感情労働とも言われることがある保育のお仕事。
保育中にモヤッとしたできごとがあっても、その場では誰にも伝えず、ぐっと堪えるしかない場面も少なからずあるのではないでしょうか。
今回の保育塾では、【保育中の自分の感情とどう向き合う?~保育現場あるあるの中から“自分あるある”を見つけてみよう!~】をテーマに開催しました!講師には、障害児保育アニー事業部 育成担当である森永を迎えました。
そして、保育現場ならではの「悩み」や「あるある」をシェアし合うことを通じて、上手く自分の感情を把握しコントロールしていくにはどうしたらよいか一緒に考えていきました。
保育塾とは、フローレンスの全ての現場スタッフに向けた自主参加型の研修です。
現場スタッフの「知りたい!」「学びたい!」に応えられるように、毎回異なるテーマで研修を行っています。
自分の感情を知ることが感情コントロールの第一歩
人は感情に突き動かされて行動しやすいと言われています。
そのため、隠しているつもりでも、気持ちが態度に表れてしまうことも。結果として、そのつもりはなくても子どもの権利を傷つけてしまう恐れがある、と森永さんは指摘します。
では、感情をコントロールするにはどうすればよいのでしょうか。
まずは、講義前半で3つのグループワークを行い、保育現場ならではの「悩み」や「あるある」のシェアを行いました。
①こんな保育士は嫌だ!
②なぜ嫌だと思うのでしょうか?
あなたの経験の中に理由があるはず。その時の感情も話してみよう。
③「こんな保育士は嫌だ!」と思うのは、あなたの保育のこだわりがあるのでは。
保育観・価値観を話してみよう!
実は、これらのワークを行ったのは、保育現場ならではの「悩み」や「あるある」のシェアだけでなく、参加者皆さんに、クマヒラセキュリティ財団 代表理事 熊平 美香さんが提唱する「認知の4点セット」を知っていただくためでもありました。
認知の4点セットは、「意見」「経験」「感情」「価値観」のことで、自己の思考、感情、価値観を客観的にとらえるフレームワークです。リフレクションが大切といってもなかなか難しいこともありますが、このフレームワークを使うと自分で気づくことが容易になります。
引用:限界なき「学習」とは何か? ~学習する組織と、しない組織 実践からみえるもの~
https://www.jial.or.jp/info/%E9%99%90%E7%95%8C%E3%81%AA%E3%81%8D%E3%80%8C%E5%AD%A6%E7%BF%92%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%8B%EF%BC%9F-%EF%BD%9E%E5%AD%A6%E7%BF%92%E3%81%99%E3%82%8B%E7%B5%84%E7%B9%94%E3%81%A8%E3%80%81/
この4点セットの枠組みを知っておくことは、自分の意見の中にある感情に気づくことができ、自分を見つめ直す際に役立ちます。
大人になると、たくさんの人との出会い・たくさんの経験から、さまざまな考えに触れるようになり、いくつも視点を変えながら物事を考えることができるようにもなっていきます。
一方で自分の感情や価値観が置き去りになりがちです。
『感情に蓋をしたり、無いものとしたりするのは、自分を認めていない、または、自分が無いものとして存在することになってしまう』と森永さんはいいます。
自分の感情に蓋をすることは、もやもや・イライラとした感情に繋がってしまうため、まずは自分が今どんな感情なのか客観的に気付くことが大切なのですね。
感情は支配される/支配するものではなく、うまくつきあっていくもの
例えば、怒りのコントロール方法として、”6秒数えると良い”とありますが、それは、怒りを感じた時に6秒という短い時間を数えられないほど感情が瞬時に湧き出ているということです。
つまり、感情は瞬発的なものということです。
だからこそ、感情をコントロールすることはとても難しいといえます。
しかし、森永さんはそもそも、『感情を表に出すことは良くないことと思って、感情に蓋をして気持ちを押し殺してしまう事が多いけれど、感情は、コントロールするというより上手くつきあうもの』とお話されています。
感情のコントロールというと、ネガティブな気持ちをなんとかしてポジティブに変えたり、抑え込んだりすることというイメージで考えていたため、感情を自分で認めてあげる・その上で適切に吐き出すというポイントはとても印象的でした。
最後に、一緒に働く仲間の存在についてもお話がありました。
感情に支配される前に、一緒に働く仲間や、身近な誰かに話すことで感情を吐き出すことも一つの方法ですよね。
参加後のアンケートでも、参加者の方から、『講義に加え、他の現場のコミニュケーションの様子や違う職種の方の目線からのお話が聞けて、それぞれの思いを共感し合える場が持ててとても嬉しかったです』という声もいただきました。
まとめ
アンケートではその他にも、『自分の感情って意外とよくわかっていないのかも』という気づきや『自分の感情を置き去りにせずに認めててあげることを続けたい。また、相手の感情も聞いて、そんなあなたを認めるという気持ちを大切にしたいと思った』という学びを得たという声もいただきました。
保育塾は、次回以降も、保育のスキルアップに繋がる研修を展開していきたいと思います!
保育塾で学ぶことが出来るのはフローレンスのスタッフだけ!
フローレンスでは現在、訪問保育スタッフとして活躍していただける仲間を募集しています。興味がある方は障害児訪問保育アニー採用ページをぜひご覧ください!