子どもたちの育ちに寄り添い、その子にあった保育と療育を
本日11月1日(木)、東京都練馬区に「障害児保育園ヘレン中村橋」がオープンしました。
障害児保育園ヘレンは、重い障害や、日中胃ろうや酸素吸入など医療的なケアを必要とするために、地域の保育園でお預かりが難しいお子さんを、長時間保育する施設です。フローレンスでは2014年から都内に5園運営しており、本施設は6園目となります。
「障害児保育園ヘレン中村橋」では、保育スタッフと看護スタッフ、リハビリスタッフが協力し、最大で15人のお子さんに保育と療育を提供します。
たくさんの方々の支援でできた障害児保育園
障害者支援に力を入れる練馬区が中村橋区民センター1階を提供して下さり開設が実現した「障害児保育園ヘレン中村橋」。同施設内には、心身障害者福祉センター/中村橋地域包括支援センター/区民館があり、障害のある方やお年寄り、子育て世代など地域住民の憩いの場となっています。
感覚を刺激し子どもたちをリラックスさせる「スヌーズレン」もご寄付によるもの
ヘレン中村橋園児 初めての活動
また、開設や医療福祉車両の購入などに係る費用約5000万円は、合同会社西友をはじめとするたくさんの企業、個人の方からのご寄付によるものです。
先月18日には開設式典と施設内覧会を行いました。
練馬区長、区議会議長、教育長をはじめ、合同会社西友、寄付者の皆さま、地域関係者の方々、メディアなど、約90名が施設を訪れました。
練馬区長 前川燿男氏は、「ヘレン中村橋は、障害児の保護者の皆様から開園を強く望まれていた施設である。開設にご尽力いただいたNPO法人フローレンスをはじめとする関係者の皆様には心から感謝申し上げる。地域の皆様と交流を進め、地域に開かれた施設となるよう運営を期待している。」とお祝いの言葉を下さいました。
福祉送迎車両を寄贈した合同会社西友の企業コミュニケーション部臼井裕美子さんは、「2011年からフローレンスを支援している。西友は 全ての人が社会に参加できる”ダイバーシティ&インクルージョン”を大切にしており、障害児があたりまえに保育を受けられ、障害児を育てる親御さんがいきいきと仕事を続けられる社会を目指すフローレンスの活動に今後も期待したい。」と力強く応援して下さいました。
多くの方々の「たくさんの親子を支えたい」という思いによって、障害児保育園ヘレン中村橋は新しいスタートを切ることができました。
どんなお子さんも、保育を受けられる世の中に
医療的ケア児を医療の面でケアをする人員を配置したり、設備を整えるための制度が不十分なため、多くの一般的な保育園では、重症心身障害児や医療的ケア児のお預かりが難しいのが現状です。そうした背景で保育園や幼稚園に通うことができない医療的ケア児は、現在東京都内に200人程度います。また、医療的ケア児を子育て中の母親の常勤雇用率は、わずか5%と言われています。(フローレンス調べ)。
フローレンスの「障害児保育園ヘレン」では、これまで東京都内5園(荻窪、巣鴨、東雲、経堂、初台)で、のべ55人の障害や医療的ケアのあるお子さんをお預かりしてきました。
フローレンスは、重症心身障害児や医療的ケア児があたりまえに保育を受けることができる社会を実現すべく、障害児保育園ヘレン、障害児訪問保育アニーのふたつの事業を運営しています。フローレンスは「みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」の実現に向けて、引き続き活動をしてまいります。
【障害児保育園ヘレン中村橋 概要】
住所:東京都練馬区貫井一丁目9番1号 中村橋区民センター内
運営事業者:認定NPO法人フローレンス
事業内容:児童福祉法に基づく児童発達支援および居宅訪問型保育。保育スタッフと看護スタッフ、リハビリスタッフが協力し、重度の障害や医療的ケアを理由に保育園等に通園が困難な子どもを預かり、療育と保育を行う。
対象:重症心身障害児(注1)、医療的ケア児(注2)など
(注1)重度の肢体不自由と重度の知的障害が重複した状態にある子どものこと
(注2)人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な障害児
定員:15名
支援時間:概ね午前8時から午後6時まで
障害児保育園ヘレンHP
https://helen-hoiku.jp/
障害児保育事業の立ち上げやスタッフの育成は、寄付を原資に行っています。
フローレンスは希望するすべての子どもが保育を受けられるよう引き続き活動していきます。ぜひ応援をよろしくお願いします。