小規模保育の拡大、充実・発展をめざすため、互助会的組織として活動しているNPO法人全国小規模保育協議会(理事長 駒崎弘樹)は、2015年10月から11月 にかけて、小規模認可保育所を運営する事業者を対象としたアンケート調査を実施しました。
2015年4月、「子ども・子育て支援新制度」が始まり、全国で1,655園もの小規模認可保育所がオープンしました。
小規模認可保育所は、都市部では待機児童問題解決の切り札として、地方では人口減少時代の保育制度維持のための解決策として大きく注目を浴びています。
フローレンスの運営する「おうち保育園」も2015年4月からは小規模認可保育所と位置づけられています。
新制度発足後に小規模認可保育所が運営にあたりどんな課題を抱えているか、という本調査では、
全国102事業者、148園より回答をいただきました。
施設運営者からどんな課題が挙げられたのか、国や自治体は何をすべきか・・・
調査結果からは全国の小規模認可保育所が抱える様々な課題が浮かび上がってきました。
1番の経営課題は「保育者の不足」
アンケートの回答として、課題の1位・2位に挙げられたのが「早朝・夜間の人員配置が難しい」「十分な人数の保育士・保育者を採用するのが難しい」というものです。この結果は「保育者が不足している」ということが、現状もっとも大きな課題であることを意味しているといえるでしょう。
保育者不足の原因としてまず挙げられるのが、処遇が悪い、つまり給与が低いということです。厚生労働省の調査によると、2013 年時点の保育士の月収は、20.7 万円であり、これは全産業平均の 29.5 万円を大きく下回っています。
解決策としては、公定価格、すなわち補助単価を上げることが求められます。「子ども・子育て支援新制度」に対し、国は1兆円強の予算を投入すると決めたにも関わらず、予算は 7,000 億円の水準に留まっています。
また、新制度の下で「認可」になったことにより、逆に生じてしまった負担も保育者不足の原因の一つとなっています。
それは、開所時間が規定されていることと、土曜日の開園が義務づけられていることです。
保育所は、標準的には 11 時間開所(7:30-18:30)が最低要件となり、労働基準法が定める8時間労働を大きく上回ります。そのため、8時間労働者やパートタイム労働者をシフトで組み合わせて対応する必要があり、「早朝・夜間の人員配置が難しい」という課題が生じています。
調査結果の詳細は全国小規模保育協議会のサイトでご覧ください。