こんにちは!フローレンス事務局新卒スタッフの田貝です。
フローレンスでは、こどもたち一人一人の気持ちや意見を大切にし、「やってみたい!」という思いを応援する「シチズンシップ保育」という保育を行っています。
その活動の一つが、こどもたちが輪になって、自分の思ったことを話す「サークルタイム」。フローレンスの「みんなのみらいをつくる保育園」は「みんなの未来をつくることに自ら参加し、貢献し、そして楽しむ心を育む」ことを理念に掲げ、「シチズンシップ保育」を実践する中で、開園当初からその時間をとても大切にしています。
「小さなこどもがちゃんと話し合いってできるのかな……?」「そもそも、どんな話をするんだろう……?」
そんな疑問を解消させるため、実際にサークルタイムを見学してきました!
「サークルタイム」を見学!
今日訪ねたのは、「みんなのみらいを作る保育園東雲」の「つくる組」(3~5歳児クラス)です。
保育室に入ってすぐにあるのは今日の気持ちを伝える「感情カード」。「自分は今こういう気持ちなんだ」と表現することも、シチズンシップ保育の取り組みの一つです。
キャプション:今日の気持ちを選ぶ感情カード
さっそくサークルタイムを見学!
サークルタイムは3,4,5歳の異年齢で開催される時もありますが、今日は同い年のグループで行われました。
本日のテーマは「つくる組(4歳児)で散歩に行く公園を決めよう」というもの。たくさんの公園の写真が貼られたボードを使い、自分が行きたい公園を発表します。
サークルタイムではこのようなやりとりがみられました。
保育スタッフ「Aくんが行きたい公園は?」
Aくん「どんぐり公園。」
保育スタッフ「どんぐり公園なんだね。どんぐり公園で何がしたいですか?」
Aくん「たかおにとかさ、大きいすべり台とかさ……」
保育スタッフ「たかおにとか、すべり台とか?」
Aくん「黄色いすべり台とか、ぐにゃぐにゃのすべり台とかさ……」
保育スタッフ「うん、うん」
Aくん「どんぐり公園が楽しい」
保育スタッフ「だからAくんはみんなで行きたいんだって。みんなはOK?」
こどもたち「「はーい!」」
保育スタッフ「Aくんと一緒の公園に行きたい人いる?Bちゃんかな?」
Cちゃん「Cちゃんも!」
いかがでしたか?こども同士でお話を聞き合って、「同じところがいい!」と思ったり、この後には他の人の意見を聞いて「やっぱり違う公園にしようかな」と意見が変わる様子もみられました。
また、意見を聞かれた時は元気に手を挙げるけれど、いざみんなに聞かれていると緊張して言葉が出ず、もじもじしてしまったり……という姿が印象的でした。そんな時は先生が、優しくこどもの言葉を繰り返したり、問いかけの言葉をかけたりしていました。
次は、サークルタイムをサポートした保育スタッフにインタビューしてみました!
こどもたちの対話を支える秘訣とは?保育スタッフにインタビュー!
ーサークルタイムのテーマはどう決めていますか?
「先生の方から提案することもありますし、その逆もあります。例えばこの前、「おやつの片付けの時、お皿を重ねるのって危なくないのかな?」ということについて話し合いたい、という提案がこどもからありました。」
ーそんなお話も出るんですね!どういった話し合いになったんですか?
「お皿をたくさん重ねて運ぶのは危ないよね、という意見もあれば、でも一つずつ運ぶのは面倒だよね、という意見もありました。最終的には、「危なそうな子がいたら、一つずつ運ぶのをおすすめしよう」とか、「ゆっくりだったらいいんじゃない?」という意見に落ち着きました。」
ーどちらがいい、などは決めなかったんですね。
「はい。みんなで話すという過程が大切なので、必ずこう!という結論が出なくても問題ないです。」
ーサークルタイム中にケンカになってしまうことはないんですか?
「ないです。”意見が違っても友達だよね”、”違う意見も聞いてあげよう”ということを学ぶレッスンがあったり、保育スタッフも普段意識して伝えているので、ケンカになってしまうことはないです。もちろんちょっと口調が怖くなってしまう、ということはあったりするので、その時は先生が気をつけています。」
ー話すのが苦手なこどもに対してはどういった工夫をしていますか?
「言葉に出なくてもみんな心の中で考えていることがあるので、”〇〇くんはどう思うの?”と問いかけたりしています。毎日やっていると、自分の言葉をみんな聞いてくれるんだ、という安心感が生まれてきて、恥ずかしさも少なくなっていきます。
つくる5歳児クラスにあがるころには意見を言いたくて言いたくてしょうがない!みたいな会になることもあります。大人の方がそろそろ終わってほしいな~と思うくらいです(笑)」
ーそんなこともあるんですね。
話し合いがうまくいっていない時、私だったらつい「こうしたら?」と口を出してしまうかな……と思うんですが、先生たちはどうなんでしょうか?
「もちろんそういう時はあります。けど、一旦その子に話すのを任せてみて、周囲の様子をみるようにしています。もしそれで返答に困っていたら、こどもの言葉を言い換えたり、こう考えてみたらどうだろう?と提案することもあります。」
ーなるほど。最後に、サークルタイムで学んだことが活きた!と感じる瞬間はありますか?
「日頃から、こども同士が「こうしたい」という思いを伝えあって、行動を調整している姿をよく見ます。いざこざがあって、本人が気持ちを伝えるのが難しくても、周りの子が「こういう気持ちなの?」と聞いて解決に導いてくれるので、大人が仲介することがまずないかな、と思います。」
サークルタイムはこどもたち自身が対話していき、思いを伝えあい、聞き合っていく中で、自分や周囲の一人一人の気持ちや意見を大切にしていく経験ができる活動です。
取材を終えて、自分が思っていた以上に、こどもたちはお互いの話を聞き合っていること、そして先生方はこどもたち一人一人の気持ちを大切にできるように工夫されていることが分かりました。
サークルタイムって凄い!そう気付かされた一日でした。
入園説明会を実施します
みんなが自分らしくいられる保育園、みんなのみらいをつくる保育園東雲では、2025年度の入園、2024年度途中入園むけの入園説明会を実施します。
当日は、お子さんと一緒にご参加いただくことも可能です。
園内の見学会も行いますので、この機会にぜひ園にお越しください。
2025年度入園説明会 開催概要
日時:2024年8月3日(土)10:00~11:00
場所:みんなのみらいをつくる保育園東雲 3F
内容:園のご紹介・園内見学
お申し込み方法:参加を希望される方は、園見学のお申し込みフォームにてお申し込みください。入園説明会へのご参加が難しい場合、園見学・体験も随時受付中です。同じフォームよりお申し込みください