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新型コロナウイルス対応の最前線を支えたい――医療従事者向け無料シッター支援プロジェクト終結

新型コロナウイルス対応の最前線を支えたい――医療従事者向け無料シッター支援プロジェクト終結

#ソーシャルアクション

昨年から猛威をふるい続ける、新型コロナウイルス感染症。
1月7日には緊急事態宣言が再発出され、医療体制はさらにひっ迫し、連日医療現場の過酷な最前線の様子が報道されました。

新型コロナウイルスが国内で広がり始めてから、約1年。医療の現場は、膨大な患者の受け入れと治療対応に休む間もなく稼働を続けてくださっています。

 

フローレンスでは、緊急事態宣言の再発出を受け、新型コロナ感染症患者の受け入れ治療に対応している病院・保健センター・保健所などに勤務する医療従事者等のご家庭に対し、無料でシッターを派遣する支援を実施しました。2月27日をもって終結となったプロジェクトの裏側をご紹介します。


不眠不休の医療従事者家庭に、フローレンスができる支援とは?


フローレンスは「みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」を実現するというビジョンのもと、親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する団体です。

2004年に日本初の訪問型・共済型病児保育をスタートさせてから、待機児童問題解決の新モデルとなった小規模保育事業、障害児保育・支援事業、こども宅食事業や赤ちゃん縁組事業など、多様な事業で日本の親子に伴走してきました。

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昨年からは、「新型コロナこども緊急支援プロジェクト」を立ち上げ、コロナ禍で経済的に困窮する家庭やひとり親家庭、衛生用品が枯渇する医療的ケア児者家庭に対し、食料品の配送や保育を通じた支援、衛生用品の提供など、12,000世帯を超える規模の支援を実施しています

年末にかけて感染者が再び増える状況に、ますますひっ迫する医療現場。
訪問型保育事業のパイオニアとして、フローレンスが出来ることはなにか――年明けの緊急事態宣の再発出に伴い、社内では至急検討の会議が開かれました。

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最前線を保育で支える「緊急無料シッター」始動

医療の現場では、通常とは違う変則的な夜勤シフトや不眠不休の連続勤務が続く状況がある一方、医療従事者・保健所職員の皆さんにも、ご家族があります。

支援ニーズを把握するため、フローレンスでは、独自に新型コロナ対応医療従事者約102名に緊急アンケートを実施しました。その結果、92.1%の医療従事者が、無料シッター派遣について「利用を検討したい」「ぜひ利用したい」と回答したことが分かりました

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この結果をもとに、フローレンスは、子育て中の新型コロナ対応医療従事者・保健所職員のサポートを目的とし、皆さんから頂いた寄付を原資に、医療従事者等のご自宅に無料でシッターを派遣する支援をスタートしました

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▼支援概要についての詳細は、以下をご覧ください。

 

お子さんの送り迎え、家事、休日・夜間のお預かり…初めてのチャレンジ


プロジェクトのリリース直後、多くの方にSNS等でシェアをいただいたこともあり、利用登録者数はフォーム開設後わずか3日で当初上限として想定していた100名を超えました。

22時までの夜間や土日のお預かりにも対応し、必要に応じてお子さんの送り迎えや家事も行った今回の支援。経験豊富なフローレンスの保育スタッフにとってもはじめての内容です。

それでも多くの保育スタッフが「医療従事者を支えたい」との思いからこのプロジェクトの参加に手を挙げました。

プロジェクト参加者の保育スタッフ・中北さんは、最前線の過酷さを肌で感じたと語ります。

――準備期間も含めると約2か月にわたる緊急支援でしたが、いかがでしたか?

初めてのことが多く、少なからず不安はありましたが、「とにかくやってみよう!」という気持ちでプロジェクトに飛び込みました。
実際に保育をすると、子育てを支える手がすごく必要とされているというのを感じましたし、感謝の言葉もたくさんいただいて、自分自身のやりがいにもつながりました。

――実際にはどんなシーンでのお預かりがありましたか?

新型コロナ対応で平日も夜遅くまで勤務、土日も出勤…という状況の中で、子育てや家事に時間を割くことが難しいご家庭も多く、いろいろなサポートをさせていただきました。

親御さんがどちらも医療従事者というご家庭もありましたし、夜遅くお帰りになる親御さんに替わって、お子さんの入浴のサポートをすることもありました。

親御さん自身が病院で受診するためにお子さんを預かってほしいと依頼をいただいたときは、本当に必要最低限の用事すらままならない状況なんだなと痛感しました。「自分の時間が取れなくて…」と呟かれていたのが心に残っています。

お子さん二人が通っている保育園が登園自粛になってしまい、お母さんがずっと家にいてワンオペ育児をされているというケースもありました。ご依頼は、下の子をお預りする間に、上の子の用事とお母さんの自分の用事を済ませたいというものだったのですが、親御さんがホッとした顔でお帰りになって、お子さんもお母さんと久しぶりにゆっくりできたからか、とてもニコニコしていました。

どのご家庭も大変な状況だったと思うのですが、親御さんからは優しい言葉をたくさんかけていただきました。

――支援を終えて、これからに活かせそうなことはありますか?
急ピッチでスタートした支援プロジェクトでしたし、さまざまなお預かりのケースがあるので、予想外のことにその場で対応していかないといけませんでした。保育スタッフにとっても、バックオフィスのスタッフにとってもすごくチャレンジングなことでした。

改善すべき部分も多々ありましたが、これまでの病児保育サービスでは「できない」と判断していた領域にも挑戦し、これまでの保育経験をもとに自己の裁量で判断をして親御さんに寄り添えたと感じられたことは嬉しかったです。

私たちは保育をする立場なので、お子さんと多くの時間を過ごします。ただ、今回の支援では、保育を通して親御さんを支えられるのだ、ということをより強く感じました。
今後も、お子さんはもちろん、親御さんにも寄り添える保育を提供していきたいと考えています。

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「親子共々、心身ともに救われました」感謝のメッセージ

緊急支援を利用された医療従事者のご家庭からは、たくさんの感謝のメッセージをいただいています。

夫は海外赴任中、私自身はフルタイム勤務で幼児2人のワンオペ育児中です。年末年始の感染者数増加で業務もひっ迫し、土日出勤も続き、心身ともに疲弊していましたが実家の両親には頼みづらく、苦しい状況でした。

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そんな時にシッターさんは子どもと目いっぱい遊んで、何かできることありますか?と気にかけてくださり、我が子に接するまなざしが温かく、親子共々、心身ともに救われました。計4回お願いしましたが、どのサポーターさんも、私もこんな立派に社会貢献できる人間になりたいと思える、素晴らしいお人柄でした。ただただ感謝しかありません。ほんとうにありがとうございました。


非常に助かりました。
親ひとりで子ども3人をみるのはいつもとても大変です。
来ていただいたスタッフの方、皆さん信頼できました。

 

 

新型コロナにより仕事量や残業が増え、ストレスも増えているにも関わらず、子どもを通わせている保育園の利用時間や利用日には自粛が求められている状況です。
もともと幼い子どもを抱えてのフルタイム病棟勤務で余裕が無く、また長引く新型コロナへの対応によって、体力的にも精神的にも疲れ果てていました。

普段はシッターさんを頼むと、まとまった金額が必要ですが、今回、無料保育として頂けたのは有り難かったです。
シッターさんには、臨機応変に色々と機転を利かせて頂き、大変助かりました。
子ども達を安心して任せることができました。


フローレンスが長年取り組んできた訪問型保育のスキル・ノウハウを活かし、少しでも医療従事者の皆さんの支えになれていたのならば幸いです。

また、今回の支援は、寄付を原資に実施させていただきました。こうして緊急支援を無料でお届けできたのは、フローレンスを寄付で支えてくださった皆さんの存在があったからでした。共に最前線を支えてくださった皆さんに、この場を借りて感謝を伝えさせていただきます。本当にありがとうございました。

 

これからも、親子の伴走者として

新規感染者の減少傾向が見られるものの、依然として深刻なコロナ禍は子育て家庭に深い影を落としています。

フローレンスは、これからも親子の伴走者として、子育てを取り巻く社会課題にさまざまな方法で取り組んでまいります

フローレンスの活動は、皆さんからのご寄付によって支えられています。
ぜひ、引き続きのご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。


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