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「遺言書は社会を変える?」遺贈寄付担当者が遺言の魅力を語り尽くします!!(遺言作成のご相談受付中)

「遺言書は社会を変える?」遺贈寄付担当者が遺言の魅力を語り尽くします!!(遺言作成のご相談受付中)

#寄付

毎年11月15日は「いい遺言(いごん)の日」

「いい遺言の日」は、家族や親戚が集まる年末年始を前に、相続や遺言について考える機会を持ってもらおうと制定されました。

遺言と遺書(いしょ)は、似て非なるもの

家族と遺言の話をするなんて縁起が悪いな、と思った方は、もしかすると「遺書(いしょ)」と混合しているのかもしれません。

「遺書(いしょ)」は死を覚悟した人が、遺していく人に宛てたもの。自殺者が遺すことが多いことから、縁起が悪いイメージがあるのでしょう。

それに対して「遺言(いごん)」とは、「自分が生涯をかけて築き、かつ、守ってきた大切な財産を、最も有効・有意義に活用してもらうために行う遺言者の意思表示」(日本公証人連合会HPより)なのです。

「『遺言』を書くという行為は、自分は何を大切にして生きてきたのか、この先をどう生きていきたいのかを考える良い機会になります。そういう意味でとても『前向き』なものなんですよ。」

そう語るのは、フローレンスの遺贈寄付担当者で、承継寄付診断士1級の資格をもつ金野です。

11月15日の「いい遺言の日」にちなみ、フローレンスの遺贈寄付を担当するスタッフ3人の座談会を実施しました。

フローレンスでは、遺贈や相続寄付に関するご質問やご相談を随時受付中です。「遺贈寄付をもう少し詳しく知りたい」「わたしにもできるのか聞いてみたい」といった気軽なご相談でもかまいません。ご希望の方はぜひ一度ご連絡ください。

お問い合わせフォームの「お問い合わせ内容」で「その他お問い合わせ」を選び、下欄に「遺言について相談希望」とご記入ください。メール、お電話、対面などご希望の方法で随時受け付けております(相談無料)。資料請求のみも受付けています。


座談会スタッフ紹介

金野(こんの)潤子

金野(こんの)潤子

みんなで社会変革事業部
遺贈寄付担当
承継寄付診断士1級
准認定ファンドレイザー

遠方に住む認知症の実母介護と、実家の整理対応中。

武石 かずみ

武石 かずみ

みんなで社会変革事業部
遺贈寄付担当

遺贈担当になって遺志を伝える大切さを知ってから、「頭と体が元気なうちに、想いを残してほしい」と家族に遺言を勧めています。子育てが落ち着いたらゴルフ再開願望あり。

瓦 らうら珠子

瓦 らうら珠子

みんなで社会変革事業部
遺贈寄付担当

以前実家の価格を査定してもらったところ、思ったより値がつかず驚いたことが。負の財産にならないよう画策中

「付言事項(ふげんじこう)※」で想いを伝える

金野

フローレンスで遺贈担当になるまで、遺言は「自分の財産をどう動かすかについて記した、法的効力のある文書」であって、必要な人が書けばいいぐらいの認識だったんです。でも、この仕事を担当したことで、遺言書は本当にいろんな理由があって書かれるのだなということを初めて知ったんです。

武石

本当にいろんな理由がありますよね。「どうしても遺産を渡したくない相手がいるから遺言書を書きたい」という人がいると聞いた時には、とても驚きました。

金野

遺言を書くことの理由ももちろんですが、今は遺言書の「付言事項」について、もっと知られるといいなと思っています。遺言書は、お金持ちだけが書くものではなくて、「付言事項」があるからこそ、みんなが書いたらいいのに!と、最近はすごく思うようになったんですよ。

遺言書を書く理由は、「伝えたい想いがあるから」ということも大きいですよね。人生の最後に、誰かに感謝の言葉を伝えたり、遺された人たちに自分の願いを伝えることができるんですから。

金野

例えばですけど、「店は長男に継がせる、次男も自分の仕事を頑張れよ」そんな父の想いを遺言書に遺せるんですよ。誰かを想う気持ちを次の世代に渡すバトンのような役目を果たしてくれるということを、もっとたくさんの人に知ってもらえたらいいなと思っています。

武石

遺言というと、ごく一部の人のための堅いもののような印象を受ける人が多いかもしれないけど、本当はとても人間味のあるものなんですよね。

※「遺言書を通して、お世話になった人への感謝、家族や自分が大切にしてきたものへの気持ちや願いなどを伝えることが一般的に行われていますが、この感謝や気持ち、願いを伝える文章を「付言事項」といいます。」(法務省HPより)

遺言は、「人生最後のあなたの言葉」

武石

想いを次の世代に渡すという点では、フローレンスに遺贈寄付をしてくださる方も同じですね。わたしがこの遺贈寄付の担当になって一番驚いたのは、スタッフが一度もお会いしたことのない方がフローレンスの活動に共感してくださって、未来のこどもたちのために遺贈寄付という形で財産を託してくださっている、ということです。

金野

財産を遺すとなると、まず考えるのが親族であったり、地域の自治体であったり、出身校といった身近なところですよね。

武石

だからこそ、その方が社会で活躍されていた時代には存在しなかったであろう、創立20年のフローレンスという若い団体に、全国各地にお住まいの方が遺贈寄付という形でこどもたちのために託してくださる、その視野の広さや懐の深さに驚かされています。

時代の変化も関係しているでしょうね。昔でしたら、亡くなる間際に枕元に親族を呼んで、「この財産はお前に…」といったこともできたのでしょうけど、そういう時代ではなくなっている中で、それでも最後に誰かに自分の想いを伝えられる一つの方法として、遺贈寄付を検討される方が増えているのかもしれません。

武石

二世代、三世代同居が珍しくなって、平均寿命も伸びているので、老後や去り際というのもまた十人十色になっているのかなと思いますね。そんな世の中だからこそ、大仰に捉えられがちな遺言書が、最後のお手紙のように使ってもらえる時代になったのかなと、そんなことを考えながら仕事をしています。

金野

そういう意味で、遺言書は大切な人の手元に残る人生最後のあなたの言葉にもなるんですよね。

「遺贈寄付」で財産を託されるということ

遺贈寄付という形で財産を社会に役立てたいと考えた時、寄付先の一つとしてフローレンスを選んでいただくには、社会的に意義のある活動をしていることをしっかりと発信していくことが大事です。そして、選んでいただいたからには、信頼を裏切らないよう真摯に活動を続けなければならないというのは常々思っているところです。

武石

未来のこどもたちのために遺贈寄付をしてくださった方々の想いに応える責任がわたしたちにはありますからね。

金野

遺言を拝見して、遺言を書かれたのが病院だったのだと分かったりすることもあって、そんな時は最後に力を振り絞って書いてくださったんだという絵が見えるんですよ。必ずやこの方の想いを実現してみせる、そんな気持ちになりますね。

(注:遺言を遺す方が公証役場に出向けない場合、公証人に病院や自宅等まで出張をしてもらい、公正証書遺言を作成することができます)

遺贈寄付は、次世代に想いをつなぐツール

お金に対する考え方は、人それぞれ違うと思うんですよ。財産を遺贈するというと莫大な金額を思い浮かべがちですけど、実際には下限はなくて数万円からでも託していただけるものじゃないですか。富裕層の方にはその方なりの矜持があると思いますし、本当にごく普通の生活を送っている方も、次の世代に気持ちをつなぐことができる。それが遺贈寄付の良いところですよね。

金野

わたしの父が急逝した時には、遺言がなかったので遺品を前に途方に暮れました。不動産の相続登記などの手続きも大変でしたけれど、それはすべきことが決まっていますよね。それ以上に、仏壇をどうして欲しかったのか、大事に飾っていた絵をどうしたかったのか、そういった父が生前に大切にしていたもの一つ一つの扱いを自分で判断しなければならなかったのは、非常に心理的負荷が高かったですね。

何を大切にしていて、それをどうしたいのか。普段からコミュニケーションが取れていればいいのでしょうけど、離れて暮らしているとそれも難しいですね。その人の生きた証でもある遺品を、次世代にどう活かしてほしいのかを伝えられるツールとしても、「遺贈」が広まるといいなと改めて思いました。

武石

こども世代が親に「遺言」の意義を伝えていけるといいですね。ただ、親子関係によっては「俺に早く死ねというのか」という捉え方をされてしまうケースもあると聞きます。わたしたちの親の世代では一般的にもなっていません。それに、今の自分の健康やするべきことに目が向いて、自分のいなくなった後のことを気にかけるのは難しいのだろうなと思います。

だからこそ、第三者からのアプローチが効果的になるシーンもあると感じます。「遺言」が財産を自分の意志で遺すという目的だけではなくて、自分が大切にしていたものを伝えるツールにもなるんだということを知ってもらえれば、気持ち的にも楽になるのではないでしょうか。

こども世代から、さらに次の世代へ

武石

わたしたちこども世代が、体験として遺言書を書いてみる、というのもいいのかもしれません。若い世代に遺言の良さを知ってもらって、親の世代に書くよう促すことがあたりまえになるといいですね。制度的にもっとハードルを下げる必要もあるかと思いますが。

遺言は高齢の方が書くものという雰囲気を、わたしたちのような遺贈寄付の受入団体が少しずつでも変えていきたいです。

金野

実際に遺言を書こうとすると、いろんなものを引きずり出されてしまうものですよね。家はどうするのか、お墓はどうするのか、ペットの世話は誰がしてくれるのか。それを考えるのが嫌になってシャットダウンしてしまう人もいると思うので、その辺りからわたしたちに相談してくれたらいいなと思います。本人が難しければ、お子さんが知識を得て、親御さんに教えてあげるのもいいですよね。

フローレンスには、第三者だからこその相談しやすさがあると思います。客観的にお話が聞けますし、専門的なことは士業におつなぎすることもできますから。

武石

「何も考えていないから相談できない」ではなく、むしろ「何も考えていないんだけど、どのくらい大変なの?」という質問でもいいですよね。

金野

こども世代が遺言について知ることで、親の想いを汲んで継ぐことができますし、こども世代も自分が遺言を書くことで、その次の世代に想いを託すことができますね。

武石

自分の想いを遺すという意味では、手紙やSNSなどいろんな方法がありますよね。遺言はその選択肢の一つ、ぐらいに気軽に考えてもらえればいいのかなと思います。遺言というと、立場が上の人が書く何か高尚なものというイメージもあると思うのですが、実際には、想いがあれば誰にでも書けるし、書く権利があるということを、フローレンスとしても広めていければいいなと思いますね。

いきなり士業に相談するのは、金銭的にもかなりハードルが高いでしょうから、自分自身のことにしろ、親のことにしろ、何をしていいかわからなくてモヤモヤしてるくらいなら、わたしたちに相談してほしいなと思いますね。

金野

遺言を書くということだけでなく、亡くなったあとに遺された家族が何をしなければならないのか、そんなこともお話できますね。そのあたりのことを、こども世代が知ることで親御さんに説明できるようになるといいと思います。

遺言書は、社会を変える可能性を秘めている

フローレンスに相談したから、フローレンスに寄付しなければいけない、ということもないですし、相談も無料なので、気軽に声をかけてもらえたら嬉しいですね。わたしたちは、相談される方の想いやお気持ちを第一に考えます。協働している団体も多いですから、相談される方の想いをお伺いして、場合によっては寄付先(遺贈先)として他の団体をご紹介することもありえるかもしれません。

武石

相談は無料だし、他の団体も紹介するというと、聖人君主みたいで逆に怪しまれそうですね(笑)

金野

確かに(笑)。わたしたちの願いは、この社会を寄付の力で良くしたいということにつきます。ニュースにもなっていましたが、今、老老相続が日本経済にマイナスの影響を与えていると言われています。相続の際に、そのほんの一部でも遺贈寄付という形で社会に役立てられたら、世の中のお金の流れが変わって、社会福祉の世界が大きく変わる可能性があるんです。

日本国内における老老相続の課題

金野

フローレンスに寄付をしていただければ嬉しいですけれど、わたしたちが目指しているのはもっと大きな世界、この社会全体がより良くなり、みんなが暮らしやすくなることですから。

武石

日本の社会を良くするために、相談を受け付けますというと、とても壮大なことのように聞こえるかもしれませんが、実際にそのくらいの心意気で行っていますので、まずは気軽に相談してくれたらと思います。

お問い合わせフォームの「お問い合わせ内容」で「その他お問い合わせ」を選び、下欄に「遺言について相談希望」とご記入ください。メール、お電話、対面などご希望の方法で随時受け付けております(相談無料)。資料請求のみも受付けています。


フローレンスは、日本のこども・子育て領域の課題解決と福祉活動を全国で展開する国内最大規模の認定NPO法人です。

日本初の訪問型病児保育事業で2004年に設立し、こどもの虐待、こどもの貧困、障害児家庭の支援不足、親子の孤立の課題を解決するため、多様な保育事業を運営する他、全国で「こども宅食」「おやこよりそいチャット」「にんしん相談」「赤ちゃん縁組」などの福祉事業と支援活動、政策提言をおこなっています。

2018年より遺贈寄付や相続財産の受付を開始し、これまでに弊会に託されたご遺志を、こどもの福祉や子育てにかかる問題の解決に役立てています。


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