医療的ケア児の命を繋ぐ現場、NICUを守る
新型コロナウイルス感染症の影響で、マスクや消毒用品が不足するなか、感染すると重症化しやすい「医療的ケア児者」へのサポートが喫緊の課題となっています。
村上財団、認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンが運営する空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”、フローレンスの3者は、先日、支援の第一弾として協働で全国の医療的ケア児者家庭へマスク3000枚の個別配送を実施しました。
このたび、協働支援の第二弾として、全国各地のNICU(新生児特定集中治療室)に21,000枚のマスクを提供することといたしました。
NICUは、医療的ケア児の命を繋ぐ上で欠かせない医療現場ですが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、衛生用品の枯渇が深刻な問題となっています。
ほとんどすべての医療的ケア児は、生まれてすぐにNICUに入り、急性期を乗り越えるまでを過ごします。NICUの高度な医療技術を安定して供給し続けることが、医療的ケア児にとっての命綱です。
医療現場では医師や看護師がやむを得ず使い捨てのマスクを再利用しているという悲痛な声も聞こえます。今回は、21,000枚のマスクを、4月22日~26日にかけてNICUを備える下記医療機関へ順次配送いたします。
神奈川県立こども医療センターからは、早速物品到着の報告をいただきました。
【神奈川県立こども医療センター 豊島医師 コメント】2月はマスクが枯渇して、残り10枚になり、金庫に入れてみんなで大切に使っていました。3月は院内感染予防で常時着用になりましたがNICUスタッフは1人週二枚で、皆マスクを自分で洗って干して再利用しながらNICUで働いていました。
NICUには普段からコロナウィルス感染と同じように命に関わる赤ちゃん達が頑張っています。NICUスタッフがクラスター(感染者集団)になった場合、赤ちゃん達の命と未来を守ることが難しくなります。
どんな状況でも新しい命は生まれてきます。
子どもを大切にしない国に未来はこない。
マスクの寄付はNICUスタッフにコロナウィルス感染予防とともに心折れず頑張ろうという勇気をくださいました。関係者の皆様に感謝しています。
(神奈川県立こども医療センター NICU病棟より)
三者の協働について
医療的ケア児者とは、難病や障害のため、人工呼吸器やたんの吸引、“経管栄養”などが欠かせない人たちのことです。新型コロナウイルス感染症の拡大による医療物資の不足が命に関わります。
村上財団、ARROWS、認定NPO法人フローレンスの3者は、これまでも協働で医療的ケア児者のいる家庭へマスクの配送を実施してきました。
フローレンスは「新型コロナこども緊急支援プロジェクト」を立ち上げ、感染拡大の影響「医療的ケア児者家庭」「ひとり親家庭」「経済困窮家庭」に向けた支援を実行しています。
現在、医療的ケア児者家庭への支援として、エタノールやアルコール綿等日常のケアに欠かせない物品を寄付で募り配送しています。
また、NICUやこども病院等、子どもたちの命を守る医療機関へのマスクの提供も継続して行っていく予定です。
ARROWS は、1月末からこれまで医療機関や福祉施設などに備蓄マスクや防護服、トリアージ用のレスキューテントなどを届けています。
また、今回のマスクの配送や事業経費などについては、村上財団がマッチング寄付を提供しているYahoo!募金へいただいたご寄付を原資としています。
支援活動にあたっては、ARROWS医師の指導のもと、感染予防および衛生管理を徹底して行っています。
有事の時だからこそ、国内のすべての親子を置き去りにしない。
フローレンスは、子どもと親子領域の総合福祉事業者として、また国内親子領域の課題解決に最前線で取り組む団体として、全国の皆さんと共に「親子の笑顔」を守っていきたいと思います。
今回のみの寄付で新型コロナこども緊急支援プロジェクトを支援する