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”感情カード”で、 子どもの「感情」に寄り添う保育園

”感情カード”で、 子どもの「感情」に寄り添う保育園

#みらいの保育園

宇野澤

宇野澤

こんにちは!「みんなのみらいをつくる保育園」開園チームの宇野澤です。先日、全3回の平成29年度入園説明会が無事に終わりました。お忙しい中、たくさんの方にご関心を寄せて頂き、メンバー一同、感謝しております。引き続きサイトでは、伝え切れなかったことを皆さんにお届けしていきたいと思います。

「感情カード」「子どもミーティング」「ピースフルスクールプログラム」

今日は、毎日の保育の中で取り入れる、『感情カード』についてご紹介します。「みんなのみらいをつくる保育園」では、こんな保育目標を掲げています。

・「好奇心」「冒険心」のある自分らしい子ども
・他者を思いやることのできる子ども
・自分で考え、表現し、そして行動できる子ども

子ども達が、思いやりの心を持ちながら、自分で考えることができる。そして、それを遠慮することなく、自分らしく表現し、行動できるようになる。そのために、どんな関わりが必要なのか、どんな声かけをしていくか、どんなものを準備したらいいか、どうしたら子どもたちが興味を持つか・・・・保育に関する議論はつきません。

「みんなのみらいをつくる保育園」では、『感情カード』『子どもミーティング』『ピースフルスクールプログラム』を取り入れます。これは、自分を知り、他者を知り、問題が起こったときにどうしたらいいか考えられる子どもになって欲しいという想いから、長きに渡る議論を経て決めました。では、まずは『感情カード』のご紹介からスタートです。

感情があるということ、感情を尊重してもらうこと。

朝、子ども達が登園したら、その時の感情を考えてもらいます。
「朝ごはんは好きなものばっかりだったから、嬉しくていい気持ち」
「支度が遅くて、ママに怒られたから、悲しい気持ち」
「来る途中で仲良しのお友達に会って、遊びながら保育園に来ることが出来たから、楽しい気持ち」
「よくわからないけど、今日はなんかいやな気持ち」

「疲れた」の感情カードを持つこどもの様子

うまく言えないことも、よくわからないこともあるかもしれませんが、それでもいいのではないでしょうか。大切なのは、自分には感情があるということ、そして、それは尊重してもらえる経験をすること

感情がある、なんて教えなくてもわかるのではないか、と思われるかもしれません。
でも、「嬉しい」とか、「楽しい」というプラスの感情は出しやすいですが、「イヤだ」とか、「怒っている」といったマイナスの感情は抑えがちです。もしかすると、自分が我慢すれば・・・という日本の古き良き体質(?)が根付いているのかもしれません。
マイナスの感情があることを知り、その感情と向き合う経験。そして、それを誰かに受け入れてもらえる経験は、自己肯定感を高め、相手を思いやる一歩につながると、わたしたちは考えています。

自分と、他人が違うことを知ることから

まだ話すのが上手にできない小さな子ども達に対しては、いくつかある「感情カード」の中から、そのときの自分の感情を選んでもらいます。大きくなるにつれ、その理由も話してくれるようになるかもしれませんね。
選んだカードは、みんながわかるようにしておきます。なぜ、こんなことをするのでしょうか。それは、他者と自分はちがう、ということを知ってもらいたいからです。

「今日は私はとても楽しい気持ち。仲良しのAちゃんといっぱい遊ぼう。」

でも、Aちゃんは、楽しい気持ちではないかもしれません。ママに朝から怒られて、悲しい気持ちだったら?遊びたくない気持ちだったら?

「私とAちゃんは違うから、私が遊びたくてもAちゃんは遊びたくないかもしれない。」

「怒っている」の感情カードを持つこどもの様子

自分に感情があるように、お友達にも感情がある。それは、他者と自分は違い、別々の感情を持っていることを知るきっかけとなります。そして、その積み重ねは、「自分と他人は違う考えを持っており、それは尊重されるものである」と理解することにつながっていきます。

「他者を思いやることのできる子ども」への一歩は、自分と他人が違うことを知ることから始まると考えています。そして、違うからといって、我慢したり、隠したりしなくていい。自分の気持や感情は大切にしていいんだ、表現していいんだ、ということを毎日の保育の中で伝えていきたいと思っています。それが、「自分で考え、表現し、そして行動できる子ども」へとつながっていくからです。

「自分とみんなは違うのだから、違う考えをもつのは当たり前」とわかっていれば、一緒に遊ぶときや話すとき、何かを決めるとき、自分だけの意見や感情を押し通すのではなく、相手の意見や感情を尊重しながら、どうしたらいいかを考えられるようになるのではないでしょうか?

自分だけではなく、みんなが幸せな未来をつくってほしい

現代の社会では、いじめ問題や不登校、”キレやすい”子ども達のことが問題になっています。

自分の意見や、感情を、相手に伝えられたら。
まわりに早いタイミングでSOSを出せていたら。
他者も感情があることを理解し、寄り添うことが出来ていたら。
相手の感情や考えを尊重しつつ、話し合いをすることができていたら。

わたしたちは、「みんなのみらいをつくる」ことを楽しめる子どもに育ってほしいと願っています。
それは、自分だけの未来ではなく、みんなが幸せな未来です。自分と他人は違うこと、自分の気持ちや意見が尊重されるのと同じように相手の気持ちや意見も尊重すること、きちんと伝えることで解決できることが多いこと、こういったことを感情カードを使って伝えていきたいと思っています。

楽しいときに楽しい!と思いっきり楽しむことができ、悲しいときには悲しい、と伝えることができる。当たり前のようで、なかなか難しいですよね。でも、素直に自分の感情を伝えられる、それをパパやママだけでなく、お友達も先生もみんな受け止めてくれる。そんな園でありたいと、私たちは考えています。

感情カード

今回は、感情カードのこと、そして、「子どもミーティング」や「ピースフルスクールプログラム」を行う上でもとても大切な考え方をご紹介しました。次回は、「ピースフルスクールプログラム」について、ご紹介します! 


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