こんにちは!フローレンス・みんなで社会変革事業部インターンの高橋琴美です!
私は、埼玉県の大学に通う大学院生で、子ども達をより良く育む未来について、日々研究しています。
今、日本の人口は減少し続けています。そんな中で、専門の保育スタッフが子どもを保育し、保護者の就労を助けることは、とても価値のあることです。
働きたい子育て世帯に寄り添う保育を次々に生み出し、社会を元気にしているフローレンスのことがもっと知りたくて、私はフローレンスのインターン生になりました。
現在は、フローレンスの色んな保育現場に行って、「研究者のたまご」の自分から見たフローレンスの保育のスゴいい所を記事にしています!
今回は第3弾・障害児訪問保育アニーです。
「障害児・訪問・保育」。
障害のあるお子さんのおうちに訪問して、保育を行うんでしょ……?
うん、まぁ、分かるような、分からないような……。
しかし、実際にその現場に訪れてみると、そこにはほっこり、あったかい、素敵な保育風景が待っていました。
今回は、1日見学させてもらったレポートをインタビューを交えてお伝えします!
アニーの保育だから、できること
障害児訪問保育アニーは、たんの吸引や胃ろうなど医療的ケアがあったり、中重度の障害のあるお子さんのために生まれた保育です。保育スタッフが障害のあるお子さんのお宅に伺い、マンツーマンで保育をするところが特徴です。
看護スタッフによる訪問看護もあり、担任・保育スーパーバイザー・看護師・本部スタッフが協力してお子さんの保育をします。
今回1日見学させてもらったのは、吉田麻由美先生の保育風景です。
吉田先生は、長年に渡って都内の保育園で保育士として勤務されてきた、大ベテランの保育士さんです。担当されているAちゃん(3歳・男の子)は重いてんかん発作を起こす病気があり、定期的な医療ケアが必要です。
私が訪問した時は朝のミルクの時間で、Aちゃんはポンプの機械を使って、鼻に繋いだチューブから栄養を取っていました。
床にはAちゃんが栄養を取り入れるポンプがあったり、鼻から痰を吸う機械があったり。私が初めて見る医療機器が並んでいて、まさに「命と密接に関わっている」と強く感じられます。
しかし、そんな2人が一緒に過ごす空間は、ゆったりと心地の良い雰囲気に満ちていました。そして、それはまさに保育のプロである吉田先生が作り出した空気感でした。
そんな、まさに保育のプロである吉田先生に、アニーで勤務することになったきっかけをインタビューしてみました!
高橋:吉田先生は、アニーで勤務する以前は、都内の保育所で長く勤務していたとお聞きしました。障害児訪問保育アニーで働きたいと思ったきっかけは、何ですか?
吉田先生:そうですね。私はアニーで勤務する前は、東京都内の保育士をしていました。保育士は30年ほど続けていて、色々な子どもたちと出会ってきました。
クラスの中には、4、5人ほど障害のあるお子さんもいましたが、めまぐるしい毎日の中で、丁寧な関わり方をできていないなと思いました。そこで、そのように障害のある子どもたちともっと丁寧に関わりたい、その子の良さを発見して、伸ばしていけるような保育をしたいと思い、アニーでの勤務を希望しました。
高橋:実際に勤務していて、日々どのように感じていますか?
吉田先生:アニーの保育と通常の保育で1番違うなと思ったのは、アニーの保育では「(お子さんが)一緒にできることを発見する」という姿勢でいる点です。
高橋:一緒にできることを「発見する」ですか?
吉田先生:そうです。通常の保育で保育者に求められるのは、子どもたちが興味・関心を惹くような環境を構成することで子どもの力を引き出したり、子どもたちの発想力や創造力に寄り添い、育くんでいくことだと思います。
でも、アニーの子どもたちは、自分の体をどんな風に動かしたら楽しく遊べるのか、なかなか自分で分からない中、私たち保育者が一緒に色んな遊びをやってみて、子どもたちができることを発見します。そうやってだんだん遊びの幅が広がっていくと、お子さん本人はもちろん、ご家庭や保育スタッフもとても嬉しいことです。
そこが、通常の保育とアニーの保育で1番違うところです。
高橋:なるほど。確かに、そのような保育への姿勢は、通常の保育とは異なりますね。そして、マンツーマン保育でずっと同じお子さんの成長を見ていけるアニーだからこそ、そのような丁寧な関わり方ができるんですね。
アニーの保育はマンツーマン保育。だけど、チーム保育!
その日の午前中、Aちゃんは「紙コップたおし」で遊びました。吉田先生がピラミッド状に積み上げた紙コップを、Aちゃんが身体を使って倒します。Aちゃんは、この「紙コップたおし」が大好きです。
コップの倒す方法として、Aちゃんは「足を動かすこと」を発見できたようで、大得意でした。吉田先生は、その他にも「腕を動かすこと」も発見できるよう、懸命にAちゃんに声を掛けます。
すると、なんと!
Aちゃんは力いっぱい腕を動かして、見事にピラミッドが倒れたのでした!
なんでも、その日は私がいたこともあって、いつもより頑張ってくれたそう。おうちでこのような保育ができるのは、「わが家が保育園になる」アニーならではです!
そんな、保育の様子について、吉田先生にお話をお聞きしてみました!
高橋:Aちゃんが遊んでいる様子を見ていて、吉田先生は、Aちゃんがどこまで動けるか、これ以上は無理させてはいけない、という安全面に配慮しつつ、Aちゃんが自分のやりたいことを実現できるよう保育していたのが印象的でした。
私自身も保育士をしていたので、自分だったらどんな保育をするだろうと考えましたが、私はキャリアが浅いため、障害児のお子さんがこれほどのびのび遊べる行き届いた保育ができるか、不安点ばかりが浮かびました。
吉田先生は、保育経験が長いため、こんなに余裕のある保育ができるのかな、と思いましたが、ご自身ではどのように感じますか?
吉田先生:そうですね。私の娘も同じく保育士をしていて、今年3年目ですが、やはり高橋さんと同じようなことを思うそうです。
私が「ゆったりと保育ができてて良い環境だ」と話すと、「それは、今のお母さんの経験から言えるんだよ」と言われました(笑)
高橋:娘さんのお気持ち、よく分かります(笑)
吉田先生:確かに、アニーの保育では医療的ケアが必要ですし、様々な遊びの引き出しも持っていることが求められます。
でも、私が安心して保育を行うことができる1番の理由は、アニーの保育は常に「みんなで保育している」と感じるからです。
高橋:「みんなで」ですか?
吉田先生:そうです。例えば、Aちゃんの場合、Aちゃんが現在通院している病院の訪問看護師さんや、理学療法士さんが毎週来てくださいます。また、フローレンスの訪問看護チーム「ジャンヌ」のみなさんも週に1度は必ず来てくれます(ジャンヌの1日はこちら)。その時に、日々保育をしていて気になったお子さんの様子や、これからの保育計画を相談しています。
同じアニーの保育スタッフの巡回などで、それぞれのスタッフの経験から、保育を一緒に作り上げることもよくあります。
また、バックオフィス業務を担当する事務局のアニーチームとは、WEBカメラがずっとつながっているほか、電話でいつでもやりとりできるので、何かあったらすぐ相談し対応できるような体制も作られています。
そのように、チームでの保育をしているので、1人で保育をしていても、1人だとは全く感じません。
高橋:なるほど。それはとても心強いですね。また、そのように色々な人と関わる機会は、お子さんの成長にとっても、とても良いことだと思いました。
吉田先生:私もそう思います。今日は雨模様で行けませんでしたが、お天気やAちゃんの体調も良い時は、近くにいるアニーのお友達のおうちまで、遊びに行ったりもします。
そんな風に色々な人と会った時に見せる、Aちゃんの色んな顔を見て、私自身も嬉しい気持ちになります。やっぱり女の子の前だと、カッコイイ顔を見せてくれたりするんですよ!
高橋:それはとっても素敵なエピソードですね!
吉田先生にインタビューして、印象的に感じた言葉がありました。それは、吉田先生は、Aちゃんとの出会いについて「ご縁があって、私はこの子の保育を担当させていただきました」と言っていたことです。
アニーは1対1のマンツーマン保育であるため、そのお子さんと過ごす日々は非常に色濃いものとなります。
それは、まさに「縁」で奇跡のような出会いなんだと、吉田先生とAちゃんと一緒に過ごしていて感じました。
そんな、子どもたちのあったかい未来を生み出す最先端の保育を、今回はみなさんにお伝えさせていただきました!
●障害児保育の利用者募集
「障害児保育園ヘレン」「障害児訪問保育アニー」では毎月の利用希望者向け説明会を実施しています。
「どんな保育をしているの?」「利用条件は?料金は?」など、実際の保育の映像を交えながらご説明し、不安や疑問にお答えします!お子さんやきょうだい児も同伴可能です。この機会に、ふるってご参加ください!
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