地球上で最も輝くといわれ、ダイアモンドの約2.
日本初のモアサナイトジュエリーブランド「Brillar(ブリジャール)」は、社会貢献活動に力を入れており、フローレンスとコラボしたチャリティジュエリーを展開しています。
先日その第二弾として、売上の30%が「こども宅食」事業への支援となる<OHASHI>というチャリティジュエリーが発売されました。
株式会社ブリジャール 代表取締役の小原 亦聡さんと、ブリジャールのジュエリーを愛用し2020年に第一子を出産したタレントの菊地亜美さん、そしてこども宅食応援団/フローレンス代表理事・駒崎弘樹が対談を行いました。
さまざまな親子を取り巻く環境や福祉のこと、子育てにまつわる話について、子を持つ親でありビジネスパーソンでもある3人が語った内容を前後編でお送りします。
駒崎
今日はこんなに素晴らしいご縁をお作りいただき、本当にありがとうございます。今回の対談をきっかけに、厳しい環境にある子どもたちの状況が少しでも多くの方に知っていただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。
菊地・小原:よろしくお願いいたします。
フローレンスを立ち上げてから見えてきた「こどもの貧困」問題
駒崎
菊地さんは初めてお会いしますので、まずはフローレンスの紹介をさせてください。立ち上げたのは17年前、きっかけはベビーシッターをしていた私の母親からある親御さんのエピソードを聞いたことです。
その方は、熱を出した子どもを保育園に預けられず急に会社を休んだそうなのですが、そのことが原因で会社をクビになったというのです。そんなことがあっていいのかなと。子どもが熱を出すのは普通のことで親が休んで看病するのも当たり前のことなのに、それにより職を失う社会なんて嫌だなとずっと心に残っていて…最終的にはITベンチャーの社長を辞めて、フローレンスを立ち上げました。
菊池
すごいですね。たしかに親に言われた印象的なことってけっこう覚えてるものです
駒崎
ありがとうございます。めちゃくちゃいばらの道でしたが…(笑)。それでもなんとか17年間やってきた中で、最近大きな課題として見えてきたのが「子どもの貧困」問題です。日本では見えにくいですが、貧困状態にある子どもや、厳しい状況にある親御さんというのがいらっしゃって、しかもなかなか自分たちから「困ってる」とか「助けてほしい」と言えない状況があるんです。気付かれないから、支援も届いていなかったり…。
そこで2017年から始めたのが「こども宅食」という取り組みです。こちら側からそういった家庭に食品を届けていく。届けていって関係性を構築していく。仲良くなって、困りごとを相談しやすい状況を作る。そういった仕組みです。今は全国で50団体くらいに広がっています。
今回、この対談のきっかけでもある、弊会とのコラボレーションによるブリジャールさんのチャリティジュエリー<OHASHI>は、売上の一部がこの「こども宅食」の支援に充てられます。
ブリジャールさんとのご縁は今回が初めてではないんですよね。
ブリジャールとフローレンスのつながり
小原
はい。フローレンスさんと弊社のご縁は、まだブリジャールが個人事業だった時代の2017年からです。私自身もひとり親家庭で育った経験から、ひとり親支援事業を支援したい想いがずっとあり…。もともと外資系の金融機関に勤めていたのですが、2017年に退職したタイミングで自分の退職金の一部をフローレンスさんに寄付しました。
駒崎
退職金を寄付してくださるという心意気がうれしかったですね。
小原
金融機関を退職後、ブリジャールを立ち上げました。ブランドとしても、ただモアサナイトというエシカルなジュエリーを販売するだけではなく、売上の一部を有意義なところに寄付させていただきたいという思いがあり、継続的に支援をさせていただいておりました。
その中でフローレンスさんとのコラボレーションによるチャリティジュエリーの第一弾<smile>も生まれ、2018〜2019年には通算で158万円をひとり親支援事業に寄付することができました。
こうしてご縁が続き、今回また、ブリジャールの大阪心斎橋ショールームのオープンにあわせて、チャリティジュエリー第2弾<OHASHI>を企画する機会を頂きました。企画段階からデザイン構想も含め、フローレンスのスタッフの皆さんと一緒に作り上げて形にしていき…こうして無事に販売をスタートできてとても嬉しいです!
子を持つ母としても輝く菊地亜美さんとの座談会の実現!
菊池
素敵なご縁ですね。私がブリジャールさんの存在を知ったのは、9ヶ月になる娘を生んでからです。子育てをしていると、アクセサリーを着ける機会が減って、ふと鏡を見た時に「私、テレビに出ている人なのに、家ではこんなにぼさぼさな姿で芸能界に戻れるのか」と思って……。
仕事復帰して、自分にご褒美がほしいなって思ったときにブリジャールさんの存在を知り、娘を連れてショールームに行きました。
小原
予約段階では全然わからなくて、来てみたら菊地亜美さんでスタッフ一同びっくりしました!
菊池
プライベートで行ったので(笑)その時、小原さんにお会いして、娘のことを託児所かのように見ていただいて「ゆっくりジュエリー見てね」と言っていただき、すごく有り難かったです。
小原
その時の菊地亜美さんの、普段テレビで拝見するような大人の女性としての姿とは異なる、娘さんを想うお母様としての姿が印象的で…。SNSもフォローさせていただいているのですが、お子様の離乳食作りも楽しみながら工夫されていますよね。同じ小さいこどもがいる母として、とても参考になりますし、励まされています!
そういったこともあり今回のチャリティの座談会を企画した際にもすぐに菊地さんが思い浮かんで。きっとお忙しいし難しいかな…と思いながらも、ご相談させていただきました!
菊池
今回のお話をいただいたとき、同じように子どもを育てる母親として、「力になりたい!」と心から思ったので、素敵な機会をいただけて本当にうれしいです。
「愛する人と安心して食事ができる権利を」困難の中にいる親子への想い
小原
そう言っていただけてこちらもうれしいです!
実は私も菊地さんと同じく子育て中で、先日卒乳したのですが…授乳をする時やご飯を食べさせてあげる時って、子どもたちととても近い距離にいるんですよね。そういう時間を過ごす中で、子どもたちは愛する人や家族、育ててくれる人に一番近くてあたたかい場所でご飯をお腹いっぱい食べる権利があると改めて思いました。
でもさまざまな理由でそれができない子どもたちもいる…。そういった方々を支援する事業というのは本当に素晴らしいことだと思います。
駒崎
ありがとうございます。コロナ禍からは状況が深刻化していて、昨年は全国から多くの問い合わせがきました。その中には「ひとり親家庭です。子どもが2人います。毎日パン1袋で生きています」というような悲痛な叫びもありました。「本当に日本なのかここは」と思うくらい……。
コロナ禍によって経済が傷めつけられ、その余波が一番弱いところに影響を与えていることに、ものすごくショックを受けました。
小原
今の日本の中で、そのような困難の中にいる子どもたちのことを考えると、心が苦しくなります。
駒崎
おっしゃる通りです。私たちが何気なく思い描く家族や、団らん、子どもたちの姿とこういった現実とのギャップがいつも心をざわつかせます。今回のチャリティジュエリーのようなご支援や、少しでも一緒に子どもたちを助けようと思ってくださる方の存在が、私たちに勇気を与えてくれます。
「助けて」と言えない世の中に待った!周囲のサポートの重要性
小原
私自身、親が再婚するまでひとり親家庭で育ちました。ですが食や生活に困った記憶があまりなくて……。それは近くに親戚が住んでいたことや、母親の同僚の家に預けられたり担任の先生の家でご飯を食べたりと、周りの人に支えられて育ったからだと思います。
菊池
周囲のサポートがあるかないかは大きな違いですよね。私は、子どもを産む直前までは何でも1人でできると思っていました。母は北海道に住んでいてコロナ禍で何か月も来られない状況でしたし、私自身の産休は取れていたので「1人で大丈夫」っていう気持ちで頑張っていました。ですが、実際は本当に大変で……。結局は母や家族に助けてもらったので、先程の「周りの人に支えられて」という言葉の通り、周りに頼ることって本当に大事だと感じました。
小原
大事ですよね。でも今の日本は、周囲との関係が稀薄なところがあるというか、支える・支えられるといった直接的なつながりが持ちにくい時代になってきている気がします…。
菊池
そうですね。実は私のSNSには、シングルマザーや離婚調停中の方、未婚のまま出産する方などから不安を抱えるメッセージがいっぱい来ています。身近な友達に言えない代わりに私に送ってくれているのかなって思っていて……。
小原
サポートを必要としていても声を挙げられない方たちから、菊地さんにメッセージが来るのですね!
菊池
はい。たぶん言えないのだろうなと思います…。周りのサポートの必要性は子育てをしている中で強く感じるのでSNSを使って伝えていますが、「それができないんだよ」って思ってる方もきっといらっしゃるので、力になりたいなと思っています。
友達や身内など、近くの人にはなかなか言えないことをフローレンスさんのような支援団体などに相談することができたらすごくいいですよね!
小原
そうですね。サポートを必要とする方を社会全体として支えていけるといいですよね。
ここまでお読みいただきありがとうございました!対談の後編はこちら!
ブリジャール『OHASHI』
ブリジャールとフローレンスがコラボした、チャリティージュエリー第二弾。売上の30%は、経済的な困窮やさまざまな困難を抱える家庭を支援するこども宅食事業に寄付されます。
チャリティジュエリーライン<OHASHI>のデザインコンセプトは、生きる源となる”ご飯”。ご飯を表したセンターストーンを、お箸に見立てた2本のアーチが包み込みます。華奢なアーチに対して、ベゼルセッティングで少し大きく見えるようにセンターストーンをセレクトしました。
「子ども達が愛する人と食卓を囲み、お腹いっぱい食べて心と体を育んでいけるように」という願いが込められています。
また、アーチとセンターストーンがひとつにつながる曲線のデザインには、「支援を必要とする人と「こども宅食」という食を通じてつながり、親子のつらいを見逃さない社会作りをしたい」という想いが表現されています。
菊地 亜美さん プロフィール
1990年9月5日北海道生まれ。
2006年、レプロガールズオーディションにエントリーし、
最終審査で落選するも審査員に声をかけられ所属が決定。
その後、アイドリング!!!16号として活躍し、2014年に同グループを卒業。
2018年に一般男性と結婚し、2020年8月に第一子となる女の子を出産。
バラエティタレントとして活躍する傍ら、InstagramやYouTubeで日々育児に奮闘する生活や手作り離乳食を紹介し子育てママに好評を博している。
小原 亦聡さん プロフィール
2007年に京都大学経済学部卒業、2009年に京都大学経営管理大学院にて経営学修士(MBA)を取得後、モルガン・スタンレー証券株式会社に入社。上場会社、未上場会社等の法人営業に従事。
その後、2014年にメリルリンチ日本証券に移籍し、債券部にてヴァイスプレジデントに昇格。2017年1月、在職中にモアサナイトジュエリーブランドブリジャール(ブリジャール)を立ち上げ、同年12月に株式会社ブリジャールを設立し、代表取締役社長に就任。私生活では二児の母。