フローレンスでは、訪問型病児保育スタッフを「こどもレスキュー隊員」と呼んでいます。
創業以来、親子のピンチに駆けつけて12年、5万回以上の病児保育を行ってきました。
こどもレスキュー隊員として10年以上続けているスタッフもいますが、中には活躍の場をこどもレスキュー隊員から、別の保育フィールドに移したスタッフも。
今回は、こどもレスキュー隊員”卒業生”にスポットを当てて、いろいろと話を聞いてみたいと思います。
大森
2011年入社。こどもレスキュー隊員として4年働いた後、おうち保育園事業部(現みらいの保育園事業部)に異動。おうち保育園池袋本町の園長を務める。おうち保育園おおつか開園のタイミングで、同園長に就任。
永吉
2016年入社。こどもレスキュー隊員として1年半勤務。「病児保育室フローレンス初台」オープニングスタッフに応募し、立ち上げ準備から参画。現在も同施設に勤務している。
鈴木(仮名)
2015年入社。こどもレスキュー隊員として2年勤務後に、病棟保育士を目指してフローレンスを退職。現在は都内の総合病院で、保育士として勤務している。
ーーまずは、みなさんがフローレンスにこどもレスキュー隊員として入社した理由を教えてください。
大森:私は現在おうち保育園おおつかの園長をしていますが、4年ぐらい前まで、こどもレスキュー隊員をしていました。
もともと幼稚園で長く勤めていまして、少人数で子どもを見たいなと思ってフローレンスに応募しました。最初は、小規模保育のおうち保育園に興味があったのですが、タイミングが合わず、こどもレスキュー隊員の仕事を紹介してもらいました。
仕事内容を見てみたら、一対一で保育ができるとのことで、病気の子どもという難しさはあるけれど、ひとりの子どもに深く関われるのはいいなと思い、入社を決めました。
永吉:私は以前から、いろいろな保育のあり方に興味を持っていました。フローレンスへの興味は、もともと障害児保育がきっかけです。障害児保育園ヘレンで働いてみたいと思ったのですが、応募要件に合わなかったんです。
でも、フローレンスって面白いなと思っていろいろ調べているうちに、「病児保育をやってみたい」という思いが出てきました。ちょうど要件を満たしていたこともあって、こどもレスキュー隊員に応募しました。
1年半こどもレスキュー隊員として勤め、渋谷区に「病児保育室フローレンス初台」が立ち上がるタイミングでオープニングスタッフの社内公募に手を上げ、いまは病児保育室専属の保育スタッフとして働いています。
鈴木:2017年3月まで2年間、こどもレスキュー隊員として働いていました。
私はもともと病棟保育、入院してるお子さんの保育に携わることが夢でした。最初は幼稚園に勤め、その後に病棟保育士としての就職先を探したんですが、ほとんど求人がなかったんですね。次のステップとしてまずは病児保育を勉強しようと思い、フローレンスに入社しました。
今は、基本的には病院の院内保育で、医師や看護師のお子さんの保育をしています。その上で、月2~3回、病棟保育も担当しています。
ーーみなさん、こどもレスキュー隊員というお仕事を卒業されて、現在はそれぞれ別の場所で活躍されてらっしゃいますが、こどもレスキュー隊員からキャリアチェンジをしようと思ったきっかけは何ですか?
大森:私は引越しがきっかけでした。引越し先が病児保育の対応エリア外だったので、当時のマネージャーに相談したところ、おうち保育園への異動はどうか、と声をかけてもらいました。もともと最初に志望していたこともあって、思い切って異動してみることにしました。こどもレスキュー隊員の仕事も続けたかったんですけどね。
永吉:病児保育だけでなく、いろいろな保育に興味があったので、もともと自分の中で、2年くらいで次の仕事にチャレンジしたいなという気持ちがありました。
入社して1年経過し、次はどんな形の保育に挑戦しようかなと考え始めていた頃に、社内公募(※)があって。病児保育室の立ち上げに魅力を感じて、オープニングスタッフに立候補しました。
異動してみて、訪問型病児保育と違い、施設型ならではの難しさも感じます。マンツーマンであれば、1日中目の前のお子さんの気持ちに寄り添って保育ができますが、やはり最大6名お預かりして、各自年齢も病状も違うというのは、バランスをとるのが難しいですね。
※フローレンスには、スタッフひとりひとりの挑戦を後押しするために、在籍1年以上のスタッフであれば誰でも応募できる、社内公募の制度があります。
鈴木:私はもともと2年くらいのつもりで、勉強という気持ちもあってフローレンスに入社しました。1年半くらい経った時から、また病棟保育士の求人情報を探し始めました。タイミングよく見つかって、内定もいただいたので今の職場へ転職しました。
ーー3人とも、それぞれのタイミングでこどもレスキュー隊員のお仕事を卒業されたんですね。こどもレスキュー隊員時代の思い出深いエピソードや、大変だったことはありますか?
大森:朝泣いていたお子さんと、日中しっかり関係が築けて仲良くなった日のことです。親御さんに保育終了の引継ぎをして、お子さんに「帰るね」って言った時に、「もう帰っちゃうの」と泣きながら言われたことはすごく記憶に残っています。
親御さんから感謝の言葉をいただく機会も多く、「今日来てよかった」と思う瞬間が多かったですね。とても良い仕事をしていたなと思います。ライフステージの変化がなかったら、今もこどもレスキュー隊員の仕事を続けていたかもしれません。
実は、今わたしにも2歳の子どもがいて、しょっちゅう熱を出すので、社員プラン(※)を利用しているんですね。当事者として、働く親目線が強くなっていて。病気の時にこどもレスキュー隊員の方に来てもらっているので、本当にもう感謝しかありません。そういった仕事を自分もしていたんだと思うと、フローレンスの病児保育事業そのものが、働く親子にとっては欠かせない、素晴らしい事業だと実感してます。
大変だったことは……私がいた当時は、今よりもスタッフが少なくて、休みの希望を言い出しにくかったことです。有休を取りたくても、今は感染症の流行期だからと思って我慢することもありました。そこまで病児保育の依頼が多くない時期は、気持ちが楽で働きやすかったんですが。
※社員プラン…フローレンススタッフの福利厚生のひとつ。その日の予約状況に応じて、こどもレスキュー隊員の余剰がある場合に病児保育が利用できるプランです。
永吉:自分の中で病児保育への心構えが変わった1日があって、印象に残っています。5~6歳くらいのとてもしっかりしたお子さんの保育だったのですが、受診先のかかりつけ医でお医者様に怒られてしまって、すごく動揺して。お医者様によっては、お子さんの病状説明がスムーズにできなかったりすると厳しい態度をとる方もいるんですよね。
病院からタクシーで帰宅したんですが、お子さんがしっかりしているという油断と怒られたショックで、少し集中力が欠けていたのかもしれません。帰りのタクシーを降りたときに、お子さんが手を繋がずにパッと降りてしまったんです。
幸い、車の通りもなく、すぐに私も追いついて何事もありませんでしたが、私の中では、医師に怒られたことの方を大きくとらえていたんです。後日、先輩スタッフに改めてその日のことを聞かれた時に、「あ、重大なのはお子さんの安全の方だ」と気が付きました。
保育中のヒヤリハットもそうですが、それだけでなくて、自分の中で優先順位がちぐはぐになっていたという、もう一つの大きいヒヤリハットに気付いたんです。「安心安全」という、病児保育の中で何度も言われることを身をもって実感し、そこから、優先順位をしっかり意識しながら保育できるようになりました。
ちなみに先ほど大森さんが言ったお休みのとりづらさについては、私が在籍していたときは、たしかに流行期は「お休みします」と言いづらいこともありましたが、休みは取れていましたし、割と働きやすいと思っていました。
病児保育室に異動して、働き方で違うのは、今は誰かが側にいるので、すぐフォローが呼べるという安心感があることです。あとはいつでもトイレに行けることかな(笑) チームワークが求められる点は、楽しさでもあり難しさでもありますね。
鈴木:以前訪問したことのあるお子さんの保育に再び行く機会があって、ドアが開いたときに「待ってました」って言ってくれたのは嬉しかったですね。保育終了後のアンケートもすごく良く書いてくださって、お子さんだけでなく、親御さんとも信頼関係が築けていた病児保育は、とても良い思い出です。
今働いている病棟保育では、保護者の方と会うことはあまりありません。面会の時に少しご挨拶するぐらいで、親御さんとのコミュニケーションの機会はほぼありません。
逆に、院内保育は、普通の保育園と同じです。こどもレスキュー隊員の仕事を通して、保護者の方にお子さんの様子をお伝えするスキルがあがったと思います。お子さんの様子で何を1番に伝えたらいいのか、どういうことを伝えたら、保護者の方に分かりやすいかということを、より考えられるようになりました。
私は、朝のかけつけが何より心配でした。「迷わないかな」「遅刻しないかな」と、2年続けても慣れなくて、体力より、そこが一番大変だったかな。今は永吉さん同様、久しぶりにチームで仕事をしていますが、みなさんと良い関係が築けているので、チームで働くことの良さも感じていますね。
ーーこどもレスキュー隊員の経験で、今の仕事に活きている部分はありますか?
大森 訪問型病児保育は、基本的には毎日が「はじめまして」で始まるんですよね。初対面のお子さんに泣かれることが多い仕事なので、そういう場面で全く動揺しなくなりました。
4月は保育園に新入園児が入ってきて、最初はみんな大泣きなんです。でも、泣かれることにすっかり慣れたので「大丈夫だよ」というゆったりした気持ちで過ごせるようになりました。
こどもレスキュー隊員になって最初の頃は、人見知りのお子さんが大泣きしていると「どうしよう、今日一日過ごせるかな」なんて、不安な気持ちでいっぱいでした。でも、経験を重ねるうちに、保育者が不安だと子どもも安心できないことに気づきました。少しずつ、「泣いても大丈夫だよ」と思えるように、気持ちが強くなりました。
永吉 同感です!朝は泣いていても、夕方にはお子さんとも信頼関係を築けて、楽しい時間を過ごせることが多かったので、今の施設型病児保育でも、自分自身が余裕をもってお子さんに接することができています。
あとは、優先順位の付け方を学ぶことができたように思います。
1対1で病児保育をしている時には、いろいろな出来事が同時に起こる場面があるんですね。もちろん基本フローはありますが、その中で、今何を優先してどう進めていくかを、自分で判断し、決めなければいけなくて。こどもレスキュー隊員を1年続けて、焦らずに冷静に判断できるようになりました。
今も、日々お子さんの嘔吐や症状の変化など、突発的な出来事がありますが、焦らずに行動できているように思います。
鈴木 私の働いている病院の病棟保育は、年齢の高いお子さん、特に小学生が多いんですね。こどもレスキュー隊員のお仕事では、小学生のお子さんの保育をたくさん経験できたことが一番良かったなと思っています。
また、病棟保育は、基本的には制限されている中での遊びになります。お子さんにチューブが入っていたり、点滴をしたりしていることが多いので、現状で何ができるか、どういう遊びが相応しいのかということを考える必要があります。それは病児保育のときも同様でした。
こどもレスキュー隊員として出会ったお子さんたちより、少し制限の幅は広がっていますが、基本的な考え方は共通しているように思います。
ーーありがとうございます。ぜひみなさんの今後の目標についても教えてください。
大森 保育の仕事はずっと続けていきたいと思っています。
園長としては、フローレンスの保育理念に沿った保育ができているかを日々確認しつつ、子どもも保護者もスタッフも、全員が楽しく過ごせる園にしていきたいです。
永吉 私もずっと保育に関わっていきたいと思っています。
でも、元々の性格もあるので、また別の保育も見てみたいな、という気持ちもありますね。集団保育、マンツーマン保育だけでなく、保育そのものへの関わり方も含めて、今後長い目で少しずつ考えていくつもりです。
鈴木 私も、保育の仕事ははずっと続けていくと思います。
もともと希望していた病棟保育ですが、実際に月2~3回というペースで担当してみて、かなりの精神力が必要だとわかりました。
医療用器具がたくさん必要な子、プレイルームに出られる子と出られない子などで遊び方が違ってきます。
精神疾患で入院しているお子さんですと、保育士がいる時間、遊ぶ時間も決まっていますし、使ってよい道具もさまざまです。言葉一つでその子のパニックを引き起こすこともあります。17~18歳の高年齢のお子さんもいるので、すごく気を使いますね。
まだ覚えることだらけで、やりがいを感じられるのはこれからだと思っています。今は院内保育で乳児保育も勉強しながらという恵まれた環境ですが、機会があればもう少し病棟保育の割合も増やしていきたいですね。
ーー最後に、応募を検討している方へのメッセージをお願いします!
大森 こどもレスキュー隊員の仕事は、直にやりがいを感じられる仕事です。利用者側の立場では、もう本当に助かっていて、感謝しきれません。
感染症の流行期は、社員プランで予約できないこともあります。そんな時はすごく残念な気持ちになりつつも、こどもレスキュー隊員さんたちがいろいろな場所に行って、たくさんの親子を支えているんだと思うと、ありがたいなぁと感じています。
大変なこともありますが、本当に社会に必要とされている仕事です。
永吉 ひとつは、こどもレスキュー隊員の仕事って、反省しても反省しても新しい課題が出てきて、改善しても追いつかないということ。でも、それが楽しいんです。毎日反省と改善を繰り返して、少しずつ自分の成長を実感できる仕事です。
もうひとつは、信頼関係を築くことのやりがいです。お子さんと一日じっくり時間をかけて関係を築くのも楽しかったですし、親御さんと朝晩の20分間で関係を築けたときはすごく嬉しかった。
事務局・サポートセンターと、こどもレスキュー隊員の相互の信頼関係も厚く、だからこそ病児保育の仕事ができていたんだなと思います。
私みたいに、いろいろな保育を経験したいという人には絶対に向いています。すごく成長させてもらえたなと感じています。
鈴木 私は、もともとやりたいことが別にあって、入社しました。
いざ転職となった時に、こどもレスキュー隊員も人員に余裕があるわけではないのに、たくさん話を聞いてくれたり、働き方をすごく真剣に考えてくれたり、挑戦を後押ししてくれてありがたいなと感じました。ステップアップの一つとしてフローレンスに入社して、とても勉強になりました。
仕事自体はもちろん大変なこともありますが、家への持ち帰り仕事が無くて「仕事が終われば自分の時間」というのは、自分のキャリアを考えるうえでも良かったです。
小学生との関わりが多かったことは、私の目指す仕事としても、大きな学びになりましたし、とても良い経験だったなと思います。
実際に転職活動の中で、「フローレンス」と言うと、面接官が興味津々で聞いてくることも多かったです。どこまで話していいのか分からなかったんですけど(笑)、保育の最先端というか、気になる存在ではあるのかなと実感しました。
今の職場で「病棟保育をやってみないか」と声をかけていただいたんですが、その時に「希望者はいっぱいいるから、中途半端な気持ちなら来ないで」と言われて、「フローレンスで病児保育をやってきた」という経歴を話しました。実際にどうだったのかは分からないですが、「じゃあぜひ」とチャンスをもらえました。
私はまだ入社して半年ぐらいだったのですが、声をかけてもらえたのは、フローレンスでのこどもレスキュー隊員としての経験、実際にやってきたことが評価につながったのではないかと思っています。
ーー今日は集まっていただきありがとうございました。これからの一層のご活躍を応援しています!
いかがでしたか?フローレンスでは、こどもレスキュー隊員として長期的に訪問型病児保育のキャリアを積むことが可能です。
その一方で、経験を活かして、違う保育フィールドに羽ばたくスタッフの成長も、一緒に応援していきたいと考えています。
保育の仕事の幅を広げるために、スキルアップとしてこどもレスキュー隊員というお仕事にチャレンジしてみたいなという方も大歓迎!
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