厚生労働省の調査によると、国内で起こっている子どもの虐待死の50％が0歳0ヶ月児。たびたび報道される、予期せぬ妊娠の末に赤ちゃんが遺棄される（虐待死する）痛ましい事件では、妊婦さんが誰にも相談できず出産を迎えてしまう事例が多いという背景があります。
最近では新型コロナウイルスの影響により、これまでのように対面で相談をすることがままならない状況も生まれています。そのような状況でも、日々、赤ちゃんはおなかの中で大きくなっていく――。
こうした課題を解決すべく、母親の孤育て問題・赤ちゃんやこどもの虐待死問題解決に取り組むフローレンスは、世界最大級のコンサルティングファーム・アクセンチュアとタッグを組み、予期せぬ妊娠に悩む方からの相談や、育ての親を希望する方からの特別養子縁組に関する質問に、LINEでお答えするチャットボット相談員「エナガさん」による相談受付をスタートしました！
24時間無料で、妊娠・特別養子縁組の質問を受け付ける理由
フローレンスは、2016年に赤ちゃん縁組事業をスタートし、相談員が予期せぬ妊娠に悩む女性からの相談に乗る「にんしん相談」を行ってきました。また、育ての親を希望する方々に特別養子縁組の研修を行ったり、相談員による養育などのサポートを続けています。開始から約4年で2,164件のにんしん相談を受け付け、特別養子縁組で14組のあたらしい家族の誕生を支援してきました。妊娠や特別養子縁組に関する相談を通して見えてきたのは「深夜・休日・時間帯を問わず、匿名で相談したい」というニーズでした。
そこで、全国で多くの人が日々利用しており相談者が匿名で質問できるLINEを活用し、相談・支援を必要とする方に正しい情報を24時間届けるシステムを立ち上げました。
また、特別養子縁組は、専門的な情報を得られる場所が妊娠相談や不妊治療と比べて圧倒的に少なく、特別養子縁組で子どもを迎えたくとも、民間あっせん団体は関東圏に集中しており地方在住者は情報を得にくい状況となっています。
フローレンスでは特別養子縁組で子どもを迎えることを検討しているご夫婦を対象にした「特別養子縁組オンライン基礎研修」（有料）を2019年にスタート。日本全国どこからでも特別養子縁組に関する正確な情報にアクセスでき、動画で学べる環境をご用意しました。さらに手軽に無料で特別養子縁組の正しい知識をお届けするため、特別養子縁組に関する相談受付もLINE上で開始しました。
にんしん・養子縁組相談窓口「エナガさん」とは？
チャットボットの中で相談にお答えする相談員「エナガさん」のモチーフは野鳥のエナガ。親鳥以外の鳥も小鳥にエサを与えて子育てに参加する、ヘルパーという行動が見られるのが特徴です。相談者に寄り添って共に子育てを考えるパートナーでありたい、という思いを込めて、「エナガさん」というキャラクターが生まれました。友だち追加はこちらからお願いします。
アクセンチュアとフローレンスの取り組み
にんしん・養子縁組相談窓口「エナガさん」を始めるにあたり、世界最大級のコンサルティングファーム・アクセンチュアがチャットボットシステムの導入から運用にいたるまでをトータルで支援してくださいました。
アクセンチュアが推進する、社会貢献プロジェクトにプロボノとして手を挙げてくださった有志社員の方々が、システムの開発や運用、課題解決に向けた目標設定など様々な面からコンサルティングサポートを提供してくださっています。
【アクセンチュア 立石 英司 氏】
アクセンチュアは事業活動を通じて培った人材のスキルを高めるノウハウを活かし、Skills to Succeedというコンセプトの下、あらゆるものがデジタルに組み込まれていく”Digital is Everywhere”の時代においても活躍できる人材の育成に取り組んでいます。
この一環として、行政・NPOと連携して、毎日の暮らしを保障しつつ、経済的自立に向けた情報提供や支援者とのマッチング、スキル研鑽の機会を提供しています。アクセンチュアならではの強みである、戦略策定からテクノロジーを活用した事業運営に至るまで一貫したサービスを提供できる点を存分に活かし、今回のフローレンスとの連携を通じて、社会課題の解決に向けて取り組んでいきます。
赤ちゃんの虐待死は、その多くが誰にも相談できないという孤独な環境の中で起きています。赤ちゃんの虐待死ゼロを目指してこの活動を開始した私達は、本来すべての相談にスピーディーに対応して不安を抱えて相談される方を早期に支えたいと願っています。また、電話やメールでの相談には少し勇気がいると感じている方にも、今回のLINEチャットボットによって、さらに時間や場所を問わず情報収集や相談ができることで、少しでもお力になれればと願っています。
ぜひ友だち追加して「エナガさん」に話しかけてみてください！
