厚生労働相の諮問機関、労働政策審議会の分科会は13日、親が育てられない子どもを預かり特別養子縁組することを前提に養育中の養親にも、育児休業の取得を認めることを盛り込んだ育児・介護休業法の改正案をまとめました。育休が取れることで、共働き家庭でも特別養子縁組の養親になりやすくなると期待されます。厚労省は今国会に同法の改正案を提出、実現すれば、来年1月にはこの改正が施行します。
これまで、特別養子縁組を望んでいても、共働きの場合は諦めざるを得ない現実がありました。なぜなら、養子縁組が正式に認められるまでの「試験養育期間」(養子縁組する準備期間として、子どもを預かって育てている期間)が育休対象にならないため、夫婦どちらかが専業主婦(夫)となって養子を迎えるか、養子縁組を諦める夫婦も多い現状がありました。しかし今回の改正案では、共働き家庭にも特別養子縁組で子どもを迎える道が開かれます。
実はフローレンスではすでに昨年5月、今回の法改正案の焦点となっているこの「特別養子縁組の準備期間中に育休が適用されない問題」に着眼し、就業規則の変更を実施しています。
この課題はかねてより行政の審議会内でも指摘されていた問題でしたが、行政制度を変えるにはある程度時間が必要です。ならばまずは半径5メートルから変えられないか、社員を抱える一企業の立場で、多様な「家族」を受容する社会のために行動できないかと考え、里親や特別養子縁組の準備期間として子どもを育てる場合にも、育休を取得できるよう就業規則を変更しました。この取組みは、メディアにも取り上げられ、思った以上に反響があり驚きました。
今回の改正案にはさまざまな方々の尽力があったはずです。私たちの取り組みも小さな一歩でしたが、世論の後押しの一助になったならこれほどうれしいことはありません。はじめから国の制度を変えるのは難しくても、職場、地域、家族、個人など小さな単位でできることをやっていけば、それが積み重なり、やがて大きな変化につながっていきます。社会は変わっていける、そんな希望を実感しています。
▼フローレンス働き方革命ブログ
【制度紹介】里親や特別養子縁組の養親でも育休取得が可能になりました!
https://florence.or.jp/news/2015/08/blog1379/
▼報道:特別養子縁組準備中の養親も育児休業取得OKへ改正案(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20160114/k00/00m/010/123000c