「東日本大震災発生時に0歳だった赤ちゃんが、無事にハタチを迎えるその日まで。」
そんなコンセプトの下、2011年に立ち上げた公益社団法人「ハタチ基金」。ハタチ基金に集まる皆さんからのご寄付によって、フローレンスのおうち保育園仙台を始め、東北の子どもたちの支援活動は支えられています。
ハタチ基金は、2021年に活動10年目を迎えるにあたり、特別サイトを立ち上げ、写真と動画でこれまでのあゆみと今後の活動を紹介しています。10年間の被災地支援の変移がよくわかる内容となっていますので、この機会にぜひ御覧ください。
震災直後に立ち上がった「ハタチ基金」
2011年3月11日、 この日は日本中の人にとって忘れられない日になりました。東日本大震災からもうすぐ10年が経ちますが、 東北の被災地は着々と復興を遂げて、被災前とは全く違った町並みへと変化しています。また、心に傷を負った子どもたちも、日常へと戻り平穏な生活を送れるようになってきています。
ハタチ基金は、名前の通り、2011年から20年間と期間を定めて、東日本大震災で大きく被災した、宮城、岩手、福島の3県で、子どもたちに学び・自立の機会を提供するために活動する事業団体の取り組みを支えています。
これまでの10年、応援してくださっている個人や法人の方々からのご寄付のおかげで、継続して子どもたちを見守り、支えていくことができました。現在ハタチ基金では、フローレンスの他、公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン、認定NPO法人カタリバ、NPO法人トイボックス、NPO法人キッズドア、NPO法人放課後NPOアフタースクール、6つの団体の被災地での活動運営を支えています。
被災地支援10年の軌跡 刻々と変わる被災地の状況と支援ニーズ
今回立ち上げたハタチ基金の特別サイトでは、この10年間で行った支援内容や子どもたちの様子を年表で紹介し、震災で浮かび上がった課題や解決のために行った取り組みを振り返ることができる内容となっています。
10年を細かく振り返ることによって、被災地支援のあり方が年を追うごとに変わっていくことがわかり、地域のニーズに合わせて変えていくことの重要性も見えてきました。災害大国・日本で、今後の被災地支援を行っていく上での参考にもしていただける内容となっています。
被災経験や今の思いを語る 利用者の親子と、支えた人たちからの動画メッセージ
つらい体験をした子どもたちは、誰よりも強く優しい存在になれる。そう信じて、ハタチ基金は子どもたちが震災の悲しみを強さに変えて、地域に新しい息吹をもらたす存在となってほしいと、長期に渡って支援を続けてきました。
今回、各支援団体の利用者や支援者たちが、震災10年目に向けて思いを語り動画にまとめました。メッセージを送ってくれたのは、活動開始当初に支援を届けた親子、被災体験を経て地域を支えたいと学ぶ学生、自分と同じく被災経験をした子どもたちを支えたいと支援者になった青年たち。震災を経験した当事者の思いを知るきっかけにもなる特別な動画となっておりますのでぜひ御覧ください。
動画は特別サイトに掲載しています。
ハタチ基金の活動は残り10年 今後の支援は“地域を支える人を育てること”
ハタチ基金は活動期間を20年と定めてスタートしました。継続的に支援を行うことが重要と考える一方で、地域の方々と「支援する」「支援される」の関係であり続けることが決して良いことだとは思っていないからです。
今後の10年は、ハタチ基金の活動が終わったときに、震災当初子どもたちだった若者たちがリーダーとなって新しい未来を作っていけることを目指して支援内容をアップデートしていきます。
また、東北の被災地で浮かび上がった課題は、決して東北だけの問題ではなく、全国各地で同じように困っている親子がいることもわかってきました。そのため、東日本大震災をきっかけにスタートした支援事業を全国に広めていく活動が始まっています。今後はさらなる広がりを目指して活動をして参ります。
今後の支援の具体的な内容や決意を盛り込んだ、ハタチ基金の理事4人の対談を特別サイトに掲載しました。ぜひ御覧ください。
残り10年 ハタチ基金の活動を皆さんのご寄付で支えてください
【ハタチ基金について】
「東日本大震災発生時に0歳だった赤ちゃんが、無事にハタチを迎えるその日まで。」そんなコンセプトの下、2011年から20年間、東日本大震災で大きく被災した、宮城、岩手、福島の3県で、子どもたちに学び・自立の機会を提供するために活動する事業団体の取り組みを支えています。
【ハタチ基金の支援実績(2019年度)】
●おうち保育園(認定NPO法人フローレンス)
震災後、仙台市の待機児童問題解消にいち早く乗り出した小規模保育園。被災による困窮家庭に対して、 無償の保育サービス(7家庭)を提供しています。 同時に経済的・精神的負担、 養育不安や貧困など様々な課題を抱えている親子を支える『保育ソーシャルワーク』(5ケース)や、 障害などを理由に入園を断られたケースも受け入れ、 健常児と一緒に保育を行う『インクルーシブ保育』(19人)を実施。それらの機能をもつ保育園を仙台市で唯一運営しています。
●みなみそうまラーニングセンター(NPO法人トイボックス)
待機児童解消と、ひとりひとりを大切にした関わりを目指す児童クラブを運営。
延べ2,060人を支援。震災後急激な生活の変化を余儀なくされた疲労は、年々顕在化しています。養育者の負担や疲労は、気づかぬうちに子どもに我慢を強いてしまうこともあります。児童クラブの運営を通して、待機児童の解消という地域課題に貢献すると共に、子ども達の意欲や探求心を一番に考える場づくりを実現することができました。
●スタディクーポン提供事業(公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン)
403名の子どもたちにクーポンを提供。不登校生徒への支援を拡大。大学生ボランティアは子どもと1,693回の面談を実施。被災した403名の子どもに対して、地域の教育事業者で利用できるクーポンを提供しました。前年度試験的に実施した、被災した低所得世帯の不登校生徒に対しクーポンを提供する制度を、2019年度は拡大しました。また、子どもたちの進路・学習相談にのっている大学生ボランティアは、子どもと1,693回の面談を実施しました。
●コラボ・スクール(認定NPO法人カタリバ)
岩手、宮城、福島の3県で、小学生から高校生延べ28,686人に、学びと居場所提供などを行いました。被災した子どもたちが、放課後の時間に安心して過ごし、意欲を持てる場づくりを行っています。基礎学力定着のための学習機会の提供とともに、スタッフとのふれあいを通じた心のケアを行っています。自分の課題を認識したり、自分の未来は自分が動けば変えられるとい う意欲を育み、地域の方々との接続の機会を増やしていっています。
●居場所機能を備えた学習支援と次世代育成事業(NPO法人キッズドア)
仙台市で336回・南三陸町で42回、無料学習会を開催しました。
震災の影響を受けた世帯、並びに経済的に困窮している世帯の中高生を対象に、無料学習会を開催。夜の学習会で週に2回軽食を提供したり、お米やパン、お菓子等の食料支援も行いました。また、様々な人との交流を通して子どもたちの意欲が向上するよう、体験活動や季節行事、トークイベントやスタディツアー等を行いました。
●グローカルアントレプレナー(NPO法人放課後NPOアフタースクール)
大槌の高校生22名へ、地域を興すアントレプレナー育成プログラムを行いました。被災地の未来を担う子ども達が地域の強み/良さについて改めて学び、地元の魅力を発信できる機会として地元の商品を販売するプログラムを実施。起業するにあたって必要な知識や考え方を学び、店舗計画を立て、自らが起業するための具体的なイメージを持つことができました。