今日は3月11日、東日本大震災から5年が経ちました。
東日本大震災の被害によって亡くなられた方々、震災によって家族や友だち、大切な人を失ってしまった方々、大切な場所や仕事、平穏な生活を奪われてしまった方々。
地震が発生した14時46分、たくさんの痛みに祈りを捧げるべく、スタッフ全員で黙祷しました。
先日被災地・福島で農業を営み、震災で家族を失った方にインタビューした番組を見たとき、その方が話していた
「5年たったと言われても、僕達にとってはただ5年過ぎただけ。悲しみは何も変わっていない」という言葉が印象的でした。今も東北では、避難生活を続けておられる人が20万人以上、仮設住宅内でのご高齢の方の孤独死など時間が経過したゆえの課題も出てきています。
私たちひとりひとりにできることは大きくはないかもしれません。
しかし、今日一日「被災地に起こっている困難は、私たちみんなのものだ」という気持ちを忘れず心に刻んで、また明日からの日々を歩んでいけたらと思います。
フローレンスの被災地支援活動 仙台市でのおうち保育園運営
被災地では、場所や地域によって課題も異なり、復興フェーズに応じた支えがまだまだ必要とされています。
フローレンスでは2011年より東北の中高生の学習支援や、福島で子どもが安心して遊べる室内公園の運営などの活動を行ってきました。
これらフローレンスの被災地支援の取り組みは、先日発刊された荻上チキさんの新著「災害支援手帖」でも紹介されました。
本書は、可愛いイラストの災害支援事例集で、お金での支援、モノでの支援、いろいろな困りごとを解消する小さなアイデアなど、支援の現場で本当に役立った事例が紹介されています。このヒント集の中に、フローレンスの行っていた「希望のゼミ」「ふくしまインドアパーク」の取り組みも収録されています。次にくる災害への備えのために、ぜひご覧いただければと思います。
2015年4月からは宮城県仙台市青葉区に「おうち保育園 こうとう台」を開園し、保育事業を通じて被災地を支える活動を行っています。
※「おうち保育園 こうとう台」は2024年に閉園いたしました
被災した東北の中心地である仙台市では、復興が進む中、多くの待機児童を抱えています。
首都圏で運営してきた保育園事業を仙台でも展開することで、保育園の不足で働けずにいる親御さんをサポートし、経済的な復興を継続的に下支えしていきます。来月2016年4月には2園目となる「おうち保育園 木町どおり」を開園する予定です。
小規模保育によって仙台の待機児童問題を解決し、子育てと仕事の両立可能な地域社会を実現します。私たちは、それが被災地経済活動を支え、復興へと繋がっていくと考えています。
社員有志で制作した竹あかり 東北の地へ想いを込めて
今年は社員有志で、宮城県山元町で毎年行われている「追悼の竹灯ろう」に、103本の「竹あかり」を送りました。
被災後、山元町では町の一部が危険区域に指定され、津波により家を失った方たちはもちろん、家屋が無事であった方も、安全区域へと転居を余儀なくされました。大きく様相を変えた山元町。他の地域に比べ報道されることも少なく、復興も思うように進まない現状に、「忘れられているのでは」と不安の声も聞かれました。
そんな中、地元で生活する一人の青年が「町を明るくしたい」との思いを発信。賛同した有志により「3.11東北を灯そうプロジェクト」が発足することになります。竹あかりを日本の文化にしたいと活動する「ちかけん(竹あかり総合演出)」を中心に、その活動は広まり、全国で制作された300本以上の「竹あかり」が山元町に届けられました。
山元町は、2011年12月から翌年1月までフローレンスが無償学習進学サポート「希望のゼミ」を開催した地。「私たちは今も変わらず応援しています」というメッセージを届けたくて、このプロジェクトに参加。スタッフとその家族が一節の竹に東北への思いを込めながら電動ドリルで穴を開ける作業を繰り返し、103本の「竹あかり」を制作しました。
今後もフローレンスではさまざまな形で被災地支援事業を継続していきます。
ぜひ皆さまも、寄付やボランティアはもちろんのこと、被災地へ旅行したり、お買い物を通して応援したり、自分のできることを通して、復興を支えてください。
多くの人が関心を持ち続け、寄り添い続けることで、本当の復興が可能になるのだと思います。
東日本大震災の被害に遭われたたくさんの方々の思いを忘れることなく、一歩一歩ではありますが、皆で力を合わせて、よい未来を創っていければと思います。
※東日本大震災発生時に0歳だった赤ちゃんが、無事にハタチを迎えるその日まで。
被災地の子ども達を応援する「ハタチ基金」では皆さまからのご寄付をお受けしています。