こんにちは!
人事担当の井上です。
今回は、LGBT当事者である社員の声を受けて改定した、フローレンスの新しい就業規則をご紹介します。
■就業規則に「事実婚」「同性婚」という言葉を明記しました。
フローレンスでは、4月に就業規則の内容を改定し、慶弔の対象に「事実婚」「同性婚」を含むことを明記しました。
これにより、事実婚・同性婚という結婚の形を選択したスタッフも、法律婚した社員と同等の権利が与えられ、慶弔休暇や祝い金の対象にできるようになりました。
■きっかけは一人の社員からの提言でした。
フローレンスには自身がLGBT(*)であることを公表している社員がいます。
経営企画室に所属する大磯は、フローレンスでの勤務と並行してLGBTに対する理解を広めるための活動を行っています。
その大磯から数ヶ月前、「LGBT社員を想定した就業規則にして欲しい」という内容が書かれた会社への提言書を受けとりました。
この要望を受けて、大磯の意見を反映した就業規則に改定することにしました。
*LGBTとは?
同性愛者(レズビアン、ゲイ)、両性愛者(バイセクシュアル)、性別越境者(トランスジェンダー、性別違和)の人々を意味する頭字語。
これら、性的マイノリティは、人口の数%、日本では200万人〜500万人が該当すると言われており、これは20人の職場にひとりはいる位の確率なのだそうです。
■難しかったのは、「同性婚」の定義
大磯からの提言書を受け取り、早速、就業規則の改定に着手し、「男女が法律婚をしていること」を前提としていた慶弔の規定を変更することにしました。
が・・・、「同性同士の結婚」をどんな言葉で定義したらよいかわからず、早速壁にぶちあたりました。
今の日本では同性婚は法律的に認められておらず、定義というものがないのです。
インターネットを検索したり、専門家(社会保険労務士)に相談に乗ってもらいましたが、「同性婚とはこういうもの」という定義は見つかりません。
結局「当事者の意見を聞くのが一番はやい!」ということでLGBT当事者へのインタビューを踏まえて、本人達が「結婚している」とお互いに認識することが同性婚であると結論づけました。
■就業規則に記載した「事実婚」「同性婚」の定義
就業規則には次のような表現で記載することにしました。
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スタッフが次に掲げる事由に該当し、請求した場合は以下の日数の範囲内で慶弔休暇を与えます。
① 本人の結婚 5日
② 子女の結婚 2日
③ 配偶者の出産 2日
④ 配偶者、子、実父母の死亡 5日
⑤ 兄弟姉妹、配偶者の父母の死亡 3日
⑥ 祖父母の死亡 1日
2.前項で示した休暇日と会社休日および他の規定で定めた休暇とが重なる日に関しては、前項の休暇を取得したものとみなします。
3.この規定における結婚とは、以下のことを指します。
①入籍
②事実婚(未届の妻または夫と世帯を同一にすること)
③同性婚(同性のパートナーと挙式を行うこと、あるいは結婚関係であると相互に認めること)
4.この規定における配偶者とは、婚姻、事実婚もしくは同性婚の相手方を指します。
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■組織のビジョンを反映した就業規則になった!
フローレンスでは、団体の組織ビジョン(目指す組織の姿)として「多様性によって社会的イノベーションを起こす組織」を掲げており、多様な人材を歓迎しています。
多様な人材がそれぞれの個性や強みを持ち寄り、お互いを刺激したり、補間し合うことがイノベーションを生む、と考えるからです。
“多様な人材“には、”多様な家族形態“が含まれます。
今回の就業規則の改定により、多様な家族の在り方を団体として公式に認めたことで私たちの目指す組織像をより明確に示せたのではないかと思います。
この取り組みにより「フローレンスなら自分らしく、堂々と個性を発揮できる」と感じてくれる社員が増えることを願っています!
■早速大きな反響が!
今回の就業規則の改定を公開したところ、社内だけではなく、社外からも大きな反響があり、テレビ局やWEBメディア等、複数のメディアの方から取材の依頼をいただきました。
私たち小さなNPOの取り組みが、メディアを通してたくさんの方に知っていただけたことは大変うれしいことです。
これをきっかけに、LGBTに対する取り組みや就業規則の改定を検討する企業が少しでも増えることを願っています。
この取り組みに共感してくださった社会人の方、ぜひお勤め先の就業規則に「事実婚」「同性婚」という文字を追加するように提案してみませんか?
あなたのアクションが会社を変えるかもしれません!
私たちフローレンス働き方革命事業部では、誰もが多様性を活かしながら働ける環境を目指して今後も活動していきます。
■掲載メディアのご紹介(一部)
・TOKYO MX NEWS
“同性婚”を想定した就業規則