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立ち止まって考えよう!~心と身体を大切にする性教育~【6月保育塾】

立ち止まって考えよう!~心と身体を大切にする性教育~【6月保育塾】

#みらいの保育園 #研修 #ソーシャルアクション

保育現場や子育ての場面において、性に向き合う瞬間は必ずあると思います。

例えば、直接体に触れる瞬間(おむつ替え・トイレ・着替え・入浴など)や性に関する言葉を扱う時など。そういった場面で、対応に困ることやどう対応すべきかに悩むことがあるのではないでしょうか?

6月保育塾では、心と体に深く結び付きがある「性教育」について、参加者とともに考え学びました。

サポーターには、長年保育現場に従事し、現在はみんなのみらいをつくる保育園東雲で園長をしている成川宏子先生(なり先生)を迎えました。

保育塾とは、フローレンスの全スタッフに向けた自主参加型の研修です。毎回異なるテーマをもとにサポーターをお呼びし、アクティブラーニングを通じて学びを深めています。
今年度の保育塾は「子どもにとってより良い環境を考える姿勢をもちながら、日々の業務に取り組むきっかけとなる場」をデザインしています。

現在の日本の性教育や性にまつわる問題

現在の日本の性教育や性にまつわる問題は、複雑かつ多様と言われています。

例えば、未成年に「体を売ることはダメ」と言っていても、買う大人がいたり、相手がいる行為には「同意」が必要であるにも関わらず、「同意」を得ずに行為に及んでしまうといったケースもあり、その結果、1日に10代の女の子の約30人が中絶(※厚生労働省によると令和2年度の20歳未満の人工妊娠中絶数は合計110,58件)を選択しています。

※参照元:厚生労働省令和2年度の人工妊娠中絶数の状況について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18838.html

それだけに限らず、女性のからだで生じる月経は、秘密や恥ではないことですが、未だに男女別で説明が行われていたりしますし、スマートフォンさえあれば中高生や小学生または保育園児など、どの年代であったとしてもアダルトビデオを見ることが出来てしまいます。

こうした問題を解決するために「命を大切にしよう」「自分を大切にしよう」とスローガンを掲げたとしても、なかなか子どもには響かなかったり、意図的ではなくとも脅しや説教に近しい伝え方になってしまうことや、なんとなく曖昧に伝えてしまうといったこともあるのではないでしょうか。

それ以外にも、性教育を早く具体的に伝えようとすると、「寝た子を起こす」(子どもが性に興味を持つことになり悪影響だ)と考える人もいたりします。

では、私たちが性教育を考えていく上で最も大切にしたいことは一体何でしょうか。

自分の体は自分だけのもの


サポーターのなり先生は「『自分の体は自分だけのものでとっても大事なんだよ』と子どもたちが知ること」であると言っています。

但し、これは子どもにだけ当てはまることではなく、この記事を読むすべての方にとっても当てはまることです。誰かにとって大切なものなのではなく、1人ひとりにとって自分の体は自分だけのものなのです。

特に、プライベートゾーン(水着で隠れる場所)+口は、自分だけの重要な部位です。

自分が嫌なことは嫌だと言っていいし、もし嫌なことをされそうになったら逃げてもいい。または、信じられる大人に話すなど我慢する必要はないし、我慢させる必要もありません。

時に、こういった場面に遭遇するとします。

友達に急にハグをされたり、おばあちゃんにキスしてと言われたりなど。

友達だから、家族だからと我慢したり、言えなかったりするかもしれませんが、友達だから言わないほうがいい、家族だから受け入れたほうがいいのではなく、何度も同じことを繰り返して言いますが、嫌だと感じたときは、逃げていいし嫌と言っていいのです。

それが、自分の体を大事にするということであり、そこから人権を尊重することにも繋がるのです。

 

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全ては人権がベース


フローレンスが運営する保育園では、「私たち保育園は、みんなの未来をつくることに自ら参加し、貢献し、そして楽しむ心を育みます。」という保育理念を実現するための保育を「シチズンシップ保育」として、日々実践しています。

4月保育塾で取り上げたテーマであるシチズンシップですが、そもそもシチズンシップとは、直訳すると、「市民性」を意味し、「一人ひとりが社会の一員として、よりよい社会の実現のために、積極的に多様な人々と協働して課題解決する資質、能力」のことを指します。

具体的には、なにか問題があったときに誰かが解決してくれるのを待つのでなく「自分になにができるか?」を自発的に考え、積極的に関わる姿勢であったり、文化の違いや生活環境の違い、障害の有無などさまざまな多様性を受け止めて、他者と関わることができる姿勢であったりします。

貧困や環境問題、ジェンダーや福祉などさまざまな社会問題が溢れている社会で生きていくためには、シチズンシップはこれからより重要となる資質です。

こうした社会で生きていくために、フローレンスが運営する保育園では、「共感性」「内発性」「創造性」を伸ばしていくことを保育目標として掲げています。

 

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「共感性」「内発性」「創造性」を伸ばしていくには、自分の気持ちや相手の気持ちを知り大切にすることや、やってみたいと感じたこと、思ったことに挑戦し取り組もうとすること、違うと思ったら意見しみんなで考えていくことこそが大切であると思います。

こういったシチズンシップの一つである、「自分の気持ちを大切にし、他者の気持ちも大切にする」ことが実践できていればできれば、性教育への理解も自然と深まります。

さらに「自分と他者を大切にする」ということは、基本的な人権にも通ずる部分が大きいと言えるでしょう。

「赤ちゃんはどこから生まれるの?」と聞かれたら


今回の保育塾では、「『赤ちゃんはどこから生まれるの?』と聞かれたらどうしてる?または、どうする?」というテーマについてグループワーク を行いました。

保育塾では、グループディスカッションを通じてさまざまな意見交換をしています。

保育現場や事務局に限らずフローレンスの全スタッフが参加可能なため、事業部の垣根を超え学びを得られるのは保育塾ならではの魅力です。

とあるスタッフからは「実際に聞かれたら、どう言っていいか分からない。」といった声や、「ん〜、どこからだろうねぇ?」と言葉にしづらくて何となく濁してしまうといったような声もありました。

なり先生は、「その答えが嘘じゃなければいい。」と言い、「説明方法がそれぞれ違ってもよくて、むしろ違って当たり前。大切なことだからお家に帰ってお父さんやお母さんに聞いてね、と言ってみたり、難しいから園長先生に聞いてみて!と言ってもいい」と話してくれました。

また、「もし、伝え方や言い方に困った際には絵本や本を使って説明するのも1つ。」と嘘をついてごまかしたり、質問を否定しようとするのではなく、一緒に学ぶ姿勢をもつことが性教育につながるといいます。

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終わりに


「性教育」という言葉を耳にすると、「口に出していいものなのだろうか。」と感じたり、「よく分からないし、どう説明したらいいのか分からない。」とも感じるかもしれません。

しかし、性に関する適切な知識や考えがないために、加害者になってしまうことや誰かを傷つけてしまったり、予期せぬ出来事に巻き込まれてしまう可能性はあります。

ただ、他人を傷つけるだけではなく、自分自身を傷つけてしまうことだってあるかもしれません。

だからこそ、自分で選択する力、自分や周りの人を健康で幸せにする力をつける包括的な性教育が必要なのです。

そのためには、「率直に意見を言える場所があったり、学び直す機会があることが重要なのではないかと思います。」となり先生は言います。

みんなで話し合い、みんなで助け合っていくそんな社会になるといいなと思います。

保育塾で学びたい、保育塾に参加したい方はぜひフローレンスへ!ともに考え、ともに学び、社会をよりよくしていく仲間を心からお待ちしています!!


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