今日、5月14日は母の日です。
母の日が近くなると、「お母さん、いつもありがとう」のメッセージや、カーネーションの装飾が目につくようになりますね。
そんな日本の「お母さん」は、本当に「いつも」がんばっています。
共働き世帯が増え、世の中でこれだけ男女平等が叫ばれている今も、状況は私たちの親世代の頃からあまり変わっていません。問題の根底には、日本の男性の長時間労働問題などもあり、働き方の改革が急務です。
日本のひとり親世帯のワーキングプア状態が課題に
では、この大変な家事や育児をたったひとりで担いながら、家計も支えているひとり親(シングルマザー)家庭の生活はどのようなものなのでしょうか?
実は、日本のひとり親家庭の相対的貧困率は約50%。相対的貧困率というのは、「その国や地域の水準の中で比較して、特に貧しい状態のこと」です。
傍目には困っていると分かりづらいのが特徴で、「見えない貧困」ともいわれ、実は食べるものに困っていたり、自分のための服が買えなかったり、子どものやりたいことを叶えてあげられなかったりします。
なかでも母子家庭は就業率が86.3%と非常に高い水準にありながら、非正規雇用者が多いのが特徴で、労働時間が長いにもかかわらず、平均年間就労収入は236万円と、経済的に非常に厳しい状況に置かれています。
(出典:厚生労働省「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要」)
フローレンスの15年におよぶひとり親家庭支援
「子どもが病気の時に看病して仕事を休んだら、クビになった」
フローレンスは、双子の子どもを育てる母親の、このひと言がきっかけで設立された団体です。2005年に、日本初の共済型・訪問型病児保育事業「フローレンスの病児保育」を開始しました。
2008年には、「料金が高くて、預けたくても預けられない」というひとり親家庭の親御さんの声に応え、皆さんからいただく寄付を原資に、ひとり親家庭に病児保育を低価格で提供する「寄付によるひとり親支援プラン」をスタートしました。
ひとり親家庭にとって、欠勤は家計への影響が少なくありません。子どもの急な発熱や体調不良時に、自宅に専門の病児保育スタッフがかけつけることで、安心して仕事を継続できる命綱となります。15年間で1500名以上のひとり親家庭のお子さんに訪問型病児保育を届けてきました。
仕事を休みがちでしたが、この制度を利用することによって、安心して周りの人と同じように普通に働ける環境を与えていただけることに感謝の気持ちでいっぱいです。前職では子どもの体調不良による欠勤が目立ち戦力外となり退職に至りました。現在の職場は、そのようなことはありませんが、やはり、働く上でのチームの中で、そういったことを防げること、そして皆と同じように働けることの嬉しさは何にも替えられません。頑張ります。
(寄付によるひとり親支援プラン利用者の声)
経済的に困窮し孤立するひとり親家庭に支援とつながりを届ける
現代は核家族化が進み、近くに頼れる親戚がいないことが多く、地域のつながりも希薄になっていることから、孤立する家庭も少なくありません。コロナ禍には、いっそう追いつめられたひとり親家庭も少なくなく、フローレンスにも「あす食べるものがない」といったSOSが届きました。
フローレンスは、2020年にコロナ禍の緊急支援として食品や日用品などの物資を届けています。2022年には、DV等の理由により別居中で法的な離婚が成立していないために、ひとり親家庭が受けられるはずの公的な支援が届きにくい家庭に10kgのお米の配送、デジタルによる情報提供などを通じた支援を行いました。
支援を届けたご家庭からは、この活動をともに支えてくれている寄付者の皆さんへの感謝の声がたくさん届いています。
お米を買うのも困っていましたので、とても助かりました。顔も知らない私たち親子に、こんなにも親切にしてくださる方がいるという事を知って勇気をもらいました。
頑張ったごほうびみたいで、ほっとして涙も出てしまいました。こどもに食べさせることを先にしてるので、わたしはもやしが主食でしたが、こどもと、わたしもお米たくさん食べます。ありがとうございました。お米と、そしてみなさんの気持ちも一緒にいただきます!
母の日は、シングルマザーに寄付でエールを
昨年から続く物価の高騰で、経済的に困窮するひとり親家庭の厳しい状況は一層深刻になっています。新型コロナウイルス感染症が5類感染症に位置づけられ、街には笑顔が増えました。その一方で、いまだ辛い環境にいる人が大勢います。
今年の母の日は、誰よりもがんばっている日本のひとり親家庭のお母さんに、寄付でエールを送りませんか?
すべての親子を置き去りにしない、フローレンスの活動にあなたの力を貸してください。