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お知らせ

2017/11/21

怒りの感情をコントロールする?!アンガーマネジメント講座【10月保育塾】

       


「1日の保育がうまくいかなくて、家に帰って家族にイライラをぶつけてしまった……」

そんな経験は、保育の現場で働く方なら一度はあるのではないでしょうか?

家族に対してだけでなく、職場や友人関係でも、つい感情的に怒ってしまったり、そのせいで場の雰囲気を悪くしてしまい、後悔することも。

10月の保育塾は「自分の怒りを知り、コントロールできるようになろう!アンガーマネジメントとは」というテーマで開催しました!

保育塾とは、フローレンスの全ての現場スタッフに向けた自主参加型の研修のこと。現場スタッフの「知りたい!」「学びたい!」に応えられるように、毎月違うテーマで研修を行っています。

今回は、保育塾初となる、外部の方に講師をお願いしました!

株式会社オズウェル 代表取締役の本多優子さんです。

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本多さんは、日本アンガーマネジメント協会で本部講師を務められており、怒りの感情とうまく付き合っていくための研修をされています。

また、保育者向けの研修や保育コンサルティングも行っていらっしゃるので、保育スタッフ向けの研修である保育塾の講師にぴったりの方です。

講義は、本多さん自身の怒りに関するエピソードからスタートしました。

「実は、以前はすごく怒りっぽい性格でした。夫婦の喧嘩が絶えなく続いたときに、我が子の顔を見てみたら、子どもが笑わなくなっていたんです

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お子さんの顔をみて、このままではいけないと思い、アンガーマネジメントを始めたといいます。

「客観的に自分の怒りをみることができるようになると、『こんなに怒る必要なかったな』と思うことが増えてきます。そして、怒りという感情を取り扱えるようになっていくんです」

アンガーマネジメントってなに?

怒りの感情を誰かにぶつけたときに、「あのとき、必要以上に言い過ぎちゃったな……」と後悔すること、ありますよね。

逆に、その場では何も言うことができずに、「あのとき自分の気持ちをきちんと伝えればよかった!」と後悔することも。

このような怒りによる後悔をしないようにするのが、アンガーマネジメントです。

日本アンガーマネジメント協会では、アンガーマネジメントを「怒る必要のあることは上手に怒り、怒る必要のないことは怒らないようになること」と定義しています。

自分を守るために必要な怒りの感情

まずは、「最近こんなことでイラッとした!」というエピソードを、スタッフ同士で共有してもらいました。

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会場ではあちこちから「ええ~そんなことがあったの?」という声が聞こえたりと盛り上がりました。怒りには、後から思い出しても感情が蘇ってくるようなエネルギーがありそうです。

本多さんは、「まったく怒らないのは無理です」といいます。

なぜなら、怒りは自然な感情表現のひとつだからです。「喜怒哀楽」というように、泣いたり笑ったりと同じ自然な感情のひとつなのです。

また、怒りは「防衛感情」です。

防衛感情とは、自分の身を守るために出す感情のことで、自分の身が危険にさらされたときや、嫌なことをされたときに発生します。

例えば、階段のそばで人に押されたら、「危ないじゃない!」と怒りがこみ上げてくると思います。それは自分の身を守るためにも、当たり前なことなのです。

怒りの感情をまったく”なくす”というのは不可能で、なくす必要もない!

それを聞いて、スタッフは安心そうな表情を浮かべていました。

怒りという感情はネガティブに捉えられがちですが、人間にとって必要なものなんですね。

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私たちを怒らせるものは「人」ではない!

「私たちを怒らせるものは、誰かなのか、そのできごとなのか、それとも別のなにかなのか。何だと思いますか?」

本多さんの問いかけに、参加者のひとりは「相手(誰か)」と答えましたが、実はそうではありません。

「◯◯すべき」という考え方が私たちを怒らせているのです。

「◯◯するべき」とか、「こうあるべき」という自分の中にある願望や理想と現実にギャップに怒りの感情が生まれます。

その「べき」は、人によって違います。時間を守るべきの「べき」は、自分にとっては10分前行動でも、他の人にとっては集合時間までに到着すればギリギリでもOKかもしれません。

「自分や相手にとっての”べき”はすべて正しいと考えた上で、その差に怒りを感じるのではなく、まずは『そういう”べき”もあるのね』と、相手の”べき”も認めることが大切です。また、自分にとっての”べき”を相手に押し付けるのではなく、少しだけ自分の”べき”の枠を広げて許せる範囲を大きくしてみてください

『少なくとも、せめて◯◯してほしい』と相手にリクエストして、相手にも調整してもらえるようにすると、うまく怒りの感情を伝えることができます」

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この考え方は、怒りに対してだけでなく、相手の価値観を受け入れる上でとても大切な考え方ですね。

後日、参加者からのアンケート回答で、

「病児保育は1人業務が多いので、イライラしてはいけないと抑え込むことが多かったですが、怒りの根源が自分の『べき』だと理解でき、対処方法を教えていただいたので、実際にやってみようと思えました」

といった回答がありました。

業務の特性上、感情を表に出すのが難しいスタッフにとって、日常生活で実践できそうな内容だったようです!

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参加者からは、

「怒りは自分を守る為の防御反応と聞き、少し安心しました」

「自分の感情に流されず、しっかりコントロールしていくことができれば、もっと人との関わりかたや考え方も変えることができることが分かりました。日常生活で意識していきたいです」

などの声がありました。

感情のコントロールができることは、保育をする上でも重要です。

例えば保育園で午睡のとき、子どもがなかなか寝付かない時でも子どもに怒ったりはしませんが、うまく寝かしつけできなかった気持ちから自分を責めたり、イライラを周りにぶつけてしまうことがあると思います。

そんなとき、アンガーマネジメントの考え方を使って怒りの感情がコントロールできたら、怒ってしまったことで後悔したり、落ち込んだりすることも減るのではないでしょうか。

仙台スタッフも中継で受講しました!

今回はリアルタイムで受講したいという仙台スタッフもいたので、ビデオ通話で中継して、仙台から受講してもらいました!

ビデオの向こうにいる仙台スタッフからの笑い声や感想が聞こえたり、本多さんもビデオの向こうに質問を投げかけてくださいました。

勤務する場所が違っても、フローレンスの保育スタッフです。遠隔にいるから学びの機会がないとか、交通費をかけて東京まで来て受講して……なんて、もったいたいですよね。

さまざまなツールを駆使して、これからも学びの場を提供していきたいと思います。

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書いた人:磯田 樹里


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