フローレンスでは、社内のすべての保育スタッフを対象にしたスキルアップ研修「保育塾」を月に1回開催しています。
保育スタッフの学ぶ意欲に応えるべく、保育スタッフが「学びたい!」ことにフォーカスを当てています。
8月の保育塾のテーマは「自分の意見を伝えるスキルを学ぼう!大人同士のコミュニケーション」
4月の保育塾でも「保護者と信頼関係を築くためのコミュニケーション」を取り上げていました。「今後の保護者とのコミュニケーションに活かせそう」「保育の現場だけではなく、日頃の生活、人間関係にとってもプラスになる話で勉強になりました」と大好評!
「もっとコミュニケーションについて深く学びたい」という声にお応えし、今回第2回目のコミュニケーション講座開催となりました。
講師は、第1回目に引き続き、病児保育事業部の平井久里子が担当しました。
平井は、訪問型保育スタッフの研修担当をしています。
フローレンスで働く保育スタッフは様々なバックグラウンドを持つ者が多いため、日頃から個々に合わせたコミュニケーション、一人ひとりに柔軟に寄り添う研修を心がけていると言います。
今回も、実用的なコミュニケーションスキルを学んで、すぐに現場で実践していきたい!と多くのスタッフが参加しました。
「アサーション」とは
アサーションとは、「自分のことも、相手のことも大切にする」表現方法です。
自らの気持ちを、相手を傷つけることなく表現するコミュニケーションとして、ビジネスの場でも注目されています。今回は、保育現場でのコミュニケーションを円滑にするために、大切なコミュニケーションスキルとして学びました。
保育の現場では、一人として同じお子さんや親御さんがいないのと同様に、一緒に働くスタッフも保育観や価値観などは少しずつ違います。
親御さんとのコミュニケーションや、一緒に働くスタッフとの引き継ぎや共有事項の連絡など、大人同士のコミュニケーションは必要不可欠なのではないでしょうか。
そのために役立つのがアサーティブコミュニケーションになります。
アサーションについて学び、必要性を理解したところで、3つの質問です。
①相手にしてほしいことを素直に伝えていますか?
②相手を傷つけることなく断れますか?
③怒ることなく注意や指示ができますか?
それぞれの質問について、アサーションスキルを使ったロールプレイを行い、参加者同士理解を深めていきました。
①「相手にしてほしいことを素直に伝える」
誰かに何かをお願いする時、相手が忙しそうで遠慮してしまったり、どうお願いすれば良いのか迷ってしまうことありますよね。
ですが「自分を主語にした話し方をする」ことで、相手に素直にしてほしいことを伝えることができます。
例えば、「わたしは、○○さんに手伝ってもらえると嬉しいです」となります。
伝え方に柔らかさがでて、お願いされた側も手伝いたくなりますよね。
②「相手を傷つけることなく断る」
例えば、仲の良い同期に「明日、遅番のシフト代わってくれない?」と言われたとします。
特に大事な予定があるわけではないけれど、明日はゆっくり休みたいと思うときもありますよね。
「ごめんね・・明日はちょっと・・」と困った顔で断ると相手の顔色が気になったりします。
平井は、以下のことをポイントに押さえて相手に伝えることが大切であるといいます。
●自分の気持ちや状況を伝える
●相談してみる
●譲歩案を出してみる
ポイントをおさえると、
「代わってあげたいけれど、最近疲れが溜まっていて明日はゆっくり休みたいんだ。来週なら代われるから声かけてね。」となります。
ただ断るのではなく、自身の状況や、状況を踏まえた譲歩案があることで、言われた相手も納得ができますよね。
「譲歩案があるだけで、とっても気が楽になる!」と、断られた相手も納得のできるロールプレイをしているグループもありました。
③「怒ることなく注意や指示をする」
相手に対して、注意や指示をすることに抵抗を感じる人は多いと思います。
ですが、後輩を指導する立場になったりと、伝えなければいけない状況は起こりえますよね。
その際に「伝え方に順番をつける」ことで伝えやすくなり、相手も理解しやすくなります。
第一に、「事実」です。
状況を簡潔なことばで伝えることで、相手との認識の違いを埋めていきます。
何度も同じミスをしてしまう、後輩に対して伝えるとします。
「今朝Aちゃんのお母さんから、連絡帳が間違えて入っていたと言われたよ。つい先日も、他の親御さんからも同じ指摘があったよね。」
事実を簡潔に伝えられると、客観的に問題を認識できますよね。
第二に、「感情」です。
自分の今の気持ちを伝えます。
「連絡帳はプライベートなことが書かれているから、見られたくないと思う親御さんもいると思うよ。それにあまり繰り返してしまうと親御さんから信頼してもらえなくなると困るよね。」
何がいけなかったのかが明確になり、気持ちに訴えかけるものがありますよね。
第三に、「提案」です。
的を絞って、現実的かつ具体的な提案をします。
「帰りに親御さんと話す時に、連絡帳を手渡しするようにしたら、間違えなくなるんじゃないかな?」
具体的であればあるほど、より、今後どうすればいいか明確になります。
最後に、「結果」です。
最後に提案の効果を端的に伝えます。
「実は私も間違えることがあって、手渡しするようにしてるんだ。それから間違えなくなったよ」
結果が分かると、具体例も腑に落ち納得してから行動することができますよね。
最後のロールプレイでは、「難しい!」という 声が挙がるものの、「順番を意識すると相手に伝えることも整理される!」と、すでに自分のスキルにしているスタッフも多いようでした。
今回の保育塾では、ロールプレイが多くあり、様々な保育現場で働いている保育スタッフ同士、活発に発言が飛び交いました。保育スタッフ同士、新しい発見や刺激になったようです。
これは様々な保育の現場を持っているフローレンスならでは。
保育塾では様々な保育の現場で活躍する保育スタッフ同士が刺激を受け合い、あらゆる保育の形を再確認できる場でもあります。
さいごに
大人の姿を誰よりもよく見ているのは子どもたちです。
アサーションスキルを利用し、良好な大人同士のコミュニケーションを取ることは、子どもたちのためにも大切なことですよね。
意識的にスキルを活用し、気持ちのよいコミュニケーションを日頃から心がけていってほしいと思います。
これからも、保育塾では、保育者としてのスキルアップを目指す研修を展開していきます!次の9月の保育塾は「発達障害を正しく知ろう!気になる子への対応、保護者への伝え方」がテーマ。こちらの様子も近々ご紹介します!