こんにちは。フローレンス赤ちゃん縁組事業部スタッフの小林です。
私たち、フローレンスの赤ちゃん縁組事業部では、予期せぬ妊娠に悩み孤立する女性に「にんしん相談」で寄り添い、赤ちゃんの遺棄・虐待を防ぐ支援を行っています。
また、生みの親が育てることのできない赤ちゃんがあたたかい家庭で育まれるよう、子どもがほしい育ての親に託す「赤ちゃん縁組」事業も運営しています。
このように、特別養子縁組を仲介する事業を行う、東京都から認可を受けた「養子縁組あっせん団体」です。
今日は、養子縁組を考えている皆さんにとって長いお付き合いとなるであろう、「養子縁組あっせん団体」についてお話しします。
養子縁組あっせん団体って?
2018年4月から施行された特別養子縁組あっせん法に基づき、民間の特別養子縁組あっせん団体は許認可制となり、許可を受けていない事業者は特別養子縁組のマッチングに関わることはできなくなりました。
その認可を受けているのは全国に24団体あり、フローレンスもそのうちの一つです。(詳しくはこちら)
養子縁組を考えだしたときから、家族にとって長い付き合いとなるあっせん団体。その選び方のポイントはどこにあるのでしょうか?
選び方① 育ての親へサポート体制がしっかりしているか
特別養子縁組は、子どもが委託されて終わりではありません。
委託されたあと、長い長い子育てが始まります。
その中では、家庭裁判所などの司法機関とのやり取りや、子育てのステップごとの悩み事も出てきます。
そんなタイミングごとに、子育てを開始した育ての親に寄り添ったサポートをしてもらえるかというのは、重要なポイントになりますよね。
気軽に相談できる・応えてくれる相談員がいるということは、その後の長い子育てに伴走者がいるということになります。
フローレンスでは、委託した後も引き続き個別の相談に対応しています。
「行政への手続きはどういった手続きをすればいいの?」という専門的なことや、「真実告知(子どもの出自に関して伝えること)」についての相談、「赤ちゃんが泣き止まないんだけどどうしよう?」という日常的な子育ての悩みにも寄り添います。
また、定期的にオンラインサロンや親子交流会など、情報交換の場を開催したりと多彩な支援メニューを設けています。
子どもを迎え入れた後、あっせん機関との関係がどのようになるのか。各団体のサポート体制について、しっかりと調べてみてください。
選び方② 産みの親への支援を丁寧にしているか
私たちのにんしん相談窓口には、予期せぬ妊娠に狼狽し、未受診のまま時間が経ってしまった、という妊娠中期以降の方からの相談が多く寄せられます。
なかでも「お金がないから(受診に)行けなかった」という理由が一番多く聞かれます。
フローレンスは、昨年より、経済的に困難を抱えており、一度も病院で診察を受けたことがない妊娠中・後期の方を対象に、受診料一回分を支援する取り組みを行っています。
また、今年6月からは、「フローレンスの無料産院」事業として、健診から分娩まで自己負担なく安心して出産できる支援もスタートしました。
フローレンスの相談窓口に繋がることにより、産みの親は医療に、そして保健センター/地元の行政につながり、福祉サービスや公的支援を受けられるようになります。
そうした支援と支援の網の目をつなぐことや、産みの親が抱える問題を整理し、一緒に解決に向けて考えるといったことを私たちは日々行っています。
そうした過程で産みの親が自分自身に改めて向き合い、産後の生き方、子どもとの人生について熟慮することができます。
養子縁組をする/しないについても納得する形で後悔のない自己決定を下すことが可能になります。
産みの親への丁寧な支援は、結果的には育ての親への支援に繋がるのです。
フローレンスでは、「にんしん相談」事業や「無料産院」事業を通じ、特別養子縁組ありきではなく、産みの親と、何より赤ちゃんにとって一番良い方法を一緒に考えています。
選び方③ 育ての親へ充実した研修を行っているか
民間あっせん団体から子どもの委託をうけるためには、厚生労働省が定めた以下の8つの科目について研修を修了することが義務付けられています。
この研修を修了された方のみが、待機登録ができるようになります。
児童福祉論、養護原理、養育論、発達心理学、小児医学、養育技術、養育演習、養育実習
科目は法的に決まっていますが、研修メニューは団体ごとのカラーが出ると思いますので、研修内容から各団体を比較検討してみるのもいいかもしれません。
フローレンスは、保育園運営も行っています。子育て支援の専門性を生かし、何百人もの子どもを育んできたベテラン保育スタッフ・看護師による乳幼児の子育て研修や、実際の保育園での実習など、実践的な研修を通じたサポートが充実しています。
保育園での実習はご夫婦で朝から夕方まで1日保育園で保育に入ってもらいます。
養育実習ではミルクの調合の実習だけでなく、赤ちゃんを迎えた時の1日のタイムラインを考えたり、SNSとの付き合い方についての講義もあったり内容は実に多彩です。
また、児童相談所でも養子縁組里親の研修を行っていますので、お住いの地域で受けてみるのもいいかもしれませんね。
フローレンスでは、動画視聴による基礎研修や次のステップのオンライン生配信による研修を実施。
遠方の方でも特別養子縁組について学びやすいような環境に取り組みを行っています。
お住まいの場所に関わらずご自宅で受けられるようにしていますので、ぜひ検討ください。
自分たちに合った団体を見つけよう
冒頭にもお伝えしましたが、特別養子縁組をあっせんしている民間団体は全国に24あります。
それぞれの団体が、この「特別養子縁組」において大切にしている想いがあります。どの団体がご夫婦の考え方や想いと合うのかは、それぞれ違うはず。
フローレンスの研修内でも、「複数の団体と比べてみて、ぜひ自分たちと合う団体を選んでください」とお伝えしています。
上記のポイントを参考に、ぜひ「ここでだったら、長いお付き合いを気持ちよくできそうだ」という団体を選んでみてください。
▼フローレンスの特別養子縁組の支援について