「遺贈寄付」という言葉をご存知でしょうか?
遺贈寄付とは、個人が遺言によって、公益法人やNPO法人などに財産の一部を無償で譲与することをいいます。
人生を終えた後、次の世代へより良い社会を遺したい。そんな思いで遺贈寄付を選択肢の一つとするケースが国内でも増えています。
40歳以上の約20%が相続財産の寄付に関心があるとのデータもあり(日本ファンドレイジング協会発行「遺贈寄付ハンドブック」より)、遺産を社会へ還元することへの関心の広がりをみせています。
また、相続人がいない方のケースでは、遺産は誰のものにもならず、長期間放置された後に、最終的に国庫に入ります。財産を国に返納するよりも、自分で選んだ団体に託して遺産を社会に役立てたいという気持ちの方も多いようです。
9月13日は”国際遺贈寄付の日“( International Legacy Giving Day)。ヨーロッパや北米などでは、例年この時期にキャンペーンが行われています。
今年、日本でも初の試みとして、「遺贈寄付ウィーク2020(主催:一般社団法人日本レガシーギフト協会)」が9月5日(土)から9月14日(月)にわたり開催されています。
期間中はオンラインイベントを中心に、遺贈寄付を知る・考えるきっかけとなる催しが開かれています。
期間中、毎朝行われているモーニングセッションには、フローレンスのスタッフも登壇しました。
フローレンスでも、遺贈寄付のご相談を受け付けています。
実際に私たちに遺産を託して下さった方のお話を紹介します。
パートナーである田代 隆さんを亡くされた一恵さん。
相続財産の一部を寄付したい、とお申し出をいただきました。
隆さんは生前、フローレンスのひとり親支援に寄付をいただいていました。
一恵さんは、隆さんの「跡継ぎに多くを残すより、最低限を残してあとは寄付にまわしたい。」というご遺志を尊重され、国内の子どもたちのためになるのならと、フローレンスを遺贈寄付先にお決めいただきました。
私たちは託していただいたお気持ちをしっかり受け止め、日本の次世代を担う子どもたちに笑顔を届ける活動を続けています。
一恵さんへは毎年ご挨拶に伺い、ご寄付によって成し得た活動をご報告しています。
(文中のお名前は仮名です)
フローレンスは
・7人に1人といわれる子どもの貧困
・赤ちゃんの虐待・遺棄
・障害児・医療的ケア児家庭の負担
など、日本国内の親子にかかる社会課題の解決に向けてアクションを起こし続けています。
いただいたご寄付をもとに「いろんな家族の笑顔があふれる社会」の実現を目指し、活動しています。
人生の集大成としての社会貢献といえる「遺贈寄付」。
これまで社会を支えてこられたシニア世代のみならず、相続を受ける40~50代の方からも遺贈寄付に関するお問合せが増えており、幅広い世代で関心の高さが伺えます。
「国際遺贈寄付の日」をきっかけに、未来へ希望を託すことを考えてみませんか?