クラウドを中心に、これからの未来に必要不可欠な技術開発を推進されている日本オラクル株式会社。
世界的IT企業として、社会をより良い方向に進めるためのソーシャルインパクト活動で、教育の推進の支援、環境の保護、コミュニティ・ライフの向上などを軸に、さまざまな社会貢献活動に取り組んでいます。
そんな日本オラクルから、フローレンスは2016年から継続して寄付をいただき、今年で7年目となります。
フローレンス事業のオンライン見学会を実施!
日本オラクルは寄付でのサポートに加え、同社ボランティアグループによるボランティア活動など、様々な形でフローレンスの活動を支えてくださっています。
そんな日本オラクルと2022年の2月、フローレンスの『障害児かぞく「はたらく」プロジェクト』(以下、はたプロ)参加者家庭の見学をオンラインで行いました!
かねてよりフローレンスとパートナーシップを組んでご支援をいただいている日本オラクルの皆様にも、医療的ケア児家庭の状況を具体的にイメージいただきたいと考え、今回初めて、「重度医ケア児訪問保育エレノア」の看護師が、はたプロ参加者のお子さんを保育している様子をオンラインにて見学いただきました。
看護師による保育や医療的ケアの様子の見学に加え、医療的ケアに欠かせない様々な機器のご紹介も行い、リアルな医療的ケア児の育児・生活について、当事者であるはたプロ参加者から直接お話をさせていただきました。
医療的ケア児・障害児を育てている家庭に対して、【子どものケアや保育は親が行うべき】【親は就労をあきらめなければならない】という社会の風潮が根強くあります。そんな現状を打破すべく、我々はパートナーである日本オラクルと共に、引き続きこの課題に取り組んで参ります。
オラクルさんからのコメントを紹介
オラクルでは、多様な人材がその人らしく働ける社会がイノベーションを生み出し、継続して成長していけると信じています。また社内には障害のある人やその家族を含め、誰もが安心して働ける職場をつくるための社員コミュニティOracle Diverse Ability Network (ODAN)があり、ケアギバーについても理解を深める活動をしています。
今回フローレンスさんにこの機会をいただいたことで、障害児を抱える家族の生活をリアルに感じることができました。子どもが障害を持って生まれたとしても働き続ける社会、親も子どもも笑って過ごせる社会をともに目指していきたいと願っています。
フローレンスの障害児支援事業について
フローレンスは障害の有無に関わらず、すべての子どもが保育を受けられる社会を目指して2014年に日本で初めて障害児を専門的に長時間お預かりする「障害児保育園ヘレン」を立ち上げ、2015年に保育スタッフがご家庭に訪問してお子さんを預かる「障害児訪問保育アニー」をサービスインしました。
2019年からは障害児家庭を看護師が訪問してサポートする「医療的ケアシッター ナンシー」、2021年4月には障害の有無にかかわらず子どもたちが遊べる地域交流の場「インクルーシブひろば ベル」をスタート。
同年9月には障害児の出産を機に離職した親御さんが 「もう一度はたらく」ことをサポートする『障害児かぞく「はたらく」プロジェクト』、「重度医ケア児訪問保育エレノア」と、障害児家庭の声を聞きながら多様な支援モデルを広げてきました。
フローレンスは、このような多様な障害児家庭支援事業を行う中で得た知見や家庭の声をもとに政策提言も行い、医療的ケア児家庭を取り巻く環境の改善にも取り組んでいます。関連団体とともに行ってきた政策提言活動が2021年9月に施行された医療的ケア児支援法の実現にもつながりました。
新法成立も、課題は山積み
法の施行から1年がたち、日本各地で医療的ケア児支援センターの成立が進むなど支援の輪が広がりつつあります。
医療的ケア児の認可保育園や学校での受け入れも徐々に進んでいる一方で、中には預け先が見つからないケースや必要な医療的ケアによっては通学が難しいケースも。保育園や学校で受け入れようとしても、小児の経験を有する看護師が見つからず受け入れに苦戦する場合もあります。
フローレンスではこういった課題に対して、医療的ケアシッター ナンシーで通学支援や保育園への通園支援に取り組むなど、試行錯誤しています。
通学支援では、横浜市と協働し特別支援学校に通うお子さんを対象に、市が学校への送迎用の車と運転手を手配し、ナンシーの看護師がお子さんと車に一緒に乗って送迎時のケアを行う「通学支援モデル事業」をスタートしました。しかし、全国的に見るとまだまだこういった取り組みは珍しい状況です。
協力体制の継続を
医療的ケア児の問題を含めて1つでも多くの社会課題を解決していくためにも日本オラクルのような企業とNPOが一緒に社会課題を解決する取り組みが大切です。
フローレンスだけでできる活動には限りがありますが、今回行ったボランティアのように企業の方々と共に行うアクションや、企業の持つ強みや販路を活かした施策など、寄付をはじめとした多様な社会貢献活動でサポートしていただくことで、一団体だけではリーチできない課題へ取り組むことが可能となります。
課題解決に向けて共に取り組んでいくためのきっかけや選択肢を、これからも様々な形で作っていきたいと思っています。
フローレンスはこれからも、寄付を通じて共に親子領域のあたらしいあたりまえを作ってくださる皆さんと共に、親子の笑顔をさまたげる社会課題を解決し、新たなセーフティーネットを全国に広げていきます。