たんの吸引や胃ろうなど、医療的ケアが必要な子どもたちは、生まれたあとNICU(新生児集中治療室)を卒業すると在宅でのケアが始まります。
これまで医師や看護師、専門のスタッフに囲まれてケアを受けていた家族が突然、自宅でケアをしなければなりません。
訪問看護やケアを受けるための行政手続きも行わねばなりません。
「子どもの命をつなぐ」という重圧と慣れない環境に途方に暮れる家族がいます。そして、実際に医療的ケア児のいる家庭では9割が十分な睡眠を取れていないというデータもあります。
こんな不安を少しでも和らげるために、画期的なガイドブック「病気をもつ子どもと家族のための『おうちで暮らす』ガイドブック」が発売されました。
この本は障害児保育園ヘレンの保護者も所属している杉並区の重症心身障害児・親子の会「みかんぐみ」さんが企画し、実際に医療的ケア児を育てる家族の声がたくさん掲載されています。
たとえば、「今まで医療品は病院が準備してくれたけど、自宅に帰ったらどうすればよい?」、「子どもの髪の毛を切りたいとき美容院につれていける?」、「きょうだいのお迎えや通院はどうしたら?」など、実際に医療的ケア児を育てるご家族ならではの体験談が掲載されています。
コラムでは「医療的ケア児でも通える保育園」として「障害児保育園ヘレン」について、フローレンス・障害児保育事業部の小林が執筆協力させていただきました。
医療的ケア児を育てるご家庭はもちろん、身近にお困りの方がいる、医療的ケア児の在宅ケアの実態を知りたい、という方はぜひ手にとってみてください。
amazon:病気をもつ子どもと家族のための「おうちで暮らす」ガイドブック