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チームの知恵を総動員!フローレンスで始まった「保育ソーシャルワーク」を体験しよう【10月保育塾】

チームの知恵を総動員!フローレンスで始まった「保育ソーシャルワーク」を体験しよう【10月保育塾】

#研修

 

みなさん、「ソーシャルワーク」という言葉を、耳にしたことはあるでしょうか。

 

ソーシャルワークとは、課題や困りごとを抱えている人の話を聞いて状況を整理しながら、課題解決のために一緒に考え、行動することを指します。

近年では学校や、病院、司法の現場でもソーシャルワークを専門職とする、ソーシャルワーカーが活躍しています。

 

そしてフローレンスでも、親子がかかえる様々な課題を解決するために、2018年から「保育ソーシャルワーク」に取り組み始めました。

10月の保育塾では、「保育ソーシャルワーク」をテーマに、フローレンスのソーシャルワーカー4人全員が講師として登壇!保育ソーシャルワークの概念の理解と架空の事例を使ったグループワークを行いました。

保育塾とは、フローレンスの全ての現場スタッフに向けた自主参加型の研修です。現場スタッフの「知りたい!」「学びたい!」に応えられるように、毎月違うテーマで研修を行っています。

●保育ソーシャルワークとは?

「ソーシャルワーク」と近い機能として、「カウンセリング」があります。

カウンセリングは「悩みを抱えている人の話を聞いて本音を引き出しながら、心の問題を整理するのを手伝うこと」と言えます。

 

対して、ソーシャルワークは冒頭でもお伝えしたように「課題や困りごとを抱えている人の話を聞いて状況を整理しながら、社会資源を活用したり、時には新たな社会資源を開拓して、課題解決のために一緒に考えること」です。その中でも保育ソーシャルワークは課題や困りごとを抱えた子どもやその家庭を対象に展開します。

近年は虐待や貧困、DVだけでなく、障害や疾患を抱えた親子も少なからず存在するため、早期の支援が必要となっています。

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早期の支援が求められる中で、幼い子どもを預かる保育園でソーシャルワークをすれば、さまざまな困りごとをもつ親子をサポートできるのではないか。

そのような思いから、フローレンスのソーシャルワークへの取り組みが始まりました。

保育ソーシャルワークは児童福祉施設である保育園が実践現場です。そして、保育士はソーシャルワークに携わる役割を持っています。」と講師のソーシャルワーカーたちは言います。

 

子どもやその家庭と直接関わり、信頼関係を築ける保育士はまさに、ソーシャルワークの実践者といえるのです。

 

では、保育士はどのようにソーシャルワークに携わることができるのでしょうか。

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●保育ソーシャルワークはチームで動きます

 

フローレンスの保育ソーシャルワークは、ソーシャルワーカー1人だけが親子の課題について考え・行動するのではありません。

親子につながっている関係機関が一丸となり、親子の抱える課題を解決していきます。

まずは、保育士や子どもを含む家族など身近な存在で個々のチームをつくって協働し、さらに児童相談所や保健センター等の関係機関などが加わり、親子に寄り添います。

保育園で働く保育士もチームの一員として困った親子に寄り添うこと、これが保育士がソーシャルワークに携わるということなのです。

 

このように、ソーシャルワークの醍醐味は、所属や立場が違う小さなチームが協働・連携し、大きなチームをつくることです。

大きなチームをつくることで、ソーシャルワーカーだけで解決しない親子が抱える課題や困りごとに対応することが可能になります。

『子ども・家庭』にとってのベストを目指し課題解決に対する最善の方法が、小さなチームが集まって大きなチームをつくることなのです。

●フローレンスの保育ソーシャルワーカーの動き

フローレンスのソーシャルワーカーは、各保育園への連絡・訪問を繰り返して、親子の課題や困りごとに寄り添うことを大切にしています。今は困りごとを感じていなくてもいざというときにサポートできるように、ソーシャルワーカーたちは保育士と協力して、親子を見守り続けているのです。

 

また、専門性の維持と向上のために、外部研修に参加したり、各自治体が開催している会議に参加します。そして、外部組織とつながりを持つことが、大きなチームをつくる上で重要となってきます。 ときには医療分野や行政の担当者と協力して、それぞれの役割を大切にしながら親子に寄り添うこともあるそうです。

●チームの知恵を総動員!事例を使ってグループワーク!

ソーシャルワークの流れは以下の図のようになっています。オレンジの部分は1度きりではなく、繰り返し行います。その頻度・回数は対象となる親子によって違います。

 

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今回は架空の事例を使って、アセスメントとプランニングのグループワークを行いました!

「アセスメント(assessment)」とは、直訳すると「客観的評価・査定」です。ソーシャルワークでは、相談者や家族が抱える課題を明らかにすることをアセスメントと呼びます。

「プランニング」は、アセスメントで明らかになった課題に対して具体的な計画を立てることを指します。

以下事例の概要です。

 

【事例】ある保育園に通うAちゃんは友達関係でトラブルがあり、親子関係も気がかり。Aちゃんはお母さんを拒否するような姿がみられ、お母さんは疲れた様子です。しかし、お父さんは頼りになる印象で、Aちゃんの家庭は保健師等とつながっている面もある。

 

まず、参加者は3~4人のグループで、アセスメントシートの【強み】【できていること】【つながっているサービス】等の項目に沿って事例を整理していきました。次に整理したアセスメントシートをもとに、短期目標と長期目標をプランニングしました。

最後にグループごとに短期目標と長期目標について発表するという流れです。 

以下、発表内容の一例を紹介します!

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 短期目標

家庭での様子を聞くために、保育士が面談を通じてコミュニケーションを図る。 

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長期目標

・信頼関係を築いた後、子ども家庭センターや子ども食堂など地域にもつながりをもてるようにAちゃん家庭に情報を提供する・つなげる。

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ソーシャルワークでは、事例を整理・分析するアセスメントが大変重要で、どうアセスメントしたかによって、その後のプランニングが変わります

グループワークでは、整理した項目を根拠にしてどうやって支援策を立てるか、プランニングに苦戦するグループが多い印象でした。

しかし、苦戦しながらも「ここはAちゃん家庭の強みだから、こんなのはどうですか?」というやりとりや、「懸念点もあるけど、こう改善できそう」といった発言から議論が深まり、グループそれぞれがアセスメントをもとにプランニングをすることができました。

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実際の保育ソーシャルワークでも、小さなチームがそれぞれ意見を出し合い、親子の課題に寄り添える方法を探っていきますが、保育ソーシャルワークのアセスメントで重要な点は、子どもや家庭の状況を多角的かつ客観的な視点で見ることです。

講師のソーシャルワーカーのひとりは「いつもアセスメント・プランニングは難しい」といいます。

その理由は、「アセスメント・プランニングに絶対の答えはないから」。

 

参加者同様、ソーシャルワークの専門家にとっても「アセスメント・プランニングは絶対的な答えがないから難しい」と感じているのです。 

だからこそひとりで抱え込まず、所属や役割が違うチームが集まることで様々な角度から親子の状況を考えることが大切なのです。

 

架空の事例について行った、アセスメントとプランニングを通して、参加者からは「他の方の意見を聞くと、やはり色々な視点で検討すべきなんだなということが実感を持って理解できました」といった感想が聞かれました。また、「保育ソーシャルワーカーの役割、詳細な仕事の内容がわかりました。保育園は児童福祉施設である、という基本原則を改めて確認できて良かったです」との感想もあり、保育園がソーシャルワークの実践現場ということに気づいた参加者もいました。

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次回の保育塾は【冬の感染症】をテーマに冬の感染症の基礎知識や予防方法をお伝えします

ご報告をお楽しみに!

※フローレンスの保育ソーシャルワークについてはこちらの記事もご覧ください!


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