ひとり親家庭の約半数は貧困状態にあり、20代のシングルマザーに限れば約8割にものぼります。非常に厳しい状況にもかかわらず、新型コロナウイルスによる影響で更に状況は深刻になっています。現場で支援を続ける私たちのもとには、収入が減り生活が困窮する家庭の声が日々届いています。
そんな状況を知り自身もひとり親家庭で育った長友佑都選手が、ひとり親家庭を支えるためにクラウドファンディングで資金を集め、2020年4月にプロジェクトをスタート。国内の親子領域の課題解決実績をもつフローレンスが事務局を務め、全国のひとり親支援団体とともに、ひとり親家庭や経済的に困窮する全国の親子のべ27,447名に支援を届けました。(※平成28年度全国ひとり親世帯等調査 母子世帯の平均世帯人員より算出)
発起人・長友佑都選手によるメッセージ
#ひとり親をみんなで支えよう」成果報告
第1弾支援プログラム:食糧支援
子どもの休校で食費などがかさみ、ひとり親世帯の生活がより一層厳しくなっている状況を受けて、ひとり親支援の実績のある「シングルマザーサポート団体 全国協議会」、「NPO法人 全国こども食堂支援センター むすびえ」等とともに全国41団体と連携をして、北海道から沖縄まで、全国各地のひとり親家庭の方へ、「いま」必要な食糧支援を迅速に実施しました。
第2弾支援プログラム:「ひとり親向けライター育成プログラム」を無償提供
ひとり親支援団体の調査によると、コロナ不況の影響で、昨年6月時点でひとり親家庭の約7割が収入減、15%が「収入がゼロになった」と回答しており、依然厳しい状況が続いていました。
現在のひとり親家庭への公的支援は「福祉から就業」という基本コンセプトのもと、様々な給付金、支援策が既に用意されています。
一方で、「育児と仕事を両立したい」「病気を抱えながら自立を目指したい」と言った、実際のニーズとマッチしておらず、利用率は1割以下と高くありません。
ひとり親のニーズに合わせた新しい支援の形として、「ひとり親向けライター育成プログラム」を、日本最大級のクラウドソーシングサービスを運営する株式会社クラウドワークスとともに、56家庭に無償提供しました。
プログラムに参加することで、オンライン・在宅で仕事を受注できるようになるために必要とされる、WEBライターのノウハウ・スキルが身に着き、同じ悩みを持つ方との交流の機会を得ることが出来ます。
第3弾支援プログラム:ひとり親家庭・経済的に困窮している家庭の子どもたちへのサッカーボール提供
サッカーを通じて子どもたちを応援したいとの長友佑都の想いから、日本財団を通じて、様々な困難な状況にある子供たちを支援する居場所「第三の居場所」に通う、ひとり親家庭や経済的に困窮している家庭の子どもたちにサッカーボールをプレゼントしました。
第4弾支援プログラム:「別居中・離婚前のひとり親家庭」への緊急支援・全国調査・提言
様々な取り組みを行なっていく中で、公的な支援からこぼれ落ちているひとり親家庭の存在が浮き彫りになってきました。それが「ノーセーフティネットひとり親家庭」です。「ノーセーフティネットひとり親家庭」とは、別居中・離婚前で子どもと同居している実質的なひとり親家庭を指す造語で、法律上離婚していないので、ひとり親が受けられる支援からこぼれてしまっています。
私たちは別居中・離婚前のひとり親家庭の生活実態・公的な手当・制度等の利用状況を明らかにし、必要な支援策を明らかにするため、今回の「ひとり親をみんなで支えよう」で緊急支援を行った対象者のうち、パートナーと別居中・離婚前でご自身が子どもと同居しており、実質的にひとり親状態にある家庭の全国実態調査を実施。
またすべてのノーセーフティネットひとり親が大きな困難を伴うことなく、あたりまえの権利として児童手当を受け取ることができるよう、国・行政へ制度の運用改善を訴えていくために、当事者の方もお呼びして、記者会見を行いました。
記者会見では「DVで避難中等のノーセーフティネットひとり親家庭」が児童手当を受け取れるようにしていくために、国から自治体への運用改善のための通知発出や、ノーセーフティネットひとり親家庭にならない・させないための周知徹底を提言しました。
結果として、行政が動き、子どもと同居しているノーセーフティネットひとり親が児童手当を受け取れるよう、運用方法が見直され、今年2月末に全国の自治体に通知されるという成果につながりました。
第5弾支援プログラム:社会的包 摂サポートセンターによる過去最大規模の「DV相談員の採用・育成」を支援
新型コロナウイルス感染症の流行下でDV相談件数が過去最多に。DV被害に遭われている方も実質的な”ひとり親”として考え、DVの実態を広く知っていただくために「#DVの10の真実」と銘打った啓発キャンペーンをWebで2020年9月28日より展開。
またDV被害者の支援を行う一般社団法人社会的包摂サポートセンター・全国女性シェルターネットによる過去最大規模の「DV相談員の育成・採用」を支援し、DV相談体制を強化しました。
人材のリクルートと育成に悩んでいたDV被害女性支援の領域に、ITスキルを使った効果的な募集と研修システムを提供できたことで、40人もの新たな人材が相談支援の現場にもたらされました。
「#ひとり親をみんなで支えよう」成果報告スライド(PDF)
新規プログラム:ひとり親家庭にこれからも必要な支援を。実質的なひとり親家庭への無料シッター派遣
ノーセーフティネットひとり親家庭の方々は離婚前後など、保育等の第3者からの支援を多くのシーンで必要としています。そんな困った時にいつでも利用できる無料シッター派遣を準備中です。
アスリート・NPO・企業がチームとなり社会課題解決した先行事例
日本初・国内最大級のクラウドファンディングサービス「READYFOR」を運営するREADYFOR社によると、本プロジェクトの達成額5,000万円は「ひとり親支援活動」「こども・教育活動」において国内クラウドファンディングプロジェクト最高額とのこと(※1)。
また、「社会課題解決のために、アスリート・NPO・企業が連携したプロジェクトチームをつくり、クラウドファンディングを行う先行事例」であり、本プロジェクト実施後から同様の座組の問い合わせが複数あった。
本プロジェクトのクラウドファンディングサポートを担当したREADYFOR社キュレーター部部長の小谷なみ氏によると「17日間のプロジェクト募集期間にてページの訪問者は10万人を超えており、データからも注目度の高さや支援への巻き込みの強さが伺えます。コロナ禍での、アスリートや著名人の方が行う寄付・支援系クラウドファンディングの先駆けとなった事例」とのこと。
(※1 READYFOR調べ、国内で運営している購入型・寄付控除型クラウドファンディングサービスの実績より)
<ひとり親支援プロジェクト「#ひとり親をみんなで支えよう」概要>
ひとり親家庭の約半数は貧困状態にあり、20代のシングルマザーに限れば約8割にものぼります。非常に厳しい状況にもかかわらず、新型コロナウイルスによる影響で更に状況は深刻になっています。現場で支援を続ける私たちのもとには、収入が減り生活が困窮する家庭の声が日々届いています。
そんな状況を知り自身もひとり親家庭で育った長友佑都選手が、ひとり親家庭を支えるためにプロジェクトを立ち上げました。クラウドファンディングで資金を集め、国内の親子領域の課題解決実績をもつ認定NPO法人フローレンスを協働パートナーにひとり親家庭に直接支援を、さらにはひとり親家庭の全国ネットワーク、全国の団体を通じてひとり親家庭や経済的に困窮する家庭を支えます。
<ひとり親支援プロジェクト「#ひとり親をみんなで支えよう」プロジェクトメンバー>
・長友佑都 (34)
愛媛県出身
プロサッカー選手。オリンピック・マルセイユ所属。2013年アジアサッカー連盟から国際最優秀選手賞に選出。日本代表としても活躍し、ワールドカップ3大会連続出場、アジアカップ3大会連続出場などの実績を持つ。自身がひとり親家庭で育った経験から、今回のひとり親支援を目的としたクラウドファンディングの立ち上げに至る。
ひとり親支援プロジェクト「#ひとり親をみんなで支えよう」特設サイトはこちら