新型コロナウイルス感染症の影響で、マスクや消毒液など衛生用品の不足が長引くなか、感染すると重症化しやすい「医療的ケア児者」、またそうした人々を支える医療施設へのサポートが課題となっています。
医療的ケア児者とは、難病や障害のため、生きていくのに人工呼吸器やたんの吸引、経管栄養など医療的なケアを必要とする障害児者のことです。
国内親子領域社会課題に取り組むフローレンスは、4月6日より「新型コロナこども緊急支援プロジェクト」を立ち上げ、コロナ禍の影響を特に強く受けている「医療的ケア児者家庭」「ひとり親家庭」「経済困窮家庭」に向けた緊急支援を実行してきました。
▼緊急支援プロジェクト詳細はこちらの記事をご覧ください
本プロジェクトでは、医療的ケア児者家庭への支援として、3月からエタノールやアルコール綿など日常のケアに欠かせない物品を寄付で募り配送してきました。5月末までの配送で、のべ約5,000家庭への物資提供を行っています。
また、医療的ケア児の命を繋ぐのに欠かせないNICU(新生児特定集中治療室)や、こども病院等、子どもたちの命を守る医療機関へマスクなどの物品提供も継続して行っています。
6月中旬までの配送で、23の医療施設に59,000枚のマスクを提供しています。
このたび、本プロジェクトに共感をいただいた、人気ロックバンドグループ ”ASIAN KUNG-FU GENERATION” ヴォーカル&ギターの後藤正文さんより、医療用防護服3,240枚の物資提供をいただきました。
日々、感染のリスクと向かい合っている医療従事者の皆さんを支えたいという強い想いから、物資の調達、国外からの輸入に関するすべての手続きを、ご自身で進めてくださいました。
医療用防護服は、衛生用品が不足する各地のNICUやこども病院、以下6施設へ配送させていただきました。
また、あわせて「新型コロナウイルスの影響で窮地に立たされている方の支援や、普段から行っている様々な支援活動に役立てていただければ」と、あたたかいお気持ちと共にフローレンスの活動運営に対するご寄付もいただきました。
●後藤正文さん コメント
普段から支援活動をしてくださっている皆さんの活躍によって、物資が支援物資になりました。心から感謝します。また、自粛要請の期間中、様々なリスクにさらされながらも働きづつけたすべての方に尊敬の念を送ります。誰もが未知のウイルスからの影響を受けながら、それぞれの生活を送っていると思います。少しの優しさを持ち寄って、あるいは分けあって、乗り越えられる日を願っています。
提供いただいた防護服は、本プロジェクトで物資配送を担うココネット株式会社の協力のもと、全国各地のNICUやこども病院に配送いたしました。
群馬県の太田記念病院からは、早速感謝のメッセージと共に、防護服を着用して業務にあたる皆さんの様子を写真でお送りいただきました。
6月19日には、国内最大の周産期医療・研究施設である「国立成育医療研究センター」へ配送を行いました。
(写真左:国立成育医療研究センター 近藤様、写真右:フローレンス代表理事 駒崎弘樹)
●国立成育医療研究センター 近藤様 コメント
ご支援をいただき、本当に助かりました。一時は本当にマスクや防護服が足りず、SNSなどで物資提供や寄付を募る発信をしていたところ、フローレンスをはじめとしてたくさんの団体や個人の皆様から物資の提供をいただくことができました。
感染症拡大の影響を受け、病院でもなかなか物資の確保ができず、また価格も高騰して手が出せなくなっていました。そんな中、このように著名な方が自ら物資を探して確保・提供いただいたということをお伺いし、驚くと同時に感謝の気持ちでいっぱいです。
緊急事態宣言は解除されましたが、親子を取り巻く様々な問題が解決したわけではありません。
フローレンスは、今後も新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける親子を支える取り組みを継続してまいります。
また、国内親子領域の課題解決に最前線で取り組む団体として、今も新たに生まれている社会課題に取組んでいきます。
この活動は、フローレンスの活動に共感してくださる法人・個人の皆さんからのご寄付によって支えられています。ぜひ、たくさんのご支援をお待ちしています。