Florence News

緊急事態宣言があけてもなお、困窮するひとり親家庭に支援を

緊急事態宣言があけてもなお、困窮するひとり親家庭に支援を

#ソーシャルアクション #寄付

2021年10月現在、全国的に新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向にあり、9月末にようやく緊急事態宣言が解除されました。政府が解除を発表した日には、旅行会社に申し込みが殺到したといいます。

商店や娯楽施設に人が戻り、街にも活気が戻りつつあります。久しぶりに、遠方の家族や親しい友人に会える喜びに浸っている人も多いことでしょう。

その一方で、約2年におよぶコロナ不況の中、失業や勤め先の経営状況の悪化による収入減で経済的に厳しい状況に置かれる人たちがいます。飲食店の営業自粛や、店舗の時短営業といった経済の停滞のあおりを真っ先に受けたのが、非正規雇用者でした。

総務省が毎月発表している労働力調査(*1)によると、2021年8月の女性の非正規雇用者数は、コロナ禍前の2019年8月と比較して78万人減となっています。多くの非正規雇用者がいまだ職を失ったままの状況にあることが伺えます。

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(*1)「労働力調査」(総務省統局)(https://www.stat.go.jp/data/roudou/index.html)

コロナ禍でいっそう追いつめられた「ひとり親家庭」

新型コロナウイルス感染拡大前より、子どもの7人に1人が相対的貧困の状況に置かれ、ひとり親家庭の相対的貧困率は5割近くにのぼっていました(*2)

(*2)厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」より

厚生労働省の『平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告』によれば、シングルマザーの平均年収は243万円。雇用形態では、非正規雇用者が43.8%を占めています。

つまり、長引くコロナ禍でひとり親家庭は、かつてないほど厳しい現状におかれている可能性があります

フローレンスの13年におよぶひとり親家庭支援

「子どもが病気の時に看病して仕事を休んだら、クビになった」

フローレンスは、ひとりで子どもを育てる母親の、このひと言がきっかけで設立された団体です。2005年に、日本初の訪問型病児保育事業「フローレンスの病児保育」を開始。

2008年には、「料金が高くて、預けたくても預けられない」というひとり親家庭の親御さんの声を聞いて、皆さんからいただく寄付を原資に、ひとり親家庭に病児保育を低価格で提供する「寄付によるひとり親支援プラン」をスタートしました。

ひとり親家庭にとって、欠勤は家計への影響が少なくありません。子どもの急な発熱や体調不良時に、自宅に専門の病児保育スタッフがかけつけることで、安心して仕事を継続できる命綱となります。13年間でこれまでにのべ1,370名の子ども達に訪問型病児保育を届けてきました

コロナ禍においては、多くの寄付者の皆さんからご支援をいただき、2020年4月に「新型コロナこども緊急支援プロジェクト」をスタート。緊急支援として、他団体とも連携しながらひとり親家庭に日用品や食料品の提供や相談支援等さまざまな支援を実施し、2021年3月までにのべ 11,100 世帯以上のひとり親家庭へサポートを届けることができました

支援を受け取ったひとり親家庭の親御さんからは

「このような状況のなかでも、自分たちひとり親家庭を気にかけてくれる人がいることが、とても励みになりました」

といったメッセージをいただいています。

長引くコロナ不況で、今なお経済的にも精神的にも追いつめられているひとり親家庭に、セーフティネットの役割を担うこともあります。病児保育はお子さんが日常の生活を送るご自宅での保育が大きな特徴です。保育スタッフからは子育てや親子関係に悩みを持つご家庭の様子も報告されます。

2021年の夏には、病児保育を利用するひとり親家庭の親御さんがフローレンス以外の子育て支援についてお住まいの自治体に相談、自治体・フローレンス間でご自宅の環境や保育中の様子を共有する連携を行ったことで、その後の自治体によるひとり親のよりよい支援体制が整ったケースもありました。

こうした事例は、フローレンスが保育・福祉分野における総合事業者であり、社内に看護師、ソーシャルワーカー、社会福祉士など専門のスタッフが常駐しているために実施できる支援です。

また、フローレンス一団体だけではなく、認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむや全国のこども宅食支援事業者など、他団体とも連携して、全国のひとり親家庭への支援活動を続けています

誰も取り残されることのない社会を目指して

フローレンスは、「みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」の実現を目指し、子どもの貧困、子どもの虐待、親子の孤立などの社会課題解決に取り組む団体です。

withコロナの時代を迎え、雇用も経済も回復傾向にありますが、明るいニュースの一方でいまだ辛い環境にいる人もいます。

誰も取り残されることのない社会、誰もがあたりまえに生き生きと過ごせる社会を目指して、これからも親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決していきます。

引き続きフローレンスの活動への応援をよろしくお願いします。

 


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