こんにちは!フローレンスでインターンをしている高橋琴美です。
私は、埼玉県の大学に通う大学院生で、子ども達をより良く育む未来について、日々研究しています。
今、日本の保育は変わり始めています。病児保育が普及したり、小規模保育園が全国にできたり…。
そんな、新しい保育を次々に生み出し、社会をより良くしているフローレンスのことがもっと知りたくて、私はフローレンスのインターン生になりました。
現在は、フローレンスの色んな保育現場に行って、「研究者のたまご」の自分から見たフローレンスの保育のスゴいいところを記事にしています!
おうち保育園の現場レポでは、その保育園の様子に「きゅん」とした様子を、記事にしました。(記事はこちら)
そんな私ですが、フローレンスに来て初めて、この保育プログラムを知りました。
それが、「ピースフルスクールプログラム」。
むむ…。なんだろう。知らないぞ!!
ということで、今回はピースフルスクールプログラムを実践している、フローレンスの保育園「みんなのみらいをつくる保育園」に取材させていただきました。
みんなのみらいをつくる保育園は、0-5歳児の子どもたちのための認可保育園で、定員は30名以上います。現在は全部で2園あり、江東区東雲と渋谷区初台にあります。
みんなのみらいをつくる保育園の子どもたちは、とっても元気。保育園で遊ぶことも大好きなようです。
その遊びのワンシーンからは、「これぞピースフルスクールプログラムで育まれた力なのか…!」と感動してしまう、子どもたちの驚きの様子が見られました。
今回は、その様子をみなさんにお伝えします!
現場レポ・第2弾です!
のぞき見…!ピースフルスクールプログラムの中身って?
みんなのみらいをつくる保育園の保育室に入って、まずはじめに感じたのは、先生も子どもたちもみんなが仲間になって、一緒に生活しているという雰囲気でした。
みんなのみらいをつくる保育園では、先生と園児たちという上下の関係はありません。何かをする時にも、ルールや決まりはみんなで決めます。
どうしてこんな雰囲気が生まれているんだろう……?
不思議に思っていると、3才児担任のちさと先生が、「ピースフルの時間だよー!」と3歳児の子どもたちに声を掛けていました。
私も一緒にピースフルスクールプログラムで遊ばせてもらうと、「こういうことだったんだ……!」と、保育園に平和的な雰囲気が生まれている理由が分かりました。
それでは、そのピースフルスクールプログラムと、その後の子どもたちの様子を、みなさんにもお伝えさせていただきます!
みんなのみらいをつくる保育園では毎週「ピースフルスクールプログラム」を行っています。プログラムでは、先生がパペットを使って、その日のテーマについて子どもたちが自分で考えるよう促していきます。
今回のテーマは「みんなでルールを決めよう」です。
まず、そのテーマに入る前に、ちさと先生はプログラムへの導入の遊びに入りました。
その日の導入の遊びは「じゃんけん大会」で、ちさと先生の掛け声に合わせて、みんなで輪になってじゃんけんをしました。
「じゃんけんぽーーん!!」
じゃんけん大会が終わると、いよいよ今回のテーマに入っていきます。
ちさと先生は、子どもたちに動物のパペットを使って話しかけます。
ちさと先生「今日ね、さるくんとトラくんが、2人でブロックで遊んでたんだ。ブロックは4つあったんだけど、さるくんのおもちゃ、いいなぁーって思って、トラくんがさるくんのおもちゃをこっそり取ってっちゃったんだ。」
ちさと先生「トラくんとさるくんは、どうしたら良かったかな??」
すると、子どもたちは自分達の考えを話し始めました。
Aちゃん「さるくんは、返してって言えば良かった!」
Bちゃん「さるくんは取り返せば良かった!」
Cちゃん「じゃんけんぽんして、順番に取ってって、(おもちゃを)2こと2こにすればよかった!」
すると、ちさと先生はパペットを使って話し始めました。
ちさと先生「ねぇねぇ、トラくん、さるくん、じゃんけんぽんして決めたらいいらしいよ。じゃんけんしよう!じゃんけんぽーん!!」
ちさと先生「そっか。じゃんけんぽんして決めたら良かったんだね。みんな、教えてくれてありがとう。」
そして、ここで一旦プログラムの内容は変わり、みんなで参加する遊びに入っていきます。プログラムでは、毎回終わりにみんなでおこなう「体験活動」が入ってきます。今回は「みんなでタワーを建てる」遊びです。
ちさと先生は再び子どもたちに問いかけます。
ちさと先生「じゃあ、ブロックを積み上げていく順番なんだけど、DちゃんとEちゃん、どっちの方から積み上げていったらいいかな?(右回りと左回り、どっちがいいかな?)」
すると、子どもたちが自分で考えて話し始めました。
子どもたち「じゃんけんして決める!」
ちさと先生「じゃあ、じゃんけんして決めよう!じゃんけんぽーん!」
そして、みんなでブロックを積み上げる遊びが始まりました。
子どもたちの肩くらいの高さになったとき、タワーは倒れてしまいましたが、子どもたちはとっても楽しそうでした。
ここで、ちさと先生がもう一度、子どもたちに話しかけます。
ちさと先生「今日はとっても楽しかったね。もしこれが、私が先!僕が先!ってなってたら、どうなってたかな?」
Dくん「(タワーは)すぐ倒れちゃう!」
Eくん「順番にやってたら倒れない!」
ちさと先生「そのとおりだね。みんなでルールを決めて遊ぶと、とっても楽しく遊べるんだね。今日は素敵なアイデアを出してくれて、みんなありがとう。それではこれで今回のピースフルはおしまいです。」
ここで、今回のピースフルスクールプログラムは終わりました。
しかし、このプログラムの本当の醍醐味を知ったのは、この後の様子からでした!
ピースフルスクールプログラムで育まれた力がここにあった…!
ピースフルスクールプログラムが一通り終わると、子どもたちは保育室に戻り、自分の好きな遊びを始めました。
その中で、KAPLAというつみ木を積み上げてタワーを作って遊んでいる子どもたちがいました。
子どもたちは綺麗につみ木を積み上げて、自分の背よりも高いタワーを作っていきます。
このタワーが完成すると、次は紙飛行機を使ってタワーを倒す遊びに入ります。
子どもたちは、紙飛行機を遠くから飛ばしたり、近くから飛ばしてみたり…。
それを見ていたFちゃんが「みんな、ここの線から飛ばすルールにしよう!」と言って、床に自分でテープを貼り始めました。
すると、子どもたちはそのテープの線をきちんと守り、横一列になって紙飛行機を投げ始めました。
先生にルールを決められて、その中で子どもたちが遊ぶということはよくあります。しかし、このように子どもたちが自分たちでルールを決め、それを守って遊ぶということは、容易いものではありません。
す、すごいなぁ……!!
感動しながら様子を見ていると、タワーが豪快な音を立てて崩れました。
そうしているうちに、お片付けの時間となり、子どもたちは床に散らばったKAPLAを集め始めました。
私も1つ1つ拾い、お手伝いをしているとG君が話し始めました。
G君「マントを広げて、その上にKAPLAを集めて持ち上げると、1度にいっぱい運べるよ」
すると、そのお話を聞いて、子どもたちがマントを広げてKAPLAを集め始めました。
「人の話をよく聞く」、「みんなで話し合って決める」、「自分達でルールを考える」。
このようなことは、大人でもなかなか難しいものですが、みんなのみらいをつくる保育園の子どもたちは、きちんとこの「当たりまえ」を実行していました。
そして、このような「当たりまえ」ができる力は、ピースフルスクールプログラムの中で、子どもたちが自分で考え、学んでいったことで培われたものです。
みんなのみらいをつくる保育園のピースフルな雰囲気の理由は、こんな子どもたち一人一人の姿によるものでした。
今回は、このような「当たりまえのことができる力」を培うピースフルスクールプログラムについてお伝えさせていただきました!
ピースフルスクールプログラムを行っている「みんなのみらいをつくる保育園」は0~5才児の子どもたちの通う認可保育園です。
入園希望の方の見学は随時承っています。ご希望の方はぜひお問い合わせください。
>詳しくはこちらから