新たな社会問題の解決に向けて
史上最長のゴールデンウィークとともに平成が終わり、令和元年という新しい年が始まりました。
新しい時代への期待、展望がSNSやマスメディアで取り上げられる中、フローレンスでも新たな社会問題に取り組んでいくために、また一つ新しい事業部を立ち上げることになりました。
その名も「こども宅食事業部」。
子どものいる家庭に食品や生活用品、必要な機会を提供することでつながりを生み出して、ときに必要な支援を提供していく「こども宅食」という事業を実施し、広げていく役割を担う事業部です。
経済的な厳しさなどが原因で困難な生活を送っている家庭の中には、外部からの支援が必要な状況に陥っていても外からは気づかれなかったり、支援の必要性を感じていても「困っているのを誰にも知られたくない」といった思いから家庭内で抱え込み、より重篤な状況に陥ってしまう、ということが起きています。
現在も行政やNPOなどの民間団体は様々な形で支援を提供していますが、「自分から助けを求められる人(=窓口に相談に行ける人)」が主な対象になっており、上述のような「誰にも知られたくない人」や「窓口に行きたくても行けない人」には支援が届きにくいのが現状です。
そういった状況を打破するための取り組みとして、フローレンスでは、窓口に来てもらうのではなく、こちらから出向いて課題やニーズを発見し、課題を抱える家庭に効果的に支援を届ける仕組みを作り上げていきたいと考えています。
そして、令和という新しい時代の日本に仕組みとして実装することで、親子のつらいが見逃されない社会を作っていきたいと思っています。
プロジェクトから事業部へ
もともと、こども宅食は、2017年に東京都文京区で、自治体とNPOなど7つの団体がコンソーシアムという形で連携することで開始したプロジェクトです。
フローレンスは事業推進や広報・ファンドレイズといった役割を担当してきました(文京区こども宅食の活動や成果の概要はこちら)。
フローレンス内の推進体制としては、これまで代表の駒崎に加えて、社内の有志による混成チームでプロジェクトを立ち上げ、推進してきました。
一方で、これからは、「対象家庭に食品を届ける仕組みを使って、どうやって支援につなげていくか」「どのように活動を全国に広げていくのか」など、事業として一つ先のステージに進んでいく、より難しい課題に立ち向かっていく段階にきています。
そういった今の状況を踏まえ、一時的、限定的な「プロジェクト」ではなく、事業としての成長や収益性まで責任を負う「事業部」とし、フローレンスとしてより事業に対するコミットメントを高めていく方向に舵を切りました。
事業を推進していくのは、多様なメンバー
ということで、結成したこども宅食事業部ですが、
・今井(マネージャー、食品会社研究職→コンサルタント→中途入社)
・山崎(サブマネージャー、2015年新卒入社)
・菊川(2016年新卒入社、社会福祉士)
・高橋(IT関連企業→中途入社(先週!))
という4名の小さな事業部です。
ここに、サポートメンバーとして、代表室(企業で言うところの経営企画室)の2名、
・本間(総合商社→中途入社)
・川口(外資系調査会社→中途入社)、
を加えた、合計6人のチームで事業を進めていきます。
ご覧の通り、年齢も経歴も多様なメンバーが集っていて、それぞれの強みを活かしつつ、弱みをフォローしつつ、和気あいあいと、ときに喧々諤々の議論をしながら、事業を前に進めるために日々試行錯誤を続けています。
こども宅食事業部が今後推進していくこと
フローレンスこども宅食事業部としては、以下の2つの実現を目指しています。
【①事業を深める】
こども宅食事業を、困っている家庭を助けることができる、実効性のある事業に育て上げること。具体的には、食品を届けることで、家庭を見守り、いち早く困りごとに気づき、必要なサポートにつないでいけるような体制、仕組みを作っていく必要があります。
【②事業を広げる】
全国各地にいるはずの、こども宅食を必要とする家庭全てに、このサービスを届けることができるような社会を作ること。
そのためには、それぞれの地域で自治体やNPOがこども宅食が事業を立ち上げて、継続的に実施できるようにノウハウやシステムを確立して共有する、そして、既存の制度や仕組みに紐づけて財源を確保できるようにする、といったことが必要になります。
3年目に入る文京区こども宅食事業では、支援の具体的な提供方法を確立し、事業のモデルづくりを進めるということに注力して活動を進めていきます。
また、全国各地の自治体、民間団体から、こども宅食事業の実施について引き合いが来ているため、そうしたつながりを生かして、さらに先進的、発展的な事例を作り出していきたいと考えています。
みなさんにお願いしたいこと
文京区こども宅食事業、こども宅食応援団の活動は全てを寄付でまかなっています。
このこども宅食を社会インフラとしてより一層広め、また深めていくために、フローレンスへ頂いた寄付の一部を生かして、事業を展開していきます。
頂いた寄付金は、文京区以外の地域での事業の実施や、制度化に向けたロビイング、事業拡大に向けた採用のための費用、経済的に厳しい家庭の声や、社会課題を発信していくための広報活動に使っていきます。
まだまだ立ち上がったばかりの事業で課題は山積みなのですが、必要な家庭に支援が行き届く社会が一日でも早く実現できるように、こども宅食事業部はこれまで以上に事業推進に邁進していきます。
今後もこの事業をこれまで以上にパワフルに拡大していくために皆様からのご支援をお願いいたします。