新型コロナウイルス感染症の影響で、マスクや消毒用品が不足するなか、感染すると重症化しやすい「医療的ケア児者」へのサポートが喫緊の課題となっています。
医療的ケア児者とは、難病や障害のため、生きていくのに人工呼吸器やたんの吸引、経管栄養など医療的なケアを必要とする人たちのことです。
日々のケアには、医療器具や手指を消毒するための消毒液やアルコール綿が欠かせません。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により入手困難な状態が続いており、重症化のリスクが高い当事者にとっては命に関わる状況です。
そんな中、フローレンスは全国のあらゆる親子を置き去りにしないよう、特に孤立するリスクの高い「医療的ケア児者家庭」「経済困窮家庭」「ひとり親家庭」に支援を届ける「新型コロナこども緊急支援プロジェクト」を始動させました。
本プロジェクトでは、医療的ケア児者の生活に欠かせない消毒液等の物品の不足に対し、フローレンスが事務局を務める「一般社団法人 全国医療的ケア児者支援協議会」と連携し、3月から消毒液やアルコール綿等の物品寄付を募り、希望する医療的ケア児者家庭に配送を実施しています。
このうち、3月23日(月)~4月3日(金)の第1回募集に応募をいただいた1203家庭への配送が全て終了いたしましたので、ご報告いたします。
【配送概要】
配送先家庭:1,203家庭
物品寄付法人・個人数:277件
配送物の例:消毒液、消毒用ジェル、アルコール綿、マスク(子ども用含む)など
募集期間:3月23日(月)~4月3日(金)18:00迄
配送期間:3月25日(水)~4月28日(火)
なお、配送においてはココネット株式会社による全面協力のもと、医療的ケア児者家庭に配送されました。
全国からの支援物資提供品と、希望家庭のマッチングシステムの運営費および配送センターから各ご家庭までの物品配送費は、一般財団法人村上財団、合同会社西友より支援をいただきました。
全国各地から感謝の声
全国各地の医療的ケア児者家庭から、感謝の声が寄せられています。
一部抜粋してご紹介いたします。
「この度はご支援ありがとうございます。世界中が困難な状況下にあります。気持ちがふさぐ事も多くある中、皆さまからの温かいお気持ちで、気持ちが和みました。みんなでこの困難を乗り越えていきたいです!本当に感謝いたします。」
「藁にもすがる思いで登録させていただきました。それでも全国から希望が集まったらもらえることなんてないんだろうな、と思っていたら今日マスクが届きました。
うちの子は24時間人工呼吸器管理の状態ですのでマスクや消毒液を買うためにお店に並ぶことが出来ず、今持っているマスクもあと数枚で底をつく状態でした。
今、コロナで閉塞している世の中、自分の気持ちもだいぶ平常心を保つことが難しくなってきています。そんな中、本当に神様からのプレゼントのように思えて、嬉しすぎて涙が出てきました。ありがとうございました。関係していただいているすべての方々に感謝申し上げます。」
「大切に使わせていただきます。皆様の優しさに受け取って泣いてしまいました。皆様の優しさがとても嬉しいです。」
「本当に本当にありがとうございます。命に関わる物品なので、命の恩人と言っても過言ではありません。不安なことが多い時期ですが、あたたかい方がいらっしゃると思うだけで安心です。」
「大変な中、物品の送付誠にありがとうございました。皆様のお気持ちがとても嬉しく、心強く、このような厳しい中でもサバイバルする張り合いになりました。深く感謝申し上げます。」
「この度は、アルコール綿の寄付をありがとうございました。何より、お互いに大変な中でのこのようなご好意に、家族一同心が温まりました。沢山の方々に助けていただいているということを忘れず、日々感謝の気持ちを持って過ごして参ります。」
花王株式会社から消毒液の提供
この度、本プロジェクトに共感をいただいた花王株式会社より、420本の「ビオレu 手指の消毒液」をご提供いただきました。消毒液は、全て医療的ケア児者家庭に配送させていただきました。
<ビオレu 手指の消毒液が届いたご家庭からの声>
「暖かいご支援を頂けた事、とても嬉しくありがたく思っています。娘にも遠くの誰かが応援してくれてるんだよと伝えました。コロナを乗り越え、い つか娘がハンディキャップを乗り越え、今回頂いた優しさを還せるような子どもに育てていきたいと思います。ありがとうございました。」
「この時期、何度 薬局に足を運んでも消毒液が手に入らず、困っておりました。家にある分が底をつきかけてたところ、知人からこの活動を教えてもらい、応募させていただきました。
本当にありがとうございました。
みなさんの温かいご支援に感謝いたします!大切に使わせていただきます。」
「このたびは消毒液をありがとうございました。感染拡大の終わりが見えない中で消毒液を購入できず、日々残りが少なくなっていくことが不安で仕方ありませんでした。そんな中で、この一本は物理的に助かるのと同時に、気持ちの面でも救われました。」
アルコール綿も3,400家庭に配送、引き続き支援継続
第一弾の発送は完了しましたが、まだまだ医療的ケア児者の生活に欠かせないアルコール綿などは入手困難な状況が続いています。
フローレンスでは、本プロジェクトに寄せられた寄付を原資にアルコール綿を一定数確保し、プロジェクトの第二弾として、医療的ケア児者家庭にアルコール綿をお届けするプロジェクトを進行中です。
※配送希望の受付は現在終了しています。
配送希望を募ったところ、当初確保していた約1,000家庭分を大きく上回る、6,082件の配送希望をいただきました。
現在、確保できたアルコール綿から順次発送を進めており、3,400家庭への配送が完了している状況です。
すべてのご家庭に配送できる確約が出来ない状況ですが、引き続き取り組みを進めていきます。
全国的な品薄状態が続く中、1,200を超えるご家庭に消毒液等を、3,400のご家庭にアルコール綿を配送することができたのは、多くの法人・個人の皆様から物資や資金面でのご支援をいただいたからに他なりません。
フローレンスおよび全国医療的ケア児者支援協議会は、今後も医療的ケア児者家庭への支援をはじめ、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける親子を支える取り組みを継続してまいります。
また、国内親子領域の課題解決に最前線で取り組む団体として、今も新たに生まれている社会課題に取組んでいきます。
ぜひ、本プロジェクトへのたくさんの方のご参加をお待ちしています。
今回のみの寄付で新型コロナこども緊急支援プロジェクトを支援する