグループも20ドルもらったグループも、ほかの人のためにお金を使ったほうが、幸福度が有意に上昇したそうです。
Testosterone
5ドルか20ドルかという金額は、それに、幸福度の上昇に有意な影響を与えなかった。金額の大小にかかわらず、人のために使った方が幸福感を得られるわけです。もちろん、自分の生活をしっかり守ったうえでのことですが、寄付をするという行為は自分を幸せにするための最も合理的なお金の使い方の一つと言えるでしょう。
駒崎
寄付が最強のソリューションと言っても過言ではないかもしれませんね。
「偽善」や「売名行為」なんて存在しない
Testosterone
勘違いしてほしくないのですが、決して上から目線で「恵まれない人に恵んでやってる俺エラい」と優越感に浸っているわけではありません。少しでも人様のお役に立てていると思えることが、純粋にとても嬉しいのです。ご老人に席を譲るときに、「へっへっへ、俺のほうが健康だから譲ってやるぜ」と上から目線で譲る人はいませんよね。それと同じです。
駒崎
日本では寄付や慈善活動に対して、「偽善だ」とか「売名行為がしたいだけ」といった批判が聞こえてくるのですが、その点に関してはどうお考えですか?
Testosterone
そういった風潮は撲滅していかなければダメだと思っています。例えば5万円を寄付するとします。でも「このお金があれば○○が買えるな。ほしいな。。。」という思いがよぎらない人なんているでしょうか? いえ、いません。なぜなら僕がそうだからです(自己完結)。
Testosterone
人間だもの、誰だって欲しいものはあります。でも、心の中で……(俺が何か物を買うよりも困ってる子どもがご飯食べるほうが世界は少しだけ良くなるよな。俺の少しの我慢が誰かの不幸を取り除くことに繋がるよな。いや、でもあのスニーカーは限定で今しか手に入らないし、寄付するのは次の機会でも遅くないかもしれない……。
Testosterone
とは言え慈善活動してるビルゲイツさんとかバフェットさんとか超カッコいいしな。俺も少しは見習いたいな。それに寄付すると良い人って思ってもらえるだろうな……。でも、原宿のカフェとかでスニーカー女子に「そのスニーカーって限定の……。素敵ですね……。スニーカーお好きなんですか?」って話しかけられて恋が始まるかもしれないし!でも……。ええい! ウジウジ迷うな自分! ちょっとぐらい我慢して世のため人のためになりやがれ! よし! 寄付しよう! 的な)……葛藤を経て寄付をする。
Testosterone
誰だって自分の欲望を押さえつけて、良い人に思われたいっていう下心や理想の自分に近づきたいっていう願望もありつつ、いろんな思いを持って寄付するわけです。これを偽善と言ってしまったら純粋な善なんて存在するのかって話で。
駒崎
スニーカーが欲しかったんですね(笑)。ちょっと煩悩が予想以上に多くて具体的でしたけどおっしゃる通りで、日本ではなぜか動機のところで100%の純粋性を求める空気があります。「善行は隠れてやるべきだ」という風潮があるのです。その美学はその美学でいいと思うのですが、公表することで「おれはこういうことに問題意識を持っている。みんなもやろうぜ」といった空気をつくるようなやり方も素晴らしいと思うのです。
Testosterone
アメリカには「成功した人間は社会に還元すべし」という共通認識があるため、社会に還元しない成功者をアメリカの市場は認めません。ですので、寄付や慈善活動をすることは経済合理性に従った行動であると言えます。寄付をすることにより幸福感が得られ、回るべきところにお金が回り、本人は尊敬と人気を獲得するという好循環があるのです。
Testosterone
企業だってCSR(企業の社会的責任:企業が利潤を追求するだけでなく、従業員や消費者、環境に対する配慮をしたり、社会貢献活動など行ったりすることを指す)をマーケティングとしてやってるじゃないですか? それと同じ話で。
Testosterone
僕はその循環が最高にクールだと思っているし、絵空事ではなく真理だと思っているので寄付をしたいし、日本にも寄付文化が広まるといいなぁと思っています。他人のお金の使い方に横から口を出すほど下品な行為はないと思っているのであくまでも提案なんですけど、寄付はあなたと社会の幸福度を上げるとっても良いお金の使い方だと思うので、無理のない範囲で一度やってみるといいと思います。
シルバー民主主義から脱却するために
Testosterone
寄付についてはもう一つ言いたいことがあります。僕、たとえばこういうニュースを見るとはらわたが煮えくり返るわけです。
Testosterone
少子高齢化のためのお金が足りないから児童手当を削る、ってこんなに矛盾した政策がなぜまかりとおるのか。「共働きで頑張っても所得制限で児童手当が減ってしまって手取りが増えない」なんてことも起こりえます。少子化対策のために必要なのは親世代の将来の不安を解消することなのに、完全に逆行しています。
Testosterone
児童手当や保育サービスといった少子化関連の政府支出も諸外国と比べると少なくて、内閣府によると2015年の対GDP比では日本1.31%、フランス2.93%、イギリス3.47%、スウェーデン3.53%、ドイツ2.22%、アメリカ0.64%と、欧州諸国と比べると半分程度だそうです。
Testosterone
さらに、高等教育(大学、専門学校など)にかかる家計負担もOECD加盟国で2番目に大きいそうです。つまり日本で子育てをするとずっとお金がかかり、公的補助も少ない。もはや「子育て罰」です。
Testosterone
もちろん、税率やその他の社会保障等が同じでない状況で他国と比べるのはフェアじゃないのですが、例えばフランスでは公立であれば幼稚園から大学まで学費が無料ですし、育児休暇も最長3年間取れる上に育児休暇後も同じ地位が保証されています。ノルウェーでは父親と母親の両方が育児休暇制度を利用しており、育児休暇中も賃金の80~100%(日本は5~7割弱)が補償されるそうです。さらに1歳になったら親の就労状況にかかわらず、全員が保育園に通える。待機児童問題がいつまでも解決しない日本と比べたら雲泥の差です。
Testosterone
日本は、世界と比べても深刻な部類に入る少子高齢化問題を抱えているにも関わらず、一向に子育て家庭を支援する姿勢が見られない。ハッキリ言って、
日本何してんの? 滅びたいの?
こんな状況で誰が結婚して子ども育てようと思うねん状態なわけですよ。だって、結婚出産、ある程度余裕と覚悟がないとできない贅沢品になっちゃってますよね(子どもをモノ扱いしているわけでも、結婚出産している人たちに対して「贅沢でいいね~」と言っているわけでもありません。結婚して家庭を持つことが難しくなってきているというのが伝えたいだけです)。
駒崎
め、めちゃくちゃ熱いし詳しいですね……!
児童手当の件はまだ検討中ではあると思うのですが、税金の使い道ということで言うと、人口構成的にどうしても高齢者への補償が手厚くなり、子育て世代など若い世代へのケアが貧弱になってしまうという傾向はあると思います。
Testosterone
そう!その通りです。日本は高齢化社会なので、どうしても中高年の方の人数が多い。その人たちをケアする政策が票に結び付くので、政治家にとってはそれが合理的な行動になってしまうんです。でも、対抗策はあります!
Testosterone
寄付は税金の使い道に対する「小さな反逆」でもあるからです! 普通に働いて税金を納めた場合、その税金の使い道は政府にゆだねられます。でも、例えばその一部をふるさと納税による寄付に使うことで、税金の使い道に対する意見表明にもなりうる。「ここにお金を使ってくださいよ!」というメッセージになるわけです。
駒崎
おっしゃる通りです。例えば、ふるさと納税を利用してこども宅食に寄付をしていただくと、その金額分の住民税相当額はこども宅食を広めるための活動に使われます。Testosteroneさんの言う通り「ここにお金を託したい」という意思表示になるのです。
駒崎
政府のお金の使い道に対しての意思表示として一番いいのはもちろん選挙での投票ですが、それだけだと数年に1回しか機会がない。でも、ふるさと納税や寄付で例えば「子どもにお金を使ってほしい」という動きを加速させていくことは絶対できます。小さな反逆がたくさん集まれば大きなうねりになって、変革につながっていくと思います。
自己責任論をぶっ飛ばせ
Testosterone
そもそも支援の対象になるような家庭はどのような状況で、なぜその境遇から抜け出せなくなってしまうのですか?
駒崎
典型的な事例だと、結婚して子ども2人産んだけど、お父さんのDVで離婚してしまいました。子どもと一緒に逃げるように知らない街に来たけど、非正規の仕事しか見つからない。時給900円の仕事をしても、1か月で13万円とかしか稼げない。養育費も支払われない。
駒崎
驚くことに、日本では養育費が24パーセントの家庭でしか払われていないのです。すると、子どもの教育にもお金がかけられなくて、所得格差が教育格差につながってしまい、低賃金の労働をせざるをえなくなる。そうした負の連鎖が次世代にも受け継がれてしまう、ということが多いです。じゃあどこで止められるのか、というのが私たちの取り組んでいること。
駒崎
これを自己責任で片付けてしまう社会はあまりにも冷たいですよね。どこかでちゃんとした支援が入っていればストップできたかもしれないし、這い上がろう、立ち上がろうとする人を、社会が支援しなければいけない。
Testosterone
支援も大切ですが、生活保護を初めとした国の支援を使用する人たちへのスティグマ(負のイメージ)も大きな問題ですよね。「支援を求めるのが恥ずかしい」「他の人に知られたくない」という理由で援助を受けない人も多いと聞きます。日本には自己責任論が蔓延しており、支援を受ける人たちに対してとても厳しいです。
Testosterone
でも、駒崎さんが説明してくださったようなケースを自己責任論で片付けるのは悪夢ですよね。こういった不運なケースでなくとも、ごく一般の家庭と裕福な家庭の情報格差や収入格差もどんどん広がっており、多くの人にとって人生はどんどんハードなゲームになってきていると感じます。
Testosterone
今が順調でもどんなトラブルが急に襲ってきて支援が必要になるかどうかわかりませんしね。支援が必要な人々を自己責任論で一蹴するのは極めて危険です。自己責任論が蔓延した社会は誰にとっても生きやすいものではありません。なので私は断言したいのですが、自己責任論はクソです。
駒崎
本当にそうですね。
Testosterone
そもそも、私たち一人一人がいかに多くの幸運のお蔭で今があるかを認識する必要があります。今があるのは自分の努力や実力の結果ではなく、運による要素も大きい。逆に、苦しんでおられる人々は自己責任ではなく、不運による要素が大きい。
Testosterone
自分は自分の力でサバイブしてきたという自負がある人も、それがどれだけの幸運が積み重なって成り立っているものなのかを考えたほうがいい。日本に生まれたこと。家庭環境。巡り合えた良き友人。良い教育を受けられたこと。そもそも、良い教育が大事だという認識のある家庭に生まれたこと等々、すべてが運です。貧困を自己責任の一言で片付けるのは想像力が足りていないと言わざるを得ません。
Testosterone
世界有数の富豪、ウォーレンバフェット氏ですら自分の成功の大部分は運によるものだと主張しています。謙遜ではなく、極めて冷静に分析したうえでそう言っているのです。バフェット氏が運なら、我々だって運です。僕は別にそんなに成功してないですけど、まあまあやれているのは運が良かったからです。バフェット氏の100倍運です!9割は運のお蔭で生きています!(謎の自信)
駒崎
すがすがしいほどの言い切りですね(笑)。
最後に
Testosterone
話がだいぶそれてしまいましたが、最後にこども宅食についてコメントして終わらせてください。こども宅食の活動報告を見ていて心が温かくなったのは、「社会とのつながりを感じられるようになった」と回答している人の割合が高かったことです。
Testosterone
本当に素晴らしいことをやってらっしゃるなと思うと同時に、ひとり親の孤立の問題というか、そういう方が社会から隔離されていると、社会は自分たちを救う気がないと思っていらっしゃったんだなというのがわかってすごく悲しかったです。「苦しかったら助けを求めていいんだよ。独りで背負い込まないでね」と抱きしめて言ってあげたい気持ちになりました。そう思わせてしまう社会はやはりおかしい。
駒崎
「社会から見捨てられてなかったんだ、と思うことができました」という方もいました。これはスタッフが言っていた話ですが、最初は定期的に食品を届けるというだけで、本当に喜んでもらえるのかな、根本的な解決になるのかな、と思っていたそうです。
駒崎
でも、申し込んでくれたお母さんが「私が申し込みをして、誰かが届けてくれて、ドアがノックされた。これが一つの成功体験になった」と話してくれた。「助けて」と口に出し、実際に手が差し伸べられたことで、勇気をもってほかの人にも助けてと言えるようになったそうです。
駒崎
もちろんフローレンスの活動のひとつひとつも、こども宅食も、それですべてを解決することはできないのですが、人とのつながりの糸を作り、孤独から救うという意味でも大きな意義があると思っています。Testosteroneさんみたいなインフルエンサーのお力も借りながら、一緒に寛容で懐の深い社会を作っていきたいと思います。
Testosterone
こども宅食をはじめ、フローレンスの活動がますます発展するよう今後も応援しています!
東京都文京区で立ち上がった「こども宅食」。フローレンスはモデル開発からこれに参画。NPO法人と行政が協働した子どもの貧困対策モデルが成功し、全国の自治体や民間団体から注目を集めるようになりました。
各地で困窮家庭への食品配送支援が広がっていく流れを活かし、「こども宅食」が各地で実施できるように「こども宅食応援団」も設立しました。フローレンスおよびこども宅食応援団のミッションは【こども宅食モデルを全国にインストールすること!!】
そのために、全国各エリアに適したモデルの立ち上げ支援を行っています。
フローレンスは、「こども宅食」だけでなく、ひとり親支援、特別養子縁組事業、多様な保育現場の運営、政策提言活動を通じ、こどもの貧困、虐待、家庭の孤立を未然に防ぐさまざまな活動を行っています。