コロナ不況が子育て家庭にしのび寄る
新型コロナウイルスの感染拡大により一変した子育て家庭。物資の不足はもちろん、一斉休校や緊急事態宣言下での環境変化による影響は多大でした。
中でも、経済的に厳しい状況にあるご家庭やひとり親家庭、感染リスクを抱える「医療的ケア児者家庭」を支援するため、4月からフローレンスが実施してきた「新型コロナこども緊急支援プロジェクト」。
7月1日現在、緊急事態宣言が解除となり、感染拡大は一つの峠を越えましたが、今一番の社会課題と言われるのが【コロナ不況】です。
6月以降も休業指示、解雇や雇い止め等の増加に歯止めがかかりません。
子育て家庭を取り巻く厳しい状況が続きます。
フローレンスでは「ひとり親家庭」「経済的に厳しい状況にある子育て家庭」への支援を継続して実施していくことを決めました。
4月~6月「新型コロナ緊急支援プロジェクト」の実績報告
4月から6月に、フローレンスが国内で実施した「新型コロナ緊急支援プロジェクト」では、経済的に厳しい状況にあるご家庭へ「こども宅食」モデルを通じた食料・見守り支援を届けたり、ひとり親家庭に無料保育や健康児お預かりサービスを実施したり、医療的ケア児者家庭に不足する衛生用品を提供したりするなど、全国のべ12,000世帯以上の子育て世帯に緊急支援を実施しました。
生活が厳しい子育て家庭へ、継続支援が必要です
5月末、約2か月に渡った緊急事態宣言が全国的に解除となりましたが、同時に深刻な不況が訪れています。
厚生労働省の発表によると、新型コロナウイルス感染拡大に関連した解雇や雇い止めは、見込みを含めて6月12日時点で24,660人にのぼります。
また、この内、非正規労働者が全体の54%と半分以上を占めると発表されています。
シングルマザーなどひとり親世帯では、48.4%が派遣社員やパート・アルバイトなどの非正規労働で生計をたてています。※
母子世帯では、母親の年収が平均 243 万円と、コロナ禍以前から一般世帯より低い傾向にあります。
経済的に不安定な立場に置かれているご家庭に、”コロナ不況”が与える影響は計り知れません。
5月に一般社団法人こども宅食応援団が全国各地の「こども宅食」を利用する約1000世帯を対象に行ったアンケートでは、回答者の約8割が「生活が苦しくなった」と回答しました。※
しんぐるまざあず・ふぉーらむが実施した「ひとり親家庭への新型コロナウィルス(COVID-19)の影響に関する調査」では、回答者のひとり親家庭のうち、収入減となったひとり親が59%、収入がなくなったひとり親も18%いることがわかりました。※
※しんぐるまざあず・ふぉーらむ「ひとり親家庭への新型コロナウィルス(COVID-19)の影響に関する調査(5月実施アンケート)」より
こうしたアンケートには、収入が減ったり、食費等の支出が増えたことへの不安を訴える声も多数寄せられています。
一方で、フローレンスが4月から実施している「新型コロナこども緊急支援プロジェクト」で、食品や日用品の支援を届けたご家庭からは以下のような声もいただいています。
”コロナ不況”で深刻な状況にある親子に寄り添い、支える手がこれからも必要です。
「生活困窮家庭」と「ひとり親家庭」に継続的な支援を
フローレンスでは、「新型コロナこども緊急支援プロジェクト」で”障害児家庭””生活困窮家庭””ひとり親家庭”を対象に、緊急の支援を届けてきました。
医療物資の充足をうけて、障害児家庭への支援は終結しますが、引き続き「経済的に厳しい子育て家庭」と「ひとり親家庭」に継続的な支援を届けていきます。
コロナ不況で家計が不安定になると、
・子ども達の食事や生活環 境が十分整わなくなる
・家庭内のストレスが高まりDVや虐待のリスクが高まる
・習い事や学習・体験の機会が減少する
といった影響が指摘されています。
有事においては、生活環境の悪化や虐待のリスクを防ぐために、親子が頼れる先をひとつでも増やすことが必要です。
また、今回のコロナ不況をきっかけに始まった支援を継続していくためには、政策に落とし込み、全国で実施していくための仕組みを作ることも必要です。
つながる接点を増やし子育て家庭を孤立させないよう、フローレンスは以下のようなことに取り組んでいきます。
”アフターコロナ””withコロナ”と呼ばれる時代にも、困難な状況に取り残される親子を支えたい。
フローレンスは、子どもと親子領域の総合福祉事業者として、また国内親子領域の課題解決に最前線で取り組む団体として、全国の皆さんと共に「親子の笑顔」を守っていきたいと思います。
この活動は、フローレンスの活動に共感してくださる法人・個人の皆さんからのご寄付によって支えられています。
ぜひ、引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。