社会課題をさまざまなレンズ(視点や解像度)で深く見つめ、理解を深めていく音声コンテンツ「フローレンズラジオ」。
シーズン2、第7回のテーマは――
誰も反対しないのになぜ進まない? 日本版DBSが直面した「社会の慣性の法則」と「縦割り問題」
政治家や専門家たちに少しずつ理解の輪が広がり、ついに総理大臣が施政方針演説で「日本版DBS」に言及。
「ここまで来たなら、もう制度化は目前か」――そう誰もが期待した瞬間でした。
しかし現実は、そう簡単ではありません。
誰も反対しないのに、誰も旗を振らない。
担当部署は曖昧なまま、議論は空を回り続ける。
まるで“暖簾に腕押し”、“糠に釘”のような停滞が続きました。
今回の主人公・前田が名づけた「社会の慣性の法則」。
それは、誰も悪意を持たなくても、既存の法や制度の惰性が巨大な岩のように転がり続け、その進路を変えることがいかに難しいかを示しています。
さらに立ちはだかったのは、行政の「縦割り問題」。
厚生労働省、文部科学省、法務省、総務省、経済産業省――。
関係する省庁が多すぎて、誰も主導できない。
全員が集まっても、「持ち帰って検討します」で終わってしまう。
そんな中、風向きを変えたのは「こども家庭庁」創設という新しい動き。
「じゃあ、自分がやるか」
フローレンススタッフとして政策提言を続けてきた前田は、一転して国家公務員として、こども家庭庁設立準備室へ。
制度の外から中へ。物語は、新たなステージへ進みます。


